ハマス、トランプ米大統領のガザ停戦案を協議 武装解除条項に慎重論
イスラム組織ハマスが、トランプ米大統領が提案したガザ地区の停戦・戦後案について、受け入れ判断を保留し協議を続けていることが分かりました。ほぼ2年に及ぶガザの戦闘を終わらせるとされるこの「ガザ案」をめぐり、組織内部と国際社会の思惑が交錯しています。
トランプ案の柱:停戦、人質解放、武装解除
関係者によると、トランプ米大統領が提示したガザ案は、次のような内容が柱になっています。
- 即時の停戦
- 72時間以内の人質解放
- ハマスの武装解除
- イスラエル軍の段階的なガザ撤収
- トランプ氏が主導する戦後の暫定統治機構の設置
トランプ氏は、ガザ案の受け入れに「3〜4日以内」という事実上の期限をハマス側に示し、ガザ地区で続くほぼ2年の戦闘を終結させる狙いがあるとされています。
ハマス「なお協議中」 二つに割れる内部意見
ハマスの幹部は、匿名を条件に「トランプ案をめぐる協議は続いており、結論を出すには時間が必要だ」と述べ、仲介役に対しても協議継続の状況を伝えているとされています。
交渉状況に詳しい別の関係者によると、ハマス内部には大きく二つの意見があるといいます。
- 第一の立場:トランプ氏の保証と仲介国の監視のもとで、優先すべきは停戦だとして「無条件受け入れ」を支持するグループ
- 第二の立場:武装解除やパレスチナ人の追放に関する条項に強い懸念を示し、「条件付き受け入れ」を主張するグループ
後者のグループは、ハマスと他の「抵抗勢力」の要求を明確に反映させる形での修正を求めているとされます。具体的には、武装解除やハマス幹部・戦闘員のガザ追放を求める条項の見直しに加え、次のような保証が焦点になっています。
- イスラエル軍の「完全撤退」に対する国際的な保証
- ガザ内外での要人暗殺が行われないことの保証
ハマス政治局メンバーのモハンマド・ナッザル氏も声明で、ガザ案には「懸念すべき点がある」としたうえで、近く正式な立場を公表する考えを示しました。ハマス指導部は仲介国やアラブ・イスラム諸国と接触を続け、「合意形成に向け真剣に取り組んでいる」としています。
国際社会は概ね歓迎、パキスタンは距離
このガザ案について、アラブ諸国やイスラム圏の国々を含む主要国はおおむね歓迎の姿勢を示しています。一方で、パキスタンはトランプ氏が公表した「20項目」が、自国を含むイスラム諸国グループがまとめた草案とは一致していないと指摘しました。
パキスタンのイシャク・ダル外相は議会で、「トランプ氏が公にした20のポイントはわれわれの案ではない。われわれの草案にいくつか修正が加えられている」と述べ、自国の立場との違いを明確にしています。
今後の焦点:停戦の早期実現か、条件闘争の長期化か
トランプ案は、ガザでの戦闘終結と人質解放への具体的な道筋として、国際社会から一定の支持を集めています。しかし、ハマス内部の意見の違いや、各国の思惑が絡む中で、次のような点が今後の焦点となりそうです。
- ハマスが停戦を最優先して無条件受け入れに傾くのか、それとも条件付きの修正要求を貫くのか
- 武装解除やガザからの追放条項をめぐり、どこまで折り合いがつくのか
- イスラエル軍撤退や暗殺防止などの安全保障上の保証を、国際社会がどのような形で担保できるのか
ガザ案をめぐる協議は、戦闘の早期終結と、ハマスやパレスチナ側の「抵抗」の継続をどのように両立させるのかという、難しい選択を各当事者に突きつけています。合意形成に至るのか、それとも条件闘争が長期化するのか、引き続き注目が集まりそうです。
Reference(s):
Hamas official says group still needs time to study Trump's Gaza plan
cgtn.com








