国連、レバノン南部でのイスラエル無人機攻撃を非難 今月2度目の事案
国連、レバノン南部でのイスラエル無人機攻撃を非難 今月2度目の事案
国連レバノン暫定軍(UNIFIL)は、レバノン南部で今月発生したイスラエルによる2度目の無人機攻撃を「国連安全保障理事会決議1701への重大な違反」として非難し、平和維持要員の安全に深刻な懸念を示しています。
何が起きたのか
UNIFILによると、今月の金曜日、レバノン南部の村カフェル・ケラで、イスラエルの無人機が平和維持部隊の拠点近くに手りゅう弾を投下しました。この攻撃で、平和維持要員1人が軽傷を負いました。
攻撃の前には、同じ場所付近で2機の無人機が確認されていたとされており、UNIFILは状況を注視していたところでの事案だったと説明しています。
- 場所:レバノン南部カフェル・ケラ
- 発生時刻:金曜日の正午前
- 被害:平和維持要員1人が軽傷
- 攻撃手段:イスラエル無人機からの手りゅう弾投下
UNIFIL「今月2度目の手りゅう弾攻撃」
UNIFILは声明で、「これは今月に入ってから2度目のイスラエル国防軍による手りゅう弾攻撃だ」と強調しました。そのうえで、「決議1701への重大な違反であり、任務を実行している平和維持要員の安全を軽視するものだ」として、強い懸念を表明しています。
UNIFILは、イスラエルに対し、国連要員やその周辺への攻撃を直ちにやめるよう求めました。平和維持要員は、国連安全保障理事会の任務に基づき、レバノンとイスラエルの国境地帯で安定の回復に取り組んでいると説明しています。
10月2日にも無人機による攻撃
UNIFILは、今回の攻撃に先立つ10月2日にも、イスラエルの無人機が平和維持要員とレバノン兵士の近くに複数の手りゅう弾を投下したと明らかにしました。この時、現場では民間人のがれき撤去作業を、平和維持部隊とレバノン兵士が防護していたとされています。場所は、レバノン南部の国境の村マルーン・アル・ラスでした。
こうした一連の事案から、UNIFILの活動拠点やその周辺が、繰り返し攻撃にさらされている実態が浮き彫りになっています。
ガザ戦争後も続く国境地帯の緊張
UNIFILの拠点は、2023年10月に始まったガザ戦争をきっかけにレバノンとイスラエルの間で越境の衝突が発生して以来、何度も攻撃を受けてきたとされています。UNIFILは、イスラエルが自らの拠点を標的にしていると非難しており、こうした状況は国際社会からも批判を集めています。
一方で、イスラエルとレバノンの武装組織ヒズボラとの間では停戦が成立しているものの、イスラエル側はヒズボラからの脅威を理由に、レバノン領内への断続的な攻撃を続けています。また、国境地域からの部隊撤収については、2月18日に設定されていた期限を守らず、現在も国境付近の拠点を維持しているとされています。
ガザ戦争の勃発から2年以上が経過した今も、国境地帯の緊張は完全には和らいでおらず、平和維持部隊の安全確保と停戦の実効性が大きな課題であり続けています。
なぜこのニュースが重要なのか
今回の事案は、次のような点で国際社会の注目を集めています。
- 平和維持要員の安全:紛争地域で中立的な立場から活動する国連要員が攻撃を受けることは、現地の安定に直接影響します。
- 国連安保理決議の信頼性:UNIFILが言及した決議1701への「重大な違反」は、国際的な取り決めの拘束力や実効性に疑問を投げかけます。
- 停戦後の「見えにくい緊張」:停戦や合意が成立しても、現場では不信感や軍事的な駆け引きが続いている現実があらためて示されました。
レバノン南部でのこうした小規模な衝突や攻撃は、一見すると限定的なニュースに見えるかもしれません。しかし、ガザ戦争後の中東情勢や、国連による平和維持活動の行方を考えるうえで、地域の不安定さを映し出す重要なシグナルでもあります。
SNSで考えをシェアするときの視点
今回のニュースについて議論するときは、次のような問いも意識してみると、話が深まりやすくなります。
- 平和維持部隊が狙われるとき、国際社会はどこまで守る責任を負うべきか。
- 国連安保理決議が現場で徹底されない場合、その信頼性をどう担保できるのか。
- 停戦合意から時間が経っても続く緊張を、どのように可視化し、理解すべきか。
スマートフォン越しに追いかける国際ニュースの一つとして、このレバノン南部の小さな国境の村で起きている出来事を、中東全体の安定や国連の役割という大きな流れの中で捉え直してみることが求められています。
Reference(s):
UN condemns 2nd Israeli strike near peacekeepers in Lebanon this month
cgtn.com








