ロシア、EUの未確認ドローン対応を批判 軍事費拡大の口実と主張
ロシアがEUの未確認ドローン対応を批判
ロシア外務省の欧州担当高官が、欧州連合(EU)域内で相次いで報告されている未確認ドローンの飛来をめぐるEU側の反応を「ヒステリー」と批判し、軍事費増額の口実にすぎないと主張しました。デンマークやドイツ北部でのドローン目撃情報が緊張を高める中、安全保障と暮らしのバランスをどう取るかが改めて問われています。
何が起きているのか:デンマークとドイツ北部での目撃情報
ロシアの国営通信社RIAノーボスチによると、今週、デンマークの空港上空や、デンマークと国境を接するドイツ北部の州にある軍事基地周辺で、複数の未確認ドローンが目撃されました。
デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、コペンハーゲン空港の航空便を妨害したドローンの侵入について、自国の重要インフラへの「深刻な攻撃」だと表現し、警戒を強めています。
ロシア外務省高官「EUは軍事費拡大の世論づくりをしている」
RIAノーボスチが土曜日に伝えたところによると、ロシア外務省欧州局長のウラジスラフ・マスレンニコフ氏は、EUの対応は軍事費の拡大を正当化するためのものだと批判しました。
マスレンニコフ氏は、EUが「軍事支出を増やす必要がある」と市民に納得させようとしており、その結果として社会経済的な安定を損ない、人々の生活水準を低下させかねないと懸念を示しました。
ロシア上院側「EUにドローンを送る必要はない」と否定
ロシア連邦議会上院(連邦会議)の国防・安全保障委員会の第一副委員長を務めるウラジミル・チジョフ氏も、ロシアのテレビ局Russia-24で、ロシアがEU諸国にドローンを送り込んで力を誇示する必要はないと述べ、関与を否定しました。
EU内で議論続く「ドローンの壁」構想
RIAノーボスチによれば、マスレンニコフ氏は、EUが検討しているとされる「ドローンの壁」構想の詳細についても、まだ域内で合意に達していないと指摘しました。名称からは、ドローンへの対策強化を狙った取り組みとみられますが、具体像ははっきりしていません。
安全保障と生活の質、そのあいだで
今回のやり取りは、未確認ドローンという新しい脅威にどう向き合うかだけでなく、軍事費の増額が市民生活にどのような影響を及ぼすのかという、より広いテーマも浮かび上がらせています。
一方で、重要インフラや空港がドローンによって混乱させられるリスクへの警戒は、欧州の多くの国で共有されつつあります。他方で、ロシア側が指摘するように、防衛強化の名の下に社会保障や教育などへの支出が圧迫されれば、生活水準の低下につながる可能性もあります。
ドローンへの備えと軍事費の拡大、そして人々の暮らしをどう両立させるのか。EUとロシアの応酬は、私たちにそのバランスをどう考えるのかという問いを投げかけています。
今後の注目ポイント
- デンマークやドイツ北部で目撃された未確認ドローンの出所が解明されるか
- EU内で「ドローンの壁」を含む新たな安全保障策にどこまで合意が進むか
- 軍事費増額をめぐる議論が、物価や賃金など市民の生活議題とどう結び付いていくか
- ロシアとEUの情報発信が、世論形成や安全保障観にどのような影響を与えるか
安全保障ニュースとして追うだけでなく、「暮らし」との接点を意識しながら、このテーマをフォローしていきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








