オランダ総選挙、リベラルD66が僅差で首位 極右PVVは議席減
オランダの総選挙で開票率が99%を超える中、リベラル政党とされる「民主66(D66)」が、極右政党の自由党(PVV)を僅差で上回りました。最多得票政党に与えられる連立協議の主導権をめぐり、オランダ政治の行方に注目が集まっています。
民主66(D66)が僅差で首位 自由党(PVV)は追う立場に
今回のオランダ総選挙では、開票がほぼ終了した段階で、民主66(D66)が自由党(PVV)をわずかな差で上回っていると伝えられています。リベラル政党であるD66が首位に立った一方で、前回選挙で躍進したPVVは議席を減らす見通しです。
オランダでは、もっとも多くの票を得た政党が、他党との連立交渉を率いる「第1手番」を得るのが一般的な流れとされています。今回も、この慣例に従って、どの政党が連立協議のスタート地点に立つのかが、大きな政治的テーマになっています。
ウィルダース氏「最大になれば、PVVが連立協議を主導すべき」
自由党(PVV)の党首であり、強硬な姿勢で知られるヘルト・ウィルダース氏は、SNSへの投稿を通じて、自らの立場を強く主張しました。
投稿の中でウィルダース氏は、PVVが最大政党となった場合には、連立協議を主導する権利があるとした上で、「その点について100%の明確さがない限り、民主66(D66)の『スカウト』が動き出すことは許されない。これを防ぐためにあらゆる手段を講じる」といった趣旨のメッセージを発信しました。
ここでいう「スカウト」とは、連立協議に向けて他党との接点を探る役割を担う人物のことを指すとみられます。D66側に先にこの役割が与えられることを、PVV側は強く警戒している構図です。
2023年選挙で躍進したPVV、その連立はわずか11カ月で崩壊
今回の状況を理解するには、2023年のオランダ政治の動きを振り返る必要があります。2023年、ウィルダース氏率いるPVVはオランダ議会で37議席を獲得し、結党25年で初めて最大政党の座を手にしました。
その結果、PVVを中心とする極右色の強い連立政権が誕生しましたが、この連立は非常に脆弱でした。移民政策をめぐる対立が表面化し、わずか11カ月で政権は崩壊します。ウィルダース氏自身が、今年6月に連立からPVVを離脱させたことが決定打となりました。
今回の総選挙では、その反動ともいえる形で、PVVは10議席以上を失う見通しとされ、他の主要政党もウィルダース氏との再連立には否定的な姿勢を示しています。
主要政党がPVVとの連立を拒否 D66主導の政権は実現するか
オランダの主要政党は、今回の選挙戦の中で、PVVとの連立に否定的な立場を明確にしています。このため、たとえPVVが多くの議席を維持したとしても、連立政権づくりの中心に戻るハードルは高い状況です。
一方で、僅差とはいえ首位に立った民主66(D66)は、複数政党との連立を模索することになります。ただし、政党間の政策の違いは小さくなく、移民政策や社会保障、財政運営などをめぐって、長期の調整が必要になる可能性があります。
連立協議が長引けば、オランダ政治の不透明感はしばらく続くことになります。今回の選挙結果は、極右政党の影響力をどこまで受け入れるのか、そしてリベラル勢力がどこまで対抗軸を示せるのかという、オランダ社会の現在地を映し出しているともいえます。
なぜこのオランダ選挙が、日本の読者にとっても重要なのか
今回のオランダ総選挙は、一国の国内政治を超えて、次のような問いを私たちに投げかけています。
- 極右的な主張を掲げる政党が一度政権に関わった後、社会はどのようにバランスを取り直そうとするのか
- 移民政策や社会の多様性をめぐる対立を、民主主義はどのように調整していくのか
- 短命政権の経験は、有権者の投票行動や政党間の連立戦略をどう変えるのか
日本から見ると、オランダは遠い国かもしれません。しかし、移民・難民、社会の分断、ポピュリズム(大衆迎合)といったテーマは、多くの国で共通する課題です。オランダの選挙と連立の行方を追うことは、私たち自身の社会や政治を考える手がかりにもなります。
今後、民主66(D66)がどのような連立を組み、自由党(PVV)がどの程度の影響力を保つのか。オランダ政治は、引き続き国際ニュースとして注視していく価値がありそうです。
Reference(s):
Dutch election: Liberal Democrats hold narrow lead, makes huge gains
cgtn.com








