国際平和デー2025:国連グテーレス事務総長「平和は待てない」と訴え
国連事務総長「平和は待てない」 国際平和デーに世界へ呼びかけ
毎年9月21日に定められている国際平和デー。今年のテーマは英語で Act Now for a Peaceful World、直訳すると「平和な世界のために今行動を」です。2025年9月21日(日)、国連のアントニオ・グテーレス事務総長はメッセージを通じて、紛争が続く世界に向け「今こそ行動を」と強く訴えました。
「平和は待てない」―銃声を止め、苦しみを終わらせる呼びかけ
グテーレス事務総長は、国際社会に対し「銃声を止め、苦しみを終わらせ、分断に橋をかけ、安定と繁栄をつくり出そう」と呼びかけました。「平和は待てない。戦火にさらされた世界は平和を求めて叫んでいる」と強調し、一人ひとりがその声を代弁するよう訴えています。
戦争が奪う「子ども時代」と尊厳
メッセージでは、戦争が人々の生活をどれほど深く壊しているかにも言及しました。世界各地で、命が引き裂かれ、子ども時代が奪われ、人間としての基本的な尊厳が踏みにじられていると指摘しています。
日々のニュースで目にする爆撃や避難の映像の背後には、学校に行けなくなった子ども、家族と離れ離れになった人々、故郷を失った人たちの物語があります。国連は、国際平和デーを通じて、統計や地図の向こう側にいる具体的な「誰か」の存在を思い起こしてほしいと訴えているようにも見えます。
平和と持続可能な開発は切り離せない
グテーレス事務総長は、持続可能な開発(持続可能な開発目標=SDGs)と平和の関係にも触れました。開発面で最も遅れをとっている10の国のうち9カ国が、同時に紛争状態にあると指摘し、平和なくして持続可能な開発はあり得ないという現実を示しています。
- 戦闘が続くと、教育や医療への投資が最優先になりにくい
- インフラが破壊され、経済活動が滞る
- 人々が国内外へ避難し、社会のつながりが弱まる
こうした悪循環を断ち切るには、停戦や和平交渉だけでなく、貧困や不平等といった紛争の「温床」に向き合うことも不可欠だというメッセージが読み取れます。
差別と偽情報が「火に油」を注ぐ
事務総長はまた、紛争を煽る要因として、人種差別や相手を人間として見ない姿勢(非人間化)、そして偽情報の広がりを挙げ、「これらの炎に油を注ぐ行為を鎮めるべきだ」と訴えました。
インターネットとSNSが生活に溶け込んだ今、誰もが情報を発信・共有できる一方で、偏った情報や根拠のない噂が瞬く間に世界を駆け巡ります。国際平和デーのメッセージは、私たち一人ひとりが発信者であることを自覚し、事実を確認し、相手を尊重する言葉を選ぶことも「平和への行動」の一部だと問いかけています。
国際平和デーとは? 歴史と今年の意味
国際平和デーは、1981年に国連総会で設立されました。その後、2001年には、すべての国連加盟国がこの日を非暴力と停戦の期間とすることに合意し、「武力行使を控える日」としての性格がより明確になりました。
テーマである Act Now for a Peaceful World(平和な世界のために今行動を)は、平和を特別な誰かに任せるのではなく、日常の小さな選択の積み重ねとして捉えようという呼びかけでもあります。
- 異なる意見を持つ相手の話に耳を傾ける
- 差別的な発言や投稿を見たとき、黙認しない
- 共有する前に情報源を確かめる
- 紛争地域で活動する人道支援への関心を持つ
こうした一つひとつの行動が、遠くの戦争と無関係に見える日常と、世界の平和を静かにつなげていきます。
「平和があるところに、希望がある」
メッセージの最後で、グテーレス事務総長は「平和があるところに、希望がある」と語りました。紛争や分断のニュースが絶えない今だからこそ、国際平和デーは、私たちが「平和」を抽象的な理想ではなく、具体的な行動として捉え直すきっかけになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








