ゼレンスキー氏、米仏に追加ミサイル要請 トマホーク供与論で緊張高まる
ウクライナのゼレンスキー大統領が、米国のトランプ大統領やフランスのマクロン大統領と相次いで電話協議し、長距離ミサイルや防空システムの追加支援を求めています。ウクライナ情勢をめぐる国際ニュースの焦点は、米国が巡航ミサイル「トマホーク」をウクライナに供与するかどうかに移りつつあり、ロシアとの緊張が一段と高まっています。
- ゼレンスキー氏がトランプ氏と2日連続で電話協議
- トマホーク巡航ミサイル供与の可能性にトランプ氏が言及
- ロシアは「核搭載の可能性」を理由に強く警告
- 和平協議は停滞し、双方が相手側に責任があると非難
ゼレンスキー氏、米仏首脳と連日の電話協議
ゼレンスキー大統領は日曜日、米国のトランプ大統領と2日間で2度目となる電話協議を行い、ウクライナの防衛力、とくに長距離攻撃能力の強化について協議しました。ゼレンスキー氏は、トランプ氏との会談内容について「我々のチーム、軍が話し合ったすべてを進めていくことで一致した」と述べましたが、具体的な中身には触れていません。
またゼレンスキー氏は、フランスのマクロン大統領とも別途電話協議を行い、ミサイルや防空システムの追加提供を要請しました。そのうえで、ロシアがウクライナへの砲撃を強めていると指摘し、「中東や各国の国内問題に世界の関心が集まっているこの瞬間を、ロシアは利用している」と警戒感を示しています。
焦点となるトマホーク巡航ミサイル
今回の国際ニュースで大きな注目を集めているのが、米国の巡航ミサイル「トマホーク」です。トマホークは長距離を精密に攻撃できるミサイルで、米軍の象徴的な兵器の一つとされています。
トランプ大統領は、イスラエルとエジプトを訪れガザ情勢の和平協議に臨むため、大統領専用機エアフォースワンに搭乗する際、記者団に対し、ロシアのプーチン大統領にウクライナへのトマホーク供与を警告する可能性に言及しました。トランプ氏は「この戦争が決着しないのであれば、トマホークを送ることになるかもしれない」と述べ、ウクライナへの武器供与を巡る交渉カードに言い換える姿勢も示しました。
トランプ氏によると、ゼレンスキー氏は前日の電話協議の中で、キエフへの新たな武器供給について協議する際にトマホークの供与を要望したということです。一方でトランプ氏自身は、トマホーク供与は「新たな段階の攻撃」を意味すると述べ、ロシア側にとっても重大なシグナルになり得ることを認めています。
ロシア側は「核搭載の可能性」を強調
ロシアは、トマホークのような長距離ミサイルがウクライナに供与されれば、米ロ関係が損なわれ、情勢のさらなるエスカレーションを招くと強く反発しています。
クレムリンのペスコフ報道官は日曜日、国営テレビの取材に対し、ロシアはトマホークの発射を核弾頭を搭載した可能性のある攻撃として判断せざるを得ないと警告しました。ペスコフ氏は「長距離ミサイルが発射されて飛来してきたとき、それが核を搭載している可能性があると分かっている状況で、ロシア連邦はどう受け止めればよいのか」と述べ、核戦力も絡む深刻な安全保障上の懸念を示しました。
再び狙われるウクライナのエネルギーインフラ
こうした中、モスクワはウクライナのエネルギーインフラに対する空爆を再開し、全国の送電網や発電施設などを繰り返し攻撃しているとされています。ロシア側は、ウクライナがこれらの施設を軍需産業の電力供給に利用していると主張しています。
エネルギー網への攻撃は、一般市民の生活基盤を直接揺るがすものであり、冬場の電力不足や暖房の停止を招くおそれがあります。ゼレンスキー氏がミサイル防衛や防空システムの強化を各国に訴える背景には、こうした継続的な空爆への危機感があります。
停滞する和平協議と双方の非難
ウクライナ危機を巡る外交努力は、ここ数か月、目立った進展がない状態が続いています。トランプ大統領は8月にロシアのプーチン大統領と会談したものの、停戦や包括的な和平合意を取り付けることはできませんでした。
ロシアとウクライナは、和平プロセスが停滞している責任を互いに相手に押し付けています。ロシア側は、ウクライナと欧州の同盟国がワシントンとの協議を妨害し、和平の障害になっていると非難。一方でウクライナや欧州諸国は、ロシアが占領地の拡大を狙って意図的に交渉を引き延ばしていると反発しています。
長距離ミサイル支援は抑止かエスカレーションか
ゼレンスキー政権が求める長距離ミサイルや防空システムの追加支援は、ウクライナにとって防衛力強化と抑止力の向上につながる一方で、ロシアが警告するように緊張のエスカレーションにつながるリスクも抱えています。
世界の関心が中東情勢や各国の内政問題に向かう中で、ウクライナ支援をどこまで続けるのか、どの程度の射程と破壊力を持つ兵器まで認めるのかは、米欧を含む国際社会にとって難しい判断となっています。ゼレンスキー氏の一連の働きかけは、戦争の行方だけでなく、今後の安全保障秩序をどう構想するのかという問いを各国に突きつけています。
Reference(s):
Zelenskyy lobbies allies for more missiles and air defence systems
cgtn.com








