イラン大統領、核合意制裁再発動を前に米欧を非難 国際ニュースの背景整理
2015年のイラン核合意(包括的共同行動計画/JCPOA)に基づき一度は解除された国連制裁が、再び発動されようとしています。その直前、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領が米国と欧州3カ国を強く批判し、核合意をめぐる緊張があらためて高まっています。<\/p>
イラン大統領「合意復活の最大の障害は米国」<\/h2>
ペゼシュキアン大統領は、ニューヨークでの国連総会からテヘランに戻った土曜日、空港での発言の中で、2015年核合意の復活を妨げている最大の要因は米国だと主張しました。<\/p>
大統領によると、イランは合意の履行を監視する国際原子力機関(IAEA)との協力に改めて前向きな姿勢を示しており、そのことをフランス、英国、ドイツの3カ国代表にも伝えたといいます。<\/p>
一方でペゼシュキアン氏は、米国は「常に新たな口実を持ち出し、合意達成を妨げようとしている」と批判。「米国は強いイランを容認できず、わが国を弱体化させたいのが現実だ」と述べ、根深い不信感をあらわにしました。<\/p>
欧州3カ国が「スナップバック」発動、国連制裁が復活へ<\/h2>
フランス、英国、ドイツの3カ国は先月、核合意(JCPOA)に盛り込まれた「スナップバック条項」を発動しました。これは、核合意の下でイランの核計画に制限を課す見返りとして解除されていた国連制裁を、元に戻すための仕組みです。<\/p>
この決定により、合意に基づき一時的に解除されていた制裁措置が、同日中にも再び有効になる見通しでした。制裁の再発動は、イランの経済や外交に新たな圧力を加える可能性があり、地域情勢への影響も懸念されています。<\/p>
イランの対抗措置 大使召還と強い言葉<\/h2>
制裁再発動を前に、イランはすでに欧州3カ国への抗議として、それぞれの首都に駐在する大使を召還しています。<\/p>
アッバス・アラグチ外相は、このスナップバック決定を「違法で、無効で、いかなる正当性もない」と厳しく非難しました。そのうえで、現在の危機の責任は「米国の裏切りと欧州の無為」にあると述べ、米欧双方を名指しで批判しました。<\/p>
アラグチ氏はさらに「米国は外交を裏切り、ヨーロッパはそれを葬り去った」と述べ、かつては対話によって築かれた核合意が、いまや制裁の応酬に変わりつつあるとの認識を示しました。<\/p>
揺らぐ2015年核合意JCPOAの位置づけ<\/h2>
JCPOAは2015年、イランと6つの世界の大国との間で結ばれた核合意です。イランの核計画に制限を課す代わりに、国連制裁などを解除することを柱とした「制限と制裁緩和の交換」を掲げていました。<\/p>
しかし2018年に米国が合意から離脱して以降、この枠組みは大きく揺らいできました。米国の離脱と制裁復活に対抗する形で、イランも段階的に合意履行を縮小し、双方の信頼は深刻に損なわれています。<\/p>
それでもなお、JCPOAはイランの核問題をめぐる唯一の合意文書であり、国際社会にとっても重要な外交的土台であり続けています。今回のスナップバックは、その残された土台までも崩れかねない動きとして受け止められています。<\/p>
今後の焦点:対話は復活できるのか<\/h2>
今回の制裁再発動とイラン側の強硬な発言により、核合意をめぐる緊張は一段と高まりました。一方で、ペゼシュキアン大統領はIAEAとの協力には改めて前向きな姿勢を見せており、完全に対話の余地が失われたわけではないとの見方もあります。<\/p>
今後、国際ニュースとして注目されるポイントは次のような点です。<\/p>
- 国連制裁の再発動後、イランが核合意への姿勢や核開発活動をどのように調整するのか<\/li>
- 米国とフランス・英国・ドイツが、イランとの対話チャンネルを維持・再構築しようとするのか、それとも制裁を一段と強化するのか<\/li>
- IAEAが今後の協議や査察で、どこまで信頼醸成に役割を果たせるのか<\/li>
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2015年核合意は、制裁と対話のどちらを選ぶのかという国際社会の選択を象徴する枠組みでもあります。イラン、米国、欧州3カ国が今後どのようなメッセージと行動で応えるのか。その一つ一つが、中東情勢と国際秩序の行方を占ううえで重要なシグナルとなりそうです。<\/p>
Reference(s):
Iran slams U.S., Europe as nuclear deal sanctions set to resume
cgtn.com








