シーザンの現代化を議論 世界44カ国・地域参加の国際フォーラム開催
中国南西部のシーザン自治区ニンティ市で水曜日、シーザンの現代化と持続的発展をテーマにした国際フォーラムが開かれ、世界44の国と地域から政府関係者や専門家など400人以上が参加しました。中国が第15次五カ年計画の策定を進める中、シーザンの今とこれからを議論する場として注目されています。
フォーラムの概要 世界44カ国・地域から400人超が参加
今回の会合は、シーザン自治区政府が主催する「2025年中国シーザン発展フォーラム」です。1日間の日程で開かれ、政府高官、外交官、各分野の専門家、企業・メディア関係者など、多様な背景を持つ参加者が顔をそろえました。
フォーラムのテーマは「美しいシーザンを発見し、高原に新たな章を書く」。議論は次のような論点に焦点が当てられました。
- シーザンについての国際コミュニケーションのあり方
- 新時代における中国共産党のシーザン統治の方針
- シーザンのイメージづくりと対外発信
- 発展理念と、その実現に向けた具体的な道筋
このフォーラムは2007年に始まり、国際社会がシーザンを理解し、観察し、洞察を深めるための重要な「窓」となってきました。今回で8回目の開催となります。
第15次五カ年計画と「新たな歴史的出発点」
開幕式であいさつしたのは、中国共産党中央宣伝部の副部長であり、国務院新聞弁公室主任を務める莫高義(Mo Gaoyi)氏です。莫氏は、中国全体の経済・社会発展の青写真となる第15次五カ年計画の策定が進む中で、シーザンの現代化が「新たな歴史的出発点」に立っていると強調しました。
また莫氏は、シーザンをめぐる議論の柱として、次の点を挙げました。
- 統治の経験を各国と共有し合うこと
- 人びとの生活の質を高める取り組みを進めること
- シーザンにおける人権の物語を伝えていくこと
- 文明間の交流と相互学習を深めること
こうした視点から、シーザンの発展を中国の全体戦略の中でどう位置づけ、国際社会とどのように対話していくのかが議論されました。
UNESCO東アジア事務所「シーザンの物語は変貌の物語」
フォーラムには国連機関も参加しました。UNESCO(国連教育科学文化機関)東アジア地域事務所の所長であり代表を務めるシャハバズ・カーン氏は、国連事務総長を代表して開幕セッションで発言しました。
カーン氏は、シーザンについて「シーザンの物語は変貌の物語だ」と述べ、かつて遠隔地と見なされていた地域が、今では近代的なインフラで結ばれている現状に言及しました。高地の谷間や離れた集落までが道路などで結ばれたことで、次のような変化が生まれていると評価しました。
- 教育や医療など、基本的なサービスへのアクセスの拡大
- 地域の人びとが市場とつながる機会の増大
- 経済活動と社会参加の選択肢の広がり
インフラ投資を通じて、シーザンの居住地域と外部世界をつなぎ、現代化と機会拡大につなげていくという視点が強調された形です。
4つの分科会で見えた議論の軸
本体会議と並行して、4つの分科会が開かれました。高原地域での発展を、多面的に考える構成になっています。
- 国際コミュニケーション:シーザンに関する情報を、海外の読者・視聴者にどう伝えるか。
- 持続可能な地場産業:高原という環境に根ざした産業を、環境に配慮しながら育てる道筋。
- 若者の参加:シーザンの若者が、地域の発展や国際交流にどう関わるか。
- 環境保護:高原の自然環境を守りながら発展を進めるための取り組み。
国際コミュニケーションから産業、若者、環境まで、議題の幅広さは、シーザンの現代化を単なる経済成長ではなく、社会や文化、環境を含んだ総合的なプロセスとして捉える姿勢を示していると言えます。
高地牧場と湿地公園を視察 「現場を見る」プログラムも
フォーラムに先立ち、参加者たちはシーザンの現場を訪れる視察ツアーにも参加しました。ニンティ市のルナン郷にある高地の牧場や地元の村、湿地公園などを訪問し、地域の暮らしや自然環境、観光や産業の可能性について理解を深めました。
こうした現地視察は、会場内の議論だけでは見えにくい日常の風景や、人びとの生活を知る手がかりにもなります。国際フォーラムの参加者が、現場の空気を感じながら議論に臨むことで、シーザンの「今」をより具体的に共有できる狙いがあります。
なぜこの国際フォーラムが注目されるのか
2007年のスタートから8回目を迎えたシーザン発展フォーラムは、2025年の今回は特に次の点で意味を持っているといえます。
- 中国の長期戦略との連動:第15次五カ年計画の策定が進む中で、シーザンの位置づけや役割を国際社会と共有する場になっていること。
- 国際的な対話の場:44の国と地域から参加者が集まり、ガバナンス、人権、環境などのテーマについて、多様な視点から意見を交わしていること。
- 地域の物語を発信する機会:インフラ整備やサービスへのアクセス改善など、シーザンで起きている変化を「物語」として発信し、理解を深めてもらう試みであること。
デジタルメディアを通じて世界とつながる今、シーザンという地域をどう伝え、どう理解していくのかは、国際ニュースとしても継続的に注目されるテーマです。今回のフォーラムは、その一つの節目となる出来事だと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com







