アレッポで衝突のシリア北部、政府当局とクルドSDFが即時停戦で合意
シリア北部・北東部で政府側部隊とクルド人主導の武装勢力「シリア民主軍(SDF)」の衝突が激しさを増すなか、双方がダマスカスで協議し、全戦線での即時停戦に合意しました。
激しい戦闘が起きたアレッポ市の住民にとっては、一刻も早い銃声の沈静化が焦点となっていますが、停戦がどこまで持続するのかはまだ見通せません。
今回のポイント
- ダマスカスでシリア国防当局とSDF司令官が会談し、北部・北東部での即時停戦に合意
- 停戦直前にはアレッポのクルド支配地区で激しい戦闘が発生し、治安要員1人が死亡
- 政府側は部隊移動を「戦略的再配置」と説明し、SDFの攻撃を非難
- SDFは政府側への攻撃を否定し、「包囲」によって衝突が誘発されたと主張
ダマスカスでの会談、北部全域で「即時停戦」
シリアの国防当局トップであるマルハフ・アブ・カスラ氏は火曜日、ダマスカスでクルド人主導のシリア民主軍(SDF)の司令官マズルーム・アブディ氏と会談したと発表しました。
カスラ氏によると、この会談の結果、シリア北部および北東部の全ての戦線と展開地域を対象とする「包括的な停戦」で合意し、「直ちに実施される」としています。
アレッポのクルド支配地区で激しい衝突
停戦の発表に先立ち、アレッポ市内のシェイク・マクスード地区とアシュラフィーア地区といったクルド支配地域では激しい銃撃戦が発生しました。
国防当局によれば、この衝突で治安要員1人が死亡し、複数が負傷したということです。
戦況を監視する団体「シリア人権監視団」は、政府側とされる部隊が2つの地区を包囲し、重火器や中火器を使用したと報告。ことし3月以降で最も深刻な緊張の高まりだと位置づけました。
アレッポ県のアッザム・アルガリーブ知事は住民に対し屋内にとどまるよう呼びかけ、「この街が銃声を聞く最後の夜にできるよう努めている」として、事態の沈静化に全力を挙げる考えを示しました。
政府側とSDF、食い違う説明
国防当局は、今回の部隊移動について「戦略的な地点を確保するために計画されていた再配置」であり、その背景にはSDFによる民間人や軍部隊、治安機関への攻撃が繰り返されてきたことがあると説明しています。
そのうえで、ダマスカスはSDFと結んだ3月10日の合意を順守しており、「大規模な攻勢を開始する意図はない」と強調しました。
一方のSDF側は、政府側ポジションへの攻撃を否定し、政府側に近い勢力が一連のクルド地区に対して「息苦しいほどの包囲」を敷き、対立を挑発したと非難しています。
停戦の行方と市民への影響
今回の停戦合意は、シリア北部と北東部の複数の前線や展開ポイントを一括して対象としている点で重要です。アレッポのような都市部を含め、発砲や砲撃がどこまで速やかに止まるかが、直近の注目点となります。
同時に、SDF側が訴える「包囲」をはじめとする現地の緊張要因が解消されなければ、停戦が一時的なものにとどまるリスクもあります。3月10日の合意が引き続き機能するのか、今回の衝突を受けてどのように修正されるのかも見通せません。
アレッポの住民の多くは、長引く不安定な治安状況のなかで生活しています。今回の停戦が本格的な緊張緩和につながるのか、それとも新たな衝突の前の短い静けさに過ぎないのか――今後数日の動きが試金石となりそうです。
Reference(s):
Syrian authorities, Kurdish SDF agree ceasefire after Aleppo clashes
cgtn.com







