米政府閉鎖でCDC職員も混乱 トランプ政権の解雇方針が一転 video poster
米国で続く政府機関の一部閉鎖をめぐり、トランプ政権が連邦職員の大量解雇方針を一転させたことで、現場の混乱と不安がいっそう高まっています。感染症対策を担う疾病対策センター(CDC)の職員もその渦中にいます。
10月12日、米政府閉鎖が新たな局面に
現地時間2025年10月12日(日)、アメリカの政府閉鎖問題は新たな段階に入りました。報道によると、トランプ政権は当初予定していた数百人規模の連邦職員の解雇計画を撤回しました。
しかし、方針転換がすぐに安心につながったわけではありません。政府機関の一部はすでに人員削減や業務縮小の準備を進めており、現場では「解雇は免れたのか、それとも一時的に先送りされただけなのか」がはっきりしない状態が続いています。
約4,000人が雇用不安 CDC職員も対象に
今回の政府閉鎖で、約4,000人の政府職員が職を失うおそれがあるとされています。その中には、アトランタに本部を置く疾病対策センター(CDC)の職員も含まれます。
CDCは、感染症の監視やワクチン政策、健康危機への対応など、アメリカの公衆衛生を支える中枢機関です。その職員が政府閉鎖のあおりを受けて解雇や休職に追い込まれれば、影響は国内にとどまらず、国際的な感染症対策にも波及しかねません。
中国の国際メディアCGTNのオーウェン・フェアクロフ記者は、ワシントンから、職員の間で「次に何が起きるのか誰も分からない」という緊張感が広がっていると伝えています。
そもそも「政府閉鎖」とは何か
アメリカの「政府閉鎖」とは、議会で予算案が成立せず、政府機関の一部が業務を継続できなくなる状態を指します。閉鎖中も、安全保障や一部の医療など「生命や安全に直結する」と判断された業務は続きますが、それ以外の業務は停止や大幅な縮小を余儀なくされます。
今回のケースでは、政府閉鎖が始まってから3週目に入り、通常なら平時に行われるはずの業務が長期間にわたって滞る事態となっていました。短期なら耐えられる措置も、数週間に及ぶと公務員の生活や専門機関の機能に深刻な影響を及ぼします。
公衆衛生にどんなリスクが生じるのか
CDCのような専門機関が不安定な状態に置かれると、次のようなリスクが指摘されます。
- 感染症の発生動向を把握するためのデータ収集や分析が遅れる
- ワクチンや治療薬に関する調査研究が中断・延期される
- 国内外で新たな感染症が広がった際の初動対応が遅れる可能性がある
こうした業務は、平時には目立ちにくいものの、いざ危機が起きたときに機能しているかどうかで被害の大きさが左右されます。政府閉鎖が長引くほど、「見えないリスク」が静かに積み上がっていく構図です。
「人」を揺さぶる政治のコスト
今回の混乱は、政治対立の行き着く先で、もっとも揺さぶられているのが現場で働く人々の生活と仕事であることを浮かび上がらせました。
- 解雇や収入減への不安から、優秀な人材が政府機関を離れるおそれ
- 「いつ仕事が止まるか分からない」状況が、長期的な研究やプロジェクトを難しくする
- 政府の説明が二転三転することで、行政への信頼が損なわれる
こうした問題はアメリカだけの話ではありません。日本を含む多くの国で、危機対応や公衆衛生を担う人材をどう守り、政治的な駆け引きの影響を最小限に抑えるのかという問いは共通しています。
私たちがこのニュースから考えたいこと
米政府の一部閉鎖とCDC職員の不安定な立場は、次のような問いを私たちに投げかけています。
- 危機対応の最前線にいる専門家の仕事を、政治的な行き詰まりからどう守るか
- 市民が安心して暮らすために、公的機関にはどの程度の安定性が必要なのか
- 突然の方針転換が避けられないなら、その影響をどう小さくするか
政府閉鎖というニュースは、一見するとアメリカの国内政治の話のように見えます。しかし、その裏側には、「誰の生活と安全を優先すべきか」という、各国に共通する課題が横たわっています。日本からこのニュースを追うことは、自分たちの社会のしくみを見直すきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
CDC staff among thousands of Americans caught in shutdown turmoil
cgtn.com








