マダガスカルで軍指導者が暫定大統領に就任 憲法違反を理由に権力掌握
アフリカの島国マダガスカルで、軍出身のミカエル・ランドリアニリナ氏が暫定大統領として就任宣誓を行い、国家権力の掌握を宣言しました。憲法や人権の「軽視」を理由とする政権交代は、今後の政治的安定と市民生活への影響という点で注目されます。
軍人ランドリアニリナ氏が暫定大統領に就任
今月初めの金曜日、マダガスカルの首都アンタナナリボで、軍人のミカエル・ランドリアニリナ氏が暫定大統領として宣誓しました。宣誓は、同国の憲法高等裁判所で行われました。
ランドリアニリナ氏は、「神と国家と国民の前で、マダガスカルの国家元首としての職務を忠実に果たすことを厳粛に誓う」と述べ、国家の最高権力を担う立場に就いたことを強調しました。
「国家権力を掌握」 数日前の火曜日に表明
ランドリアニリナ氏は、就任宣誓の数日前となる火曜日に、マダガスカルの国家権力を掌握したと発表していました。その際、権力掌握の理由として、憲法が順守されていないことや、人権が軽視されている状況を指摘したとされています。
つまり今回の暫定大統領就任は、単なる人事ではなく、「憲法」と「人権」を根拠とした政権運営の見直し宣言という意味合いを持っています。ただし、具体的にどのような憲法違反や人権侵害があったのか、また、それにどう対応していくのかといった詳細は、現時点の情報からは明らかではありません。
「暫定大統領」とはどのような立場か
ランドリアニリナ氏は、正式な任期付きの大統領ではなく、「暫定大統領」として宣誓しています。一般的に暫定大統領は、政変や政治的空白が生じた際に、次の体制が整うまでの「橋渡し役」を担う存在とみなされます。
暫定政権には、多くの場合、次のような役割が期待されます。
- 治安と行政の最低限の安定を確保する
- 憲法や選挙制度の見直しを検討する
- 新たな選挙や政治プロセスの準備を進める
とはいえ、今回のマダガスカルのケースで、暫定政権がどの程度の期間続くのか、どのような権限を行使するのか、といった具体像はまだ見えていません。今後の公式発表や制度設計が重要なポイントとなります。
「憲法」と「人権」が前面に出る政権交代の意味
ランドリアニリナ氏が国家権力掌握の理由として掲げたのが、「憲法順守」と「人権尊重」です。この2つのキーワードは、国内外に向けたメッセージとしても重い意味を持ちます。
軍や治安機関が関与する政権交代では、自らの行動に正統性を持たせるために、「現政権は憲法に従っていない」「国民の権利が侵害されている」といった主張が前面に出ることが少なくありません。今回のマダガスカルでも、同様の論理構図が見られます。
一方で、憲法や人権を掲げて発足した暫定政権が、実際にどこまで透明性の高い統治を行うのか、抑圧ではなく対話を重視するのかは、いつも厳しく注視されるべき点です。言葉と現実の間にギャップが生じれば、国内の不信感や国際社会の懸念が高まる可能性があります。
マダガスカル国内で問われる今後の課題
今回の暫定政権発足を受けて、マダガスカルの今後の焦点となる論点は主に次の3つです。
- ① 権力移行のプロセス
暫定大統領のもとで、どのようなルールに基づき新たな政治体制が構築されるのかが重要です。自由で公正な選挙につながるのか、それとも暫定政権が長期化するのかは、国内外から注目されます。 - ② 人権状況の実際の改善
権力掌握の理由として掲げられた「人権の軽視」が、どのように是正されるのかが問われます。表現の自由や集会の自由など、基本的な権利が保障されるかどうかは、マダガスカルの民主的な成熟度を測る指標となります。 - ③ 社会と経済への影響
政治の不確実性は、市民の生活や経済活動に影響を与えます。治安や物価、投資や雇用など、日常生活に直結する分野がどのように変化していくのかも、今後の重要な視点です。
国際ニュースとしてどう捉えるか
日本から見ると、マダガスカルは地理的には遠い国ですが、国際ニュースとして今回の動きを追うことにはいくつかの意味があります。
- 軍や治安機関が関与する政権交代が、世界のどこで、どのような論理で正当化されているのかを知ること
- 「憲法」や「人権」が、各国でどのように使われ、また守られようとしているのかを考えるきっかけになること
- 政治的な「暫定」体制が、市民の生活や民主主義の質にどんな影響を及ぼすのかを見つめること
マダガスカルの暫定大統領就任は、一見すると遠い国の出来事に見えますが、法の支配や人権、民主的な統治のあり方といった、どの社会にも共通するテーマを映し出しています。今後の動きを丁寧に追うことで、日本にいる私たち自身の社会を見つめ直すヒントにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








