ゼレンスキー氏「戦争が終われば出馬せず」 ロシア紛争後の退任に言及
ウクライナのゼレンスキー大統領が、ロシアとの戦争が終わった後は大統領選に出馬せず、退任する用意があると表明しました。3年以上続く紛争と戦時下で止まった選挙の行方をめぐり、国際ニュースとしても注目が集まっています。
戦争終結後は「選挙に出ない用意がある」
ゼレンスキー大統領は、今週木曜日に公開された米メディア「Axios(アクシオス)」のビデオインタビューで、ロシアとの戦争が終わった後の自身の進退について語りました。
大統領は「ロシアとの戦争を終わらせることができるなら、私は選挙に出なくていいと考えています。選挙は私の目的ではありません」と述べ、自らの最優先事項は再選ではなく戦争の終結だと強調しました。
さらに、「とても厳しい時期に、自分の国と共にあり、国を助けたいと強く願ってきました。私の目標は、戦争を終わらせることです」とも語り、戦時下のリーダーとしての役割を振り返りました。
停戦成立なら議会に選挙実施を要請
ゼレンスキー氏は同じインタビューで、もしロシアとの間で停戦が実現した場合には、ウクライナ議会に対し大統領選の実施を求める考えも示しました。
「停戦が成立すれば、議会に選挙の実施を求めます」との趣旨の発言を行い、戦争が続く間は自らの任期延長を受け入れつつも、戦闘が止まった後は有権者の判断を仰ぐべきだとの姿勢を打ち出しています。
戒厳令で止まった2024年選挙と正統性の議論
ウクライナでは、2024年に予定されていた大統領選挙が実施されませんでした。2022年2月にロシアの軍事作戦が開始された後、ウクライナには戒厳令が導入され、その下では全国規模の選挙の実施が停止されているためです。
ゼレンスキー氏は2019年の大統領選で当選しており、本来であれば2024年に任期満了を迎える予定でした。しかし、2025年12月現在もロシアとの紛争は続いており、選挙は行われていません。
こうした状況をめぐり、ロシア側はゼレンスキー氏の指導者としての正統性に繰り返し疑問を投げかけてきました。今回、大統領が「戦争終結後は選挙に出馬しない用意がある」と語ったことは、権力にとどまる意思はないというメッセージとも受け止められます。
- 2019年:ゼレンスキー氏が大統領に当選
- 2022年2月:ロシアの軍事作戦開始を受け戒厳令を導入
- 2024年:戒厳令のため大統領選が延期
米国訪問でトランプ大統領と会談、長距離兵器も要請
ゼレンスキー大統領は今週、米国を訪問し、国連総会に参加しました。滞在中には、トランプ米大統領とも会談しています。
大統領はインタビューの中で、キーウ(キエフ)が米国から新たな長距離兵器の供与を求めていることを明らかにしました。ロシアとの戦争が長期化する中、防衛力と抑止力を高めたいというウクライナ側の意図がにじみます。
国連総会の場での演説や首脳会談を通じて、ウクライナは引き続き国際社会に対し支援と関与を呼びかけており、今回の発言もその流れの中に位置づけられます。
「クレムリンは防空壕の場所を知るべきだ」発言
ゼレンスキー氏は、ロシア側への強いメッセージも発しました。インタビューで、もしモスクワが紛争の終結を拒み続けるのであれば、「クレムリンで働くロシアの当局者たちは、最寄りの防空壕がどこかを知っておくべきだ」と述べたのです。
これは、戦争が続けば、その影響は前線だけでなく、戦争を決定する側にも及び得るという警告とも読めます。発言のトーンは厳しいものの、狙いはロシア側に対し「戦争を続けるリスク」を自覚させることにあるとみられます。
戦時下のリーダー交代をどう見るか
3年以上にわたるロシアとの戦争の中で、ゼレンスキー大統領は国際社会の象徴的な存在ともなってきました。その本人が、戦争終結後は選挙に出馬しない可能性に言及したことは、次のような論点を私たちに投げかけています。
- 戦争が長期化する中で、指導者はどこまで続投すべきなのか
- 戒厳令などで通常の選挙が行えないとき、どのように民意を確認できるのか
- 戦後の政権移行が、和平交渉や復興プロセスにどのような影響を与えるのか
ウクライナの今後の政治のかたちと、ロシアとの紛争の行方は、国際ニュースとして世界の安全保障にも直結するテーマです。ゼレンスキー氏の今回の発言は、戦後のウクライナを誰が、どのように導いていくのかという、次の段階の議論の始まりとも言えます。
今後も、停戦の有無や選挙の日程、国内外の反応などが注目されます。読者の皆さんも、自分なりの視点でウクライナ情勢と世界の動きを追い続けてみてください。
Reference(s):
Zelenskyy says he is ready to step down after conflict with Russia
cgtn.com








