ガザ通信遮断とイスラエル地上作戦、南レバノン空爆も
イスラエル軍がガザ市中心部への地上作戦を加速させる中、ガザ地区ではインターネットと電話が数時間にわたり遮断され、一時「情報のブラックホール」となりました。南部レバノンでのヒズボラ拠点への攻撃や、ヨルダンとの検問所での銃撃とあわせて、緊張はさらに高まっています。
ガザ市中心部へ向かう戦車、通信は数時間途絶
木曜日、イスラエル軍の戦車部隊がガザ市中心部へ通じる少なくとも二つのルートから前進し、地上作戦の新たな段階に入ったとみられます。同じタイミングで、ガザ地区ではインターネットと電話回線が数時間にわたって遮断されました。
イスラエル軍はすでにガザ市東部の郊外を制圧しており、ここ数日はシェイク・ラドワン地区やテル・アルハワ地区への激しい攻撃を続けています。これらの地域を足がかりに、市の中心部や西側の地区へ進軍する構えです。そこには、多くの人々が破壊を逃れて身を寄せているとされています。
パレスチナ通信会社「主要回線が攻撃対象に」
パレスチナ通信会社は声明で、自社のサービスが「継続する攻撃と、主要ネットワーク回線の標的化」により遮断されたと説明しました。夜までには固定インターネットと固定電話を復旧させたとしていますが、一時的にガザ市の多くの住民が外の世界と連絡を取れない状態に置かれました。
ガザ市の住民イスマイルさんは「インターネットと電話が切断されるのは悪い前兆です。いつも、とても残酷なことが起きる合図になってきた」と語っています。
数週間の包囲から、市街地内部の作戦へ
イスラエル軍のナダブ・ショシャニ報道官は、軍は数週間にわたりガザ市の周辺部で作戦を続けてきたとしたうえで、月曜の夜から火曜日にかけて、より大規模な部隊が市内深くへ進み始めたと説明しました。
イスラエルがことし8月10日にガザ市の制圧を目指す方針を公表して以降、何十万人ものパレスチナ住民が市から避難したとされています。それでもなお、多くの人々が破壊された自宅や廃墟の中、あるいは即席のテントにとどまっています。
「人道ゾーン」への退避呼びかけと、厳しい生活環境
イスラエル軍は、住民に対しガザ地区南部の指定された「人道ゾーン」へ移動するよう求めるビラを投下しています。しかし、支援団体によると、その地域の環境は厳しく、食料や医薬品、避難用のシェルター、基本的な衛生環境のいずれも十分とは言えません。
医療現場を圧迫する物資不足と栄養失調
世界保健機関(WHO)は木曜日、ガザ地区の病院で血液の在庫が深刻な水準にあり、数日以内にも医療サービスが停止しかねないと警告しました。
パレスチナの保健当局によると、過去24時間で子ども1人を含む4人が栄養失調や飢餓が原因で死亡し、戦闘開始以降、同様の理由で亡くなった人は少なくとも435人、そのうち147人が子どもだとしています。
南レバノンへの攻撃とアレンビー検問所での銃撃
ガザでの作戦と並行して、イスラエルは南部レバノンにあるヒズボラの軍事拠点も攻撃しました。イスラエルとの間で緊張が続くレバノン国境地帯では、戦闘の拡大が懸念されています。
また、ヨルダン川西岸地区とヨルダンを結ぶアレンビー検問所では、イスラエル側の2人が死亡する事件がありました。イスラエル軍はこれを「テロ攻撃」だと説明しています。
戦闘継続をめぐるイスラエルとハマスの主張
イスラエル側は、ガザで伝えられている飢餓の深刻さは誇張されているとし、戦闘が続いている責任はハマスにあると主張しています。ハマスが投降し、人質を解放して武装解除し組織を解体すれば、すぐにでも戦闘を終わらせることができるとしています。
これに対しハマスは、パレスチナ国家が樹立されるまで武装を手放さない姿勢を示しており、双方の主張の溝は大きいままです。
見えない戦場と市民生活への影響
通信遮断は、軍事作戦の詳細が外部から見えにくくなるだけでなく、救急搬送の要請や家族同士の安否確認も難しくします。空爆や砲撃が続く中で、情報が途絶えることは、市民にとって心理的な圧迫となりやすく、「これから何が起きるのか分からない」という不安を増幅させます。
レバノン南部やヨルダン川西岸地区でも緊張が高まるなか、ガザ市内への地上作戦の行方と、人道状況の悪化をどう抑えるのか。国際社会には、市民の保護と支援を最優先にした働きかけがよりいっそう求められています。
Reference(s):
Israeli operations cause Gaza telecom blackout, strikes in Lebanon
cgtn.com








