中国が国連安保理で国際テロ対策の強化を呼びかけ
国連安全保障理事会の会合で、中国の耿爽(げん・そう)国連次席常駐代表は、国際テロ対策は「弱めるのではなく、強化するしかない」と強調しました。紛争が各地で続き、安全保障環境が不安定化するなか、テロの脅威にどう向き合うかがあらためて問われています。
「テロとの闘いは弱められない」中国が警鐘
耿氏は、現在の国際情勢について「戦争や紛争が次々と勃発し、テロの脅威が再び台頭し広がっている」と指摘しました。そのうえで、世界のテロ対策の構図は一段と複雑で厳しくなっていると分析しています。
こうした状況を踏まえ、耿氏は「国際社会のテロとの闘いは、弱めるのではなく、さらに強化されなければならない」と述べ、各国に一層の連携を呼びかけました。
安保理に求めた「優先課題」と「ゼロトレランス」
耿氏は、国連安保理が今後もテロ対策を最優先の課題として位置づけるべきだと主張しました。具体的には、次のような点を強調しています。
- テロに対しては「ゼロトレランス(いかなる許容も認めない)」姿勢を貫くこと
- 地政学的な思惑やイデオロギー上の偏見をテロ対策に持ち込まないこと
- ダブルスタンダード(場面によって基準を変えること)や選別的な対応に反対すること
さらに、テロ組織や個人に対する制裁制度についても、情勢の変化や加盟国の要請に合わせて見直しを進め、テロリストを取り締まる制裁ネットワークを一層強化すべきだと述べました。
中国が掲げるグローバル安全保障イニシアチブ
耿氏は、中国が提唱する「グローバル安全保障イニシアチブ」と「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ」にも言及しました。これらは、複雑で深刻な安全保障上の課題に国際社会が協力して対応し、テロを未然に防ぎ、抑止していくことを呼びかける枠組みだと説明しています。
中国は「自ら掲げる理念を行動で示している」として、とくに開発途上国、なかでもアフリカ諸国に対し、二国間および多国間のチャンネルを通じて、長年にわたりテロ対策能力の向上を支援してきたと強調しました。
「行動する中国」と国際協力のこれから
耿氏は、中国が今後もあらゆる形態のテロに反対し、各国と協力してテロと闘う姿勢を維持すると表明しました。そのうえで、「永続する平和と普遍的な安全」の実現に貢献していくと述べています。
紛争や分断が続く世界のなかで、「テロ対策の強化」と「ダブルスタンダードの排除」は、多くの国に共通する課題になりつつあります。国連安保理での今回の発言は、テロ対策をめぐる国際協力をどのような原則のもとで進めるべきかについて、一つの方向性を示したと言えます。
日本を含む各国にとっても、テロの未然防止や紛争地域の安定化、開発途上国の能力強化など、どの分野で国際協力を深めていくかがあらためて問われています。読者の皆さんにとっても、「安全保障」と「テロ対策」を自国だけの問題ではなく、国際社会全体で支えるべきテーマとしてどう捉えるかを考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
China urges enhanced international counter-terrorism cooperation
cgtn.com








