米軍が欧州東側から一部撤収へ ルーマニアとNATOは「調整」と説明
米軍が欧州東側の駐留部隊を一部削減する方針を、ルーマニアと北大西洋条約機構(NATO)の同盟国に伝えました。ルーマニア国内の基地にも影響する動きで、欧州の安全保障と米欧関係の今後を考えるうえで重要なニュースです。
何が決まったのか
ルーマニア国防省は水曜日、米国からの通達として、欧州東側に駐留する米軍部隊の規模を減らす計画が示されたと明らかにしました。対象には、ルーマニアのミハイル・コガルニチャヌ空軍基地に配備される予定だった部隊も含まれます。
国防省によると、アメリカの決定は「複数のNATO加盟国に要素を分散していた一個旅団の欧州でのローテーションを停止する」もので、これに伴い東側戦線の兵力が見直されます。具体的に何人の米兵が撤収するかは明らかにされていませんが、約1000人の米兵は今後もルーマニアに駐留し続けるとしています。
ルーマニア側は、この判断はワシントンの優先順位の変化を踏まえると予想されていたものであり、NATOが東側で存在感と活動を強化してきたことが、米軍の態勢を調整する余地を生んだと説明しています。
トランプ政権が求める「自助努力」
トランプ大統領の政権はこれまで、欧州の同盟国に対し「自らの安全保障により大きな責任を負うべきだ」と繰り返し求めてきました。米国は自国の国境警備やインド太平洋地域への関与を重視しており、今回の欧州東側での兵力削減も、そうした方針の延長線上にある動きと見ることができます。
一方、NATO東側の加盟国には、米軍の存在が縮小するのではないかという不安もあります。こうした懸念があるなかで、トランプ氏は9月、ポーランドへの米軍駐留を増やす可能性に言及しており、地域によっては米軍プレゼンスが再配置され、強化されるケースもあり得ることを示しています。
ルーマニアとNATOはどう見ているか
ルーマニア国防省は、今回の決定について「ワシントンの優先事項の変化を踏まえれば想定内のものだった」としたうえで、国内に約1000人の米兵が引き続き駐留することを強調しました。また、NATOが東側で存在感と活動をすでに強化していることから、米国が地域での軍事態勢を調整できる状況にあると説明しています。
NATOも水曜日、米国から事前に説明を受けていたと明らかにし、この動きを「態勢の調整」であり「特別なことではない」と位置づけました。NATO高官は、今回の調整後も欧州における米軍の態勢はここ数年より大きいままであり、2022年以前と比べても大幅に増強されていると述べています。また、米国の同盟へのコミットメントは明確だとし、同盟国の懸念を和らげようとしています。
東側加盟国にとっての意味
それでも、NATO東側の加盟国には、米軍プレゼンスが長期的に縮小していくのではないかという不安が残ります。今回の決定は、そうした安全保障上の懸念と、欧州自身が防衛負担を増やすべきだという議論の両方を浮き彫りにしています。
- 米軍削減に対する、安全保障上の不安
- 同盟内で防衛負担をどう分担するかという課題
- ポーランド増派の可能性も含めた、地域ごとの再配置という見方
米国がどの国からどの程度の兵力を引き上げるのかは公表されていませんが、「単に減らす」だけでなく「どこに重点を置くか」を調整する局面に入っているとも言えます。
これから注目したいポイント
ルーマニアとNATOは、今回の動きが直ちに同盟の抑止力を弱めるものではないと説明しています。しかし、中長期的には、欧州の安全保障の枠組みや、米欧間の役割分担をどう設計し直すのかという議論につながっていく可能性があります。
- 欧州各国は、防衛力と負担をどこまで自前で引き上げるのか
- 米国は、欧州から自国境界やインド太平洋地域へ、どの程度戦力をシフトしていくのか
- 東側加盟国は、自国への駐留部隊の配置見直しにどう向き合うのか
ニュースを追う際には、単に「米軍が減るのか増えるのか」だけでなく、同盟内の負担の分担や、地域ごとの優先順位がどう変化しているのかという視点を持つことで、NATOと米欧関係の動きを立体的にとらえることができます。
Reference(s):
cgtn.com







