ベネズエラが米軍機の「違法飛行」を非難 主権侵害と国際法違反を主張
ベネズエラが米軍機の「違法飛行」を非難 カリブ海上空で何が起きたのか
南米ベネズエラ政府が、今年10月に自国沿岸近くで探知された米軍戦闘機の飛行を「違法な侵入」だとして強く非難しました。主権や国際法、安全保障が交差する今回の動きは、カリブ海の緊張をどう変えるのでしょうか。
今年10月、沿岸から約75キロ地点で米軍機を探知
ベネズエラの国防省と外務省は木曜日、米軍戦闘機による「違法な侵入」があったとする声明を発表しました。外相のイバン・ヒル氏はソーシャルメディア上の声明で、米軍機が2025年10月2日に同国の海岸から約75キロの地点で探知されたと説明しています。
ヒル外相によると、今回の飛行は「国家主権を脅かす挑発行為」であり、国際法および国際民間航空条約に違反するものだとしています。また、同様の飛行が他にも探知されていると述べ、単発の事案ではないとの認識を示しました。
「主権を脅かす挑発」 ベネズエラ側の主張
ベネズエラ政府は、米軍戦闘機の飛行がカリブ海上空の航空の安全を危険にさらしたと強調しています。ヒル外相は、今回の行動が民間航空機の運航にもリスクをもたらしたとし、国際社会に問題提起する姿勢を見せました。
ベネズエラ側の主張のポイントは次のとおりです。
- 米軍機の飛行は「違法な侵入」であり、国家主権への挑戦だとみなしている
- 国際法および国際民間航空条約に反する行為だと主張している
- カリブ海上空における航空の安全を「危険にさらした」として懸念を示している
- 同様の飛行が他にも確認されており、継続的な問題だという認識を示している
国防相は「軍事的嫌がらせ」と非難 米国に警告
ベネズエラのウラジミール・パドリーノ・ロペス国防相も、米軍機の展開を厳しく批判しています。同国防相は、今回の動きを「軍事的嫌がらせ」であり、米国政府による「軍事的脅威」だと表現しました。
パドリーノ・ロペス国防相は、ベネズエラの人びとが「平和と仕事、幸福」を望んでいると述べたうえで、米国側に対し、軍事行動に踏み切らないよう警告しました。「そのような過ちを犯してはならない」とする発言は、軍事的な衝突を回避したい一方で、主権侵害とみなす行為には妥協しないというメッセージとも受け取れます。
なぜ「軍用機の接近飛行」がここまで問題になるのか
今回の事案は、軍用機が実際に領空内に入ったかどうかだけでなく、「どこまで接近すれば挑発とみなされるのか」という微妙なラインを映し出しています。とくに、安全保障上の緊張が高まりやすい地域では、次のような点が問題になります。
- 国家の安全保障上、軍用機が接近するだけでも軍事的圧力と受け止められやすい
- 軍用機と民間機が同じ空域や周辺空域を飛行することで、誤認や事故のリスクが高まる
- 一度の飛行が、将来のより大きな軍事行動の「予兆」と受け止められることがある
ベネズエラ側は、今回の米軍機の飛行を「単なる通過」ではなく、自国への圧力や威嚇につながる行動だと評価し、国際社会に向けて問題提起を行っているといえます。
今後の焦点:緊張緩和か、それとも対立の長期化か
今回のベネズエラ政府の非難声明は、カリブ海地域における安全保障環境の不確実性をあらためて浮かび上がらせました。今後、
- 米国側がどのような説明や反応を示すのか
- 同様の軍用機の飛行が続くのか、それとも抑制されるのか
- 国際機関や周辺国がこの問題にどう向き合うのか
といった点が注目されます。
デジタルで世界のニュースを追う私たちにとっても、遠く離れたカリブ海上空の出来事は無関係ではありません。軍事的な接近飛行をめぐる緊張は、国際法、民間航空の安全、そして地域の安定といった複数の論点を同時に考えさせるテーマだからです。
ベネズエラと米国の間で交わされる言葉のトーンや、今後の行動がどう変化していくのか。引き続き動向を追っていく必要があります。
Reference(s):
Venezuela denounces illegal U.S. military flight near its coast
cgtn.com







