パレスチナ国家承認へ 二国家解決サミットを米イスラエルがボイコット
フランスとサウジアラビアがきょう8日(月)、イスラエルと将来のパレスチナ国家が共存する「二国家解決」への支持を集めるため、世界各国の首脳らを招いたサミットを共催します。複数の参加国がパレスチナ国家を正式承認する見通しで、イスラエルと米国の強い反発が予想されています。
- フランスとサウジが二国家解決をテーマに世界サミットを開催
- 英国などが前日にパレスチナ国家を承認、フランスなども追随へ
- イスラエルと米国はサミットをボイコットし、対抗措置も示唆
- パレスチナ側はビデオ参加、「国家承認を具体的行動に」と要求
フランスとサウジが主導する「二国家解決」サミット
今回のサミットは、イスラエルとパレスチナの紛争解決策として長年議論されてきた二国家解決への国際的な支持を再確認し、具体的な一歩を踏み出すことを狙いとしています。フランスとサウジアラビアが共催し、数十の国や地域の首脳・閣僚級が参加するとされています。
会合では、参加国の一部がパレスチナ国家を正式に承認することが見込まれています。これにより、パレスチナ国家承認の流れが一段と加速する可能性がありますが、同時にイスラエルと米国との関係悪化を招くリスクも指摘されています。
相次ぐパレスチナ国家承認とその条件
サミット前日の日曜日には、英国、カナダ、オーストラリア、ポルトガルの4か国が相次いでパレスチナ国家を承認しました。きょうのサミットに合わせ、フランスとほか5か国も正式承認に踏み切る見通しです。
ただし、各国のスタンスは一様ではありません。一部の国は、パレスチナ自治政府の改革を条件とする方針を示しており、また別の国は、外交関係の正常化を段階的に進めると述べています。パレスチナ側が約束した改革をどこまで実行に移せるかが、今後の承認プロセスの行方を左右しそうです。
イスラエルと米国はボイコット、圧力と対抗措置
イスラエルと米国は、このサミットをボイコットする方針です。イスラエルの国連大使ダニー・ダノン氏は木曜日、会合を「サーカス」と批判し、参加を拒否する姿勢を明確にしました。
イスラエル政府関係者によると、イスラエルは対抗措置として、占領下にあるヨルダン川西岸の一部を併合する案を検討しているほか、フランスに対する二国間の具体的な措置も視野に入れているとされています。
一方、米政権も、イスラエルに「対抗する措置」を取る国々に対し、何らかの結果を招く可能性があると警告しています。サミットでの決定がどの程度踏み込んだものになるかによって、米イスラエル両国の反応も変わってきそうです。
パレスチナ側の参加とアッバス大統領の立場
パレスチナのマフムード・アッバス大統領と数十人規模のパレスチナ高官は、サミットにビデオ形式で参加する予定です。米国が査証(ビザ)の発給を拒否したため、現地への渡航は実現しませんでした。
89歳のアッバス大統領は、今年初めにフランスのマクロン大統領宛ての書簡で、パレスチナ自治政府の改革と近代化を進めると約束したとされています。しかしイスラエル側は、アッバス氏がこうした約束を本当に履行するとは考えていないとし、国家承認の動きに強く反対しています。
サミットを共同主催するサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、会場には姿を見せない見通しです。ただ、総会は金曜日、投票を伴わない全会一致で、皇太子がきょうの会合にビデオで出席することを認めました。
パレスチナのヴァルセン・アガベキアン・シャヒン外相は日曜日、「世界はパレスチナ国家という言葉をはっきりと口にし始めている。それを現実のものにしなければならない。各国がどのような具体的措置を示すのかが問われている」と述べ、サミットの成果に期待をにじませました。
二国家解決をめぐり、何が変わるのか
今回のサミットは、イスラエルとパレスチナの和平交渉そのものを直接進展させる場というよりも、各国が二国家解決をどう具体化しようとしているのかを示す「試金石」となりそうです。
今後の焦点として、少なくとも次の点が注目されます。
- 実際にどの国がパレスチナ国家を正式承認し、その内容にどのような条件を付すのか
- イスラエルと米国が、承認やサミットの決定を受けてどの程度の対抗措置に踏み込むのか
- パレスチナ自治政府が、約束した改革をどこまで実行し、国際社会の信頼を得られるのか
- 今回の動きが、今後の和平プロセスや地域の安定にどのような影響を与えるのか
パレスチナ国家承認の流れが加速すれば、紛争解決の枠組みは新たな段階を迎える一方で、当事者間の溝が深まる懸念もあります。サミット後の各国の行動が、二国家解決を現実に近づけるのか、それとも緊張を高めるのか。きょうの議論の行方が、今後の中東情勢を占う重要なヒントとなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








