トランプ米大統領、カナダとの通商交渉打ち切りを宣言
米国のドナルド・トランプ大統領が、カナダとの全ての通商交渉を打ち切ると宣言しました。発端は、オンタリオ州政府が制作し、故ロナルド・レーガン元大統領の発言を使った反関税広告です。米加関係と北米経済への影響が懸念されています。
- トランプ大統領がカナダとの通商交渉を「ここに終了」とSNSで宣言
- オンタリオ州の広告がレーガン元大統領の発言を「ねじ曲げた」と批判
- レーガン大統領財団は法的措置を検討、カナダ連邦政府は当面コメントせず
- 2026年に予定される米・カナダ・メキシコの2020年自由貿易協定見直しにも影響の可能性
トランプ氏「カナダとの全ての通商交渉を終了」
トランプ大統領は木曜日、自身のSNSプラットフォーム『Truth Social』に投稿し、オンタリオ州の広告を「不正な広告」だと非難しました。そのうえで「彼らの極めてひどい行動に基づき、カナダとの全ての通商交渉はここに終了する」と記し、交渉打ち切りを一方的に宣言しました。
米国は今年前半、カナダから輸入する鉄鋼、アルミニウム、自動車に対して新たな関税(輸入品にかける税金)を導入しました。これに対し、カナダ政府は報復関税で応じ、両国は数週間にわたって鉄鋼・アルミ分野を中心とする妥結を探ってきましたが、今回の投稿でその行方は一段と不透明になりました。
発端はオンタリオ州の「反関税」広告
問題となっているのは、カナダ最大の州であるオンタリオ州政府が制作した広告です。広告には共和党のレーガン元大統領が登場し、外国製品への関税を批判し、それが雇用の喪失や貿易戦争につながると語る場面が使われました。メッセージは明確な反関税・自由貿易寄りの内容です。
オンタリオ州のダグ・フォード州首相は、今週初めに「大統領がこの広告を見たと聞いている。きっとあまり気分は良くなかっただろう」と述べ、広告がトランプ氏の目に留まったことを明かしていました。
レーガン財団「発言を選び取り、誤解を与える編集」
こうした動きを受け、ロナルド・レーガン大統領財団は木曜日遅くに声明を発表し、オンタリオ州政府の広告はレーガン氏の音声と映像の一部だけを選び取って使っており、1987年の大統領ラジオ演説の趣旨を歪めていると批判しました。
財団は、オンタリオ州政府は発言の使用や編集について許可を求めておらず、許可も得ていないと指摘。そのうえで、法的措置を含む対応策を検討しているとしています。レーガン元大統領の遺産とイメージをめぐる争いが、通商問題と絡み合う形になりました。
1930年代以来の水準とされる関税と企業への不安
トランプ大統領はこれまでも、世界各地の多くの国々に対して関税を「交渉のカード」として使ってきました。現在の米国の関税水準は、1930年代以来の高水準に達しているとされ、大統領はさらに関税を引き上げる可能性にも繰り返し言及してきました。
関税が長期化しエスカレートするなか、企業やエコノミストの間では、コスト増やサプライチェーンの混乱を懸念する声が強まっています。とくにカナダとの間で鉄鋼や自動車が標的となれば、北米全体の製造業に波及するリスクがあります。
カナダ側は静観しつつも「不公平な市場アクセスは認めない」
トランプ氏の投稿に対し、カナダ連邦政府は直ちにはコメントを出していません。一方、カナダのマーク・カーニー首相は木曜日、記者団に対し、米国とのさまざまな通商合意に関する交渉が失敗した場合でも、カナダとして不公平な米国の市場アクセスを認めるつもりはないと述べました。
これは、交渉が難航しても一方的な譲歩はせず、自国市場を守る姿勢を明確にした発言と言えます。トランプ氏の強硬な姿勢と、カーニー首相の慎重な構えの対比が浮かび上がっています。
2026年の自由貿易協定見直しへの影響は
2026年には、米国、カナダ、メキシコの3カ国が、2020年に締結した大陸自由貿易協定の見直しを行う予定です。今回の米加間の対立は、この協定見直しに向けた政治的な空気を事前に険悪にする可能性があります。
関税をめぐる応酬が続けば、企業にとっては先行きのルールが読みにくくなり、投資や雇用の判断を先送りする動きも出かねません。通商政策がSNS上のやりとりや広告一本で揺さぶられる時代に、私たちはどのように情報を見極めるべきかが問われています。
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Reference(s):
cgtn.com








