ガザ停戦に前進?トランプ案をハマスが受け入れ、8カ国が歓迎声明
エジプトなど8カ国が、トランプ米大統領のガザ停戦案に対するハマスの対応を歓迎する共同声明を発表しました。長期化するガザの戦闘を終わらせる「現実的なチャンス」になり得るのか、国際ニュースとして押さえておきたい動きです。
8カ国が共同声明「停戦への真の好機」
エジプト、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)、インドネシア、パキスタン、トルコ(トルキエ)、サウジアラビア、カタールの8カ国は、日曜日に共同声明を発表し、ハマスによるトランプ米大統領の停戦案への対応を歓迎しました。
声明によると、各国外相は次の点を評価しています。
- トランプ案に沿って、ガザでの戦闘を終結させる方向でハマスが踏み出したこと
- 生存者・死亡者を含む全ての人質の解放に向けた動きが示されたこと
- 合意の実施方法をめぐる協議を「直ちに」始めることへの支持
さらに、共同声明は、これらの進展を「包括的で持続可能な停戦を実現し、ガザの深刻な人道状況に対処するための真の機会」と位置づけました。
ハマスの新たな一歩:ガザ統治を移管する用意
今回、各国外相が特に注目したのは、ハマスがガザの統治を移管する用意があると表明した点です。
- ハマスは、ガザの行政権を「独立した専門家(テクノクラート)による暫定的なパレスチナ行政委員会」に引き渡す用意があると発表
- 共同声明は、この表明を歓迎し、提案の全ての側面を扱うための協議を早急に開始する必要性を強調
ガザの統治をめぐっては、これまでもパレスチナ自治政府との調整や主導権の在り方が大きな争点となってきました。今回のハマスの姿勢は、その枠組みを見直す一つの転機になり得るとみられます。
トランプ停戦案のポイントは
共同声明が言及するトランプ米大統領のガザ停戦案は、戦闘終結と人質問題の包括的な解決を目指すものとされています。声明が伝える範囲では、主な柱は次の通りです。
- ガザでの戦闘を終結させること
- 生存者・死亡者を含む全ての人質の解放
- 人質とパレスチナ人受刑者の交換合意の実施
- 合意内容を実行に移す具体的なメカニズムについての交渉開始
8カ国の外相は、イスラエルに対し爆撃の即時停止と交換合意の実施開始を呼びかけるトランプ氏の姿勢も評価し、地域の平和構築に向けた取り組みとして歓迎しています。
パレスチナ自治政府の復帰と二国家解決への言及
共同声明は、ガザの将来像についても踏み込んでいます。8カ国は、次のような点を求めました。
- パレスチナ自治政府のガザへの復帰
- ガザ地区とヨルダン川西岸地区の統合
- イスラエル軍のガザからの完全撤退
- ガザの本格的な復興
- 二国家解決(イスラエルとパレスチナがそれぞれ国家として共存する構想)に基づく公正な和平
停戦だけでなく、その後の政治プロセスやガザの統治体制まで視野に入れている点が、今回の声明の特徴といえます。
エジプト仲介の協議と今後のスケジュール
共同声明の前日、エジプトは、トランプ停戦案に基づき、イスラエルとハマスの代表団を受け入れて協議を行うと発表しました。協議では、
- 地上での安全管理など「現場の取り決め」
- イスラエル人の人質とパレスチナ人受刑者の交換の詳細
などが話し合われる見通しです。
8カ国は、今回の提案を実行に移し、ガザでの戦闘を終わらせるために「共同して支援していく」とあらためて表明しました。今後の協議の進展が、停戦実現の分かれ目となりそうです。
ガザの深刻な人道危機
ガザでは、2023年10月7日以降続くイスラエルの軍事作戦により、ガザの保健当局の最新の発表で、6万7千人以上のパレスチナ人が死亡し、負傷者は約17万人に上るとされています。
インフラの破壊や物資不足により、ガザ住民は飢餓や医療崩壊に直面しており、人道状況は極めて深刻です。8カ国の共同声明も、
- 人道支援の制限なき提供
- パレスチナ人の追放や強制移動を行わないこと
- 民間人の保護
を「包括的な合意」の条件として繰り返し強調しました。
読み手が押さえたい3つのポイント
今回の動きを、日本語で国際ニュースを追う読者としてどう見ればいいのか。整理すると、ポイントは次の3つです。
- ハマスが統治を手放す用意を示したこと
ガザの行政権を暫定的な専門家委員会に移すという表明は、これまでの構図を変え得る一歩です。 - アラブ・イスラム圏の主要8カ国が足並みをそろえたこと
エジプトやサウジアラビア、カタールなど、地域で影響力の大きい国々が共同声明を出したことは、停戦プロセスに一定の後押しとなり得ます。 - 停戦だけでなく「その後」を見据えた提案になっていること
パレスチナ自治政府の復帰、ガザと西岸の統合、二国家解決への言及など、中長期の政治解決に向けた枠組みも盛り込まれています。
これから何が問われるのか
一方で、
- イスラエルがどこまで停戦案を受け入れるのか
- 人質と受刑者の交換が実際にどのような条件で行われるのか
- ガザの統治をめぐるパレスチナ内部の調整が機能するのか
など、具体的な論点は山積しています。
ガザの人道危機が続くなか、今回の8カ国の共同声明とハマスの対応が、本当に「戦争の終わり」と「公正な和平」への道筋につながるのか。今後の交渉の行方を、引き続き丁寧に追う必要があります。
Reference(s):
8 Arab, Muslim countries welcome Hamas' response to Trump's Gaza plan
cgtn.com








