イスラエルが停戦破棄も警告 人質遺体返還巡りハマスと緊張
イスラエルのイスラエル・カッツ国防相が、水曜日にハマスが停戦合意を履行しなければガザでの戦闘を再開すると警告しました。米国のドナルド・トランプ大統領が仲介した停戦の行方を左右する発言で、中東情勢は再び緊張を強めています。
イスラエル国防相が示した条件
カッツ国防相の声明によると、イスラエルはハマスに対し、ガザでの非武装化と、ハマスが保有している全ての人質の遺体の返還を求めています。これらの条件が満たされない場合、イスラエルは米国と協調して戦闘を再開し、ハマスの完全な敗北を目指すとしています。国防相の事務所は、戦闘再開時にはガザの現状を変え、戦争の全ての目的を達成することを目標にすると強調しました。
停戦合意の枠組み 人質と受刑者の交換
トランプ大統領が仲介した停戦合意の下で、月曜日以降、ハマスは生存しているイスラエル人人質20人をイスラエル側に引き渡し、その見返りとしてイスラエルは約2,000人のパレスチナ人受刑者を釈放しました。人質と受刑者の大量交換は、停戦維持の柱の一つと位置づけられています。
一方で、死亡した人質の遺体の扱いは、合意の中でも最も敏感な論点となっています。イスラエル側によると、ハマスが把握している死亡した人質は少なくとも28人とされていますが、これまでに返還されたのはそのうち7人の遺体と、イスラエル側が元人質ではないと判断した別の1人の遺体でした。水曜日遅くには、さらに2人分の遺体が引き渡されましたが、それでも合意が求める人数には届いていません。
ハマス側「これ以上の遺体回収には特殊装備が必要」
ハマスの軍事部門であるエッザッディーン・アル・カッサム旅団は、今回の2人分の遺体が当面の返還としては最後になるとの見方を示しました。同旅団は声明で、自らの管理下にあった生存中のイスラエル人人質は全員引き渡したとした上で、アクセスできた遺体についてもすでに返還したと主張しています。
残る遺体については、瓦礫が広がるガザの状況の中で、回収と収容には大規模な捜索活動と特殊な装備が必要だと説明しました。声明では、この問題を完全に終わらせるために大きな努力を続けているとしつつも、現状では合意が要求する水準には達していないことを認めています。
イスラエル国内で高まる政治的圧力
遺体返還の停滞は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に対する国内の政治的圧力を一段と強める要因になっています。人質とその遺族の問題は、戦争継続か停戦維持かをめぐる議論と密接に結びついており、政府の対応は厳しく注視されています。
極右政党を率いるイタマル・ベン・グビル国家安全保障相は、ガザへの人道支援を人質の遺体返還と結びつけるべきだと主張し、ハマスが兵士の遺体を返さない場合には、ガザへの支援物資の供給を止めると警告しています。人道的な支援の継続と、軍事・安全保障上の圧力をどう両立させるのかは、イスラエル政府にとって難しい判断を迫るテーマとなっています。
今後の焦点 停戦維持か戦闘再開か
カッツ国防相は、参謀総長や軍の高官との会合で、ハマスがトランプ大統領の計画を履行しない場合に備え、ハマスを打ち負かすための包括的な軍事計画を準備するよう軍に指示しました。必要と判断されれば、ガザでの大規模な軍事作戦を再開する選択肢を維持する姿勢を明確にした形です。
一方で、停戦を維持しながら人質問題とガザの復興、人道支援をどう進めるのかも、地域の安定にとって重要な課題です。停戦合意が機能するためには、イスラエルとハマスの双方が合意内容を履行し、信頼を徐々に積み重ねる必要があります。
人質とその遺体の行方は、戦争の帰趨だけでなく、イスラエル社会の分断やパレスチナ側の感情にも大きく影響するテーマです。ガザで暮らす人々の生活再建と安全保障上の懸念をどう両立させるのか。国際社会も含めた関与が問われる中で、停戦が新たな暴力の再燃につながるのか、それとも長期的な安定への一歩となるのかが、今後の大きな焦点となりそうです。
Reference(s):
Israel threatens to resume fighting if Hamas fails to honor truce deal
cgtn.com







