戦争下の人間性を守る:2026年に向けたグローバル国際人道法会合とは
ブラジルや中国、フランス、ヨルダン、カザフスタン、南アフリカと赤十字国際委員会(ICRC)が共同で準備を進める「戦争における人間性を守る」ための世界ハイレベル会合が、2026年に開催される予定です。国際人道法を軸に戦争と人道の両立を探るこの動きは、日本語で国際ニュースを追う私たちにとっても見逃せないテーマです。
2026年に予定される世界ハイレベル会合とは
共同声明によると、ブラジル、中国、フランス、ヨルダン、カザフスタン、南アフリカの6カ国とICRCが共催する世界的なハイレベル会合が、2026年に開かれる予定です。テーマは「戦争における人間性を守ること」。武力紛争が続く中で、戦時にも守られるべき最低限のルールである国際人道法をどう実効性のある形で支えていくかが焦点になります。
この会合に向けて、6カ国とICRCは共同声明を日曜日に発表し、各国政府に対し、国際人道法の履行を強化するための具体的な行動を呼びかけました。
背景にある「グローバル国際人道法イニシアチブ」
声明によれば、6カ国とICRCは1年前、「グローバル国際人道法イニシアチブ(Global IHL Initiative)」を立ち上げました。きっかけは、国際人道法違反が相次ぐ中で、「この流れを食い止めなければならない」という強い危機感と責任感だったとしています。
現在までに、世界各地域から合計89の国がこのイニシアチブに正式に参加しました。そのうち27カ国は、7つのテーマ別作業部会の共同リーダーとして、国際人道法の遵守を高め、現代の戦争形態がもたらす課題にどう対応するかについて、実務的な提言づくりを進めています。
また、この1年の間に、130を超える国がグローバルおよび地域レベルの協議に参加し、「どうすれば国際人道法の遵守を改善できるか」という問いについて議論を重ねてきたといいます。2026年の会合は、こうした議論を一段と前に進める場となりそうです。
各国に求められている3つのステップ
6カ国とICRCは、2026年の会合に先立ち、すべての国に次の3つの点を検討するよう呼びかけています。
- 国際人道法を「足元」から整えること
国際人道法の履行を確保するために、予算や人材などの十分なリソースを公式に割り当て、自国の制度や運用の中で着実に位置づけることを求めています。 - 国内制度と有事の準備への統合
国際人道法を国内の立法に反映させ、武力紛争などの非常時の準備計画の中にも組み込むことで、現場で実際に機能する仕組みを整えることが重要だとしています。 - グローバル国際人道法イニシアチブへの正式参加
イニシアチブに正式に加わり、協議に積極的に参加するとともに、まだ参加していない国にも参加を呼びかけることで、政治的なコミットメント(約束)を広げていくことを提案しています。
武力紛争当事者への強いメッセージ
声明は、単に各国の制度整備を求めるだけでなく、「すべての武力紛争の当事者」に対し、国際人道法を守るよう強く求めています。とくに、占領の状況にある場合も含め、すべての国が国際人道法を完全に尊重し、その尊重を確保する義務を負っていることを改めて確認しました。
守るべき対象として挙げられているのは、次のような人々や対象です。
- 市民(民間人)
- 民間の建物やインフラなどの「民用物」
- 医療従事者や人道支援に携わる人々
- 現場を取材するジャーナリスト
これらは、ニュースで武力紛争の映像や写真を目にするたびに、私たちが「本来なら最優先で守られるべき存在」として思い起こしたいポイントでもあります。
国連と多国間システムの役割
声明はまた、国連が国連憲章に基づいて果たすべき役割、そしてより広い多国間システムの重要性も強調しています。個々の国や紛争当事者の努力だけではなく、国連や国際機関を通じた協調が不可欠だという見方です。
2026年の世界会合は、こうした多国間の枠組みの中で、国際人道法をどう実効性あるルールとして機能させるかを議論する場になると考えられます。
私たちがこのニュースから考えたいこと
今回のイニシアチブや2026年の会合は、いわば「戦争が起きても、人間として守られるべき一線をどう守るか」という問いへの国際社会なりの答えを探す試みです。
日々、スマートフォンの画面越しに世界の紛争のニュースに触れる私たちにとっても、次のような視点を持つきっかけになりそうです。
- ニュースで武力紛争を見るとき、「国際人道法は守られているか」という問いを意識してみる
- 自国を含む各国が、国際人道法のためにどのような制度整備や支援を行っているのかに注目する
- 国連やICRCなどの国際機関が果たしている役割を、単なる名前としてではなく「仕組み」として理解しようとする
2026年に向けた準備はすでに動き出しています。会合が開かれる頃、国際社会がどこまで国際人道法の実効性を高められているのか、そのプロセスを追いながら、自分自身の視点も更新していきたいテーマです。
Reference(s):
Global high-level meeting to uphold humanity in war to be held in 2026
cgtn.com








