米国西海岸で医療従事者が大規模スト カイザー・パーマネンテに賃上げと人員増要求
米国西海岸で、医療大手カイザー・パーマネンテの医療従事者が数万人規模のストライキに突入しました。賃金と人員配置の改善を求めるこの動きは、患者ケアへの影響も含めて注目を集めています。国際ニュースを日本語で追ううえでも、医療現場の働き方を考える重要な出来事といえます。
ストライキの概要:米国西海岸で数万人が行動
ストライキに参加しているのは、医療大手カイザー・パーマネンテに所属する数万人の医療従事者です。火曜日の朝から米国西海岸各地で一斉に仕事を止め、賃上げと十分な人員配置を求めました。
カイザー・パーマネンテの公式サイトによると、このストライキは火曜日午前7時に始まり、日曜日午前7時に終了する5日間の日程とされています。
地元メディアによると、この行動は主にカリフォルニア州とハワイ州の病院や医療施設に影響を与え、ロサンゼルス地域の複数の施設も含め、500を超える病院・医療施設が対象となりました。
医療従事者を代表する組合United Nurses Associations of California/Union of Health Care Professionalsによれば、今回のストライキは、同組合の50年の歴史の中で最大規模の行動だとされています。
- 期間:火曜日午前7時〜日曜日午前7時の5日間
- 影響範囲:カリフォルニア州とハワイ州を中心に500超の病院・医療施設
- 規模:United Nurses Associations of California/Union of Health Care Professionalsの50年史上最大
労働者側の主張:安全な人員配置と公正な賃金
ストライキを主導する組合は、カイザー・パーマネンテの従業員が5日間のストライキに踏み切ったのは「望んだからではなく、そうせざるを得なかったからだ」と強調しています。
組合によると、今回のストライキの主な目的は次の3点です。
- 患者に十分なケアを提供できる「安全な人員配置」の確保
- 生活や責任に見合った「公正な賃金」の実現
- 長期的に患者ケアを守るための職場環境の保護・改善
組合側は、人員不足や賃金水準の問題が放置されれば、医療従事者の負担が増し、結果として患者ケアの質が損なわれると懸念しています。その危機感が、今回の大規模な集団行動につながったといえます。
カイザー・パーマネンテ側の反応
これに対し、カイザー・パーマネンテはストライキを「不必要で混乱を招くものだ」と批判しています。同社は、公正な給与水準を維持しつつ、高品質で手頃な医療を提供するというバランスをとった合意を目指す姿勢を示し、交渉を続ける考えを表明しています。
経営側は、患者に対する医療の継続性と費用負担の抑制を重視しながらも、従業員への報酬や勤務環境の改善との両立を模索している構図がうかがえます。
カイザー・パーマネンテとは
カイザー・パーマネンテは、カリフォルニア州オークランドに本部を置く、米国でも有数の非営利の医療保険・医療提供システムです。主に西部地域を対象に、約1,260万人の会員を抱え、600の医療オフィスと40の病院を運営しています。
こうした巨大な医療組織で大規模なストライキが起きることは、地域の医療体制や他の医療機関の労使交渉、さらには米国の医療制度全体にも影響を与える可能性があり、国内外で大きな関心を集めています。
日本の読者にとってのポイント
今回のストライキは米国西海岸の出来事ですが、「医療の質を守るために、どのような働き方と待遇が必要か」という普遍的な問いを投げかけています。日本の読者にとっても、他人事ではないテーマです。
このニュースから、次のような視点で考えることができます。
- 医療従事者の負担を抑えながら、患者の安全とケアの質をどう確保するか
- 賃金や人員配置の改善と、医療費の負担軽減をどのように両立させるか
- 大規模な医療組織における労使交渉や組合の役割をどう位置づけるか
カイザー・パーマネンテでのストライキは、医療現場の働き方と患者ケアのあり方をめぐる議論が、これからどのように進んでいくのかを占う一つの試金石といえます。国際ニュースとしての動きをフォローしつつ、日本の医療や働き方への示唆も探っていきたいところです。
Reference(s):
Tens of thousands of healthcare workers strike across U.S. West Coast
cgtn.com








