国連総会で各国首脳が多国間主義を強調 創設80周年の節目に何が語られたか video poster
創設80周年の国連総会、キーワードは「多国間主義」
創設80周年を迎えた国際連合(国連)の場で、各国の首脳が多国間主義の重要性を改めて強調しました。9月23日に開かれた国連総会(UNGA)での一般討論演説では、一国だけでは解決できない課題にどう向き合うかが、国際ニュースの大きな焦点となりました。
多国間主義ってそもそも何?
多国間主義とは、複数の国が国連などの国際機関を通じて、共通のルールや目標を話し合いながら決めていく考え方です。二国間での駆け引きや、一国の力だけに頼るのではなく、「みんなでルールを作り、みんなで守る」ことを重視します。
国連総会や安全保障理事会、気候変動に関する枠組み、世界保健機関(WHO)などは、いずれも多国間主義にもとづく仕組みの代表例です。今回の国連総会では、こうした枠組みを弱めるのではなく、むしろ強化すべきだというメッセージが相次ぎました。
なぜ今、多国間主義がこれほど語られるのか
今年の国連総会で多国間主義が強く打ち出された背景には、いくつもの世界的な課題があります。
- 気候変動や自然災害の激甚化
- 感染症や将来のパンデミックへの備え
- 経済格差や債務問題など、グローバル経済の不安定さ
- 地域紛争や安全保障環境の悪化
- 生成AIやデジタル技術の急速な発展に伴うルールづくり
いずれも国境の内側だけでは対応できず、国と国、地域と地域の連携が不可欠なテーマです。創設80周年という節目を迎えた国連で、世界の指導者たちが「協調か分断か」という問いに向き合わざるをえなかったとも言えます。
首脳たちが共有した3つの方向性
詳細な表現は国や地域によって異なるものの、今回の議論からは次のような方向性が浮かび上がります。
- 国連を中心とした国際協調の維持と強化
国連憲章の原則を守りつつ、より多くの国が意思決定に参加できるようにすることが強調されました。 - ルールにもとづく秩序づくり
力ではなくルールに基づいて国際社会を運営するという考え方を、貿易、安全保障、デジタル分野などでどう具体化するかが課題として示されました。 - 包摂性と公平性の確保
開発途上国や若者、市民社会の声を国際議論に取り込んでいく重要性が確認されました。多国間主義を「一部の国のもの」にしない視点です。
日本とアジアの読者にとっての意味
こうした国連総会の議論は、日本やアジアの人々の生活とも無関係ではありません。気候変動対策がどこまで進むのか、ワクチンや医療体制がどのように整備されるのか、サプライチェーン(供給網)の安定性をどう高めるのか――その多くは、多国間の枠組みの中で決まっていきます。
日本語で国際ニュースを追いかける私たちにとっても、「自国の利益」だけでなく「共通の利益」をどう定義するかを考えることは、これからの時代を読み解く重要な視点になります。
ニュースを自分ごととして読むための視点
今回の国連総会で示された「多国間主義の強化」という流れは、いますぐに結果が出るものではありません。しかし、80年続いてきた国連という枠組みを、次の世代にどう引き継ぐのかという長期的な議論のスタートラインでもあります。
ニュースを読むときに、次のような問いを自分に投げかけてみると、見え方が少し変わるかもしれません。
- この問題は、どの国とどの国の「協力」が必要なのか
- 多国間のルールづくりに、どの地域の声がどれだけ反映されているのか
- 自分の働き方や暮らしは、どんな国際ルールに影響を受けているのか
創設80周年を迎えた国連で交わされた多国間主義の議論は、「世界のどこか遠い場所」の話ではなく、私たちの日常やこれからの選択ともつながっています。次の国際ニュースを開くとき、その視点を少しだけ思い出してみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








