国連総会でイスラエル・パレスチナ問題が焦点に トランプ大統領「ハマスとの合意は近い」 video poster
2025年9月末に開かれた第80回国連総会で、イスラエルとハマスをめぐるイスラエル・パレスチナ問題が国際議論の中心となりました。9月26日(金)の一般討論で、アメリカのドナルド・トランプ大統領は「イスラエルとハマスの紛争を終わらせる合意は近い」と述べ、中東情勢をめぐる期待と疑問が一気に高まりました。
一方、直前に演説したイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の登壇に対し、一部の各国代表は発言前に議場を退席。国連という場で、対立する見方と不満が可視化された瞬間でもありました。
中国グローバルテレビジョンネットワーク(CGTN)のオーウェン・フェアクロー記者は、ニューヨークの国連本部から、こうした動きを伝えています。本稿では、その内容を手がかりに、この出来事が何を意味するのかを整理します。
この記事のポイント
- 第80回国連総会で、イスラエル・パレスチナ問題が最大の関心事となった
- トランプ大統領は「イスラエルとハマスの合意は近い」と発言
- ネタニヤフ首相の演説前に、一部代表団が抗議の意思を示すように退席
- 国連総会は、中東和平をめぐる外交の「舞台」としての性格を改めて示した
イスラエル・パレスチナ問題が国連総会の中心に
国際ニュースとしての国連総会は、毎年さまざまなテーマが並びますが、今回の第80回会合ではイスラエル・パレスチナ問題が際立ちました。ガザ地区を含む中東情勢の悪化が続くなか、多くの国が一般討論演説で、停戦や人道支援、二国家解決(イスラエルとパレスチナの双方が国家として共存する構想)への支持や懸念を表明しました。
各国はそれぞれの立場から発言しますが、共通しているのは「民間人の犠牲をどう減らすか」という問いです。国連総会の場は、法的な拘束力を持つ決定を下す場というより、各国が立場を示し合う「世界世論の鏡」としての役割を持っています。
トランプ大統領「合意は近い」発言の重み
CGTNの報道によると、トランプ大統領は9月26日、国連総会の場で「イスラエルとハマスの紛争を終わらせる合意が近づいている」と述べました。これは、長年続いてきた武力衝突の終結に向けて、一定の進展があることを示唆する発言です。
このような発言が注目されるのは、アメリカが長年、中東和平プロセスに大きな影響力を持ってきたからです。アメリカが仲介役として関わることで、次のような点が焦点になります。
- 即時停戦や暴力の抑制につながるのか
- ガザ地区を含む人道状況の改善が進むのか
- イスラエル・パレスチナ双方の政治的な「最終的地位」をどう扱うのか
一方で、「合意は近い」という言葉だけでは、具体的な中身やタイムラインは見えません。今後、当事者や地域の関係国がどのような形で交渉に関わるのかが、引き続き注視されます。
ネタニヤフ首相演説と「退席」というサイン
トランプ大統領の発言は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の演説の直後に行われました。報道によれば、ネタニヤフ首相が演説を始める前の段階で、一部の代表団が議場を退席したということです。
国連の場での「退席」は、静かながらも強いメッセージです。相手の発言を正面から批判するかわりに、物理的にその場から離れることで、政策への強い反対や不満を示します。
今回のケースでは、イスラエルの軍事行動や占領政策に批判的な立場の国が、抗議の意思を示したとみられます。こうした行動は、次のような意味を持つことが多いです。
- 自国の国内世論に対するアピール
- 相手国に対する不満の可視化
- 国際社会全体に「このままでは受け入れがたい」という立場を伝えるシグナル
ただし、退席が直接、交渉の進展を止めるわけではありません。むしろ、公の場では強い姿勢を見せつつ、水面下では現実的な調整を続けるというケースも少なくありません。
国連という「舞台」と、これからの中東情勢
今回の第80回国連総会は、イスラエル・パレスチナ問題が依然として国際社会の最重要課題のひとつであることを改めて示しました。トランプ大統領の「合意は近い」という発言と、ネタニヤフ首相への抗議を示す退席。この二つの出来事は、次のようなポイントを浮かび上がらせます。
- 表舞台では対立の構図が強調される一方、水面下では停戦や合意に向けた動きが続いている可能性
- 中東和平をめぐる議論は、アメリカやイスラエルだけでなく、多くの国や地域が関わる多層的な問題であること
- 国連総会は、各国が自らの立場を明確にし、世界の世論を形づくる場として依然重要であること
イスラエル・パレスチナ問題の抜本的な解決は、一度の国連総会や単独の合意だけで達成できるものではありませんが、国連総会での一つ一つの発言や行動が、今後の交渉や国際的な枠組みに影響を与えていくことは確かです。今回の国連総会をきっかけに、ニュースの見出しの裏側でどのような外交メッセージが交わされているのかを考えてみることが、次の一歩につながりそうです。
Reference(s):
Israel – Palestine issues take center stage at UN General Assembly
cgtn.com








