イランとロシアが250億ドル原発合意 南部シーリークに4基新設
イランとロシアが、イラン南部ホルムズガーン州シーリーク地域で第三世代の原子力発電ユニット4基を建設する、総額250億ドル規模の合意を結びました。モスクワで開かれている国際イベント「2025 World Atomic Week」の会場で署名されたこのプロジェクトは、イランの原子力エネルギー計画の中でも最大級の取り組みと報じられており、同国の電力供給や地域情勢にどのような影響をもたらすのか注目されています。
合意の中身:250億ドルで原発4基を建設
イラン国営通信IRNAによると、今回の合意はイランとロシアが締結したもので、事業総額は約250億ドルに上ります。新たに建設されるのは、いずれも「第三世代」と呼ばれる最新型の設計を採用した原子力発電ユニット4基です。
各ユニットの発電容量は約1,255メガワットとされ、4基合計で約5,020メガワットを生み出す計画です。これは5,000メガワット級という大規模な発電能力であり、イラン国内の電力供給に大きな影響を与える規模といえます。
- 建設場所:イラン南部ホルムズガーン州シーリーク地域
- 発電ユニット数:第三世代原子力ユニット4基
- 出力:各ユニット約1,255メガワット、合計約5,020メガワット
- 事業規模:250億ドル
- 事業主体:Iran Hormoz Company(イラン側)とRosatom Project Company(ロシア側)
合意文書には、イラン側はアトミック・エナジー・オーガニゼーション・オブ・イラン(AEOI)を代表するIran Hormoz Company、ロシア側はRosatom Project Companyが署名しました。署名には、在ロシア・イラン大使のカゼム・ジャラーリ氏も立ち会ったと伝えられています。
2025 World Atomic Weekで交わされた合意
今回の合意は、モスクワで開催されている国際イベント「2025 World Atomic Week」のイラン・パビリオン(イランの展示ブース)で行われました。IRNAによれば、このフォーラムは木曜日から日曜日までの日程で実施されており、原子力分野に関する国際的なフォーラムとなっています。
イランからは、AEOIのトップであるモハンマド・エスラーミー氏が率いる代表団がモスクワを訪れています。代表団は月曜日に現地入りし、ロシア側の当局者との会談やフォーラムへの参加を予定しているとされています。
南部ホルムズガーン州シーリークでの大規模計画
IRNAは、シーリークでの原発建設計画を「イランの原子力エネルギー分野で最大級のプロジェクト」の一つと位置づけています。建設予定地は約500ヘクタールの広さがあり、イラン南部のホルムズガーン州に位置します。
報道によると、すでに建設サイトの選定に関する調査は完了しており、現在は工学的な設計、環境影響評価、初期的な現地準備といった作業が進行中です。実際の建設に向けた下準備が着実に進んでいる様子がうかがえます。
エネルギーと国際関係の交差点として
発電容量5,000メガワット規模の原子力発電所が新たに加われば、イランにとって国内の電力供給の安定化や将来の需要増への対応に役立つ可能性があります。また、ロシアとの大型協力プロジェクトとして、両国の関係強化を象徴する動きとも受け止められそうです。
一方で、原子力発電の拡大は、どの国においても安全性の確保や環境への影響、核不拡散といったテーマと切り離せません。今回の計画でも、環境評価や安全対策の内容がどのように具体化されていくのかが、国際社会からも注視されるポイントになりそうです。
これからの注目ポイント
IRNAの報道では、具体的な完成時期などには触れられていませんが、今後は次のような点が焦点になっていくと考えられます。
- 建設の進捗や運転開始までのスケジュール
- 環境影響評価や安全対策の内容と透明性
- ホルムズガーン州シーリーク周辺地域への経済的・社会的な影響
- 原子力分野におけるイランとロシアの協力の広がり
エネルギー、安全保障、環境といった複数のテーマが絡み合う原子力プロジェクトは、ひとつの国のニュースにとどまらず、国際ニュースとしても長期的に追いかける価値のあるテーマです。今後の追加情報や現地からの報告が待たれます。
Reference(s):
Iran, Russia ink $25b deal to build nuclear power plants in Iran
cgtn.com








