フィリピンで台風被害捜索を一時停止 新たな巨大台風が接近
相次ぐ台風で揺れるフィリピン、捜索活動が新たな脅威で停止
フィリピンで2025年最悪の台風被害からの捜索が続く中、新たな巨大台風フングオン(Fung-wong)が接近し、当局が捜索の一時停止と住民の避難に踏み切っています。
台風カムラギの被害:2025年最悪の犠牲
今週前半、台風カムラギ(Kalmaegi)がフィリピン中部のセブ州などを襲い、洪水が町や都市部をのみ込みました。政府の最新の集計によると、少なくとも204人が死亡、109人が行方不明となっています。災害データベースEM-DATによれば、カムラギは2025年で最も多くの死者を出した台風とされています。
洪水では、自動車や川沿いの簡易住宅、大型のコンテナまでが濁流に流されました。多くの犠牲者を出した州では、家族や救助隊が今も行方不明者の捜索に当たっています。
新たな脅威・台風フングオン:国土のほぼ全域を覆う規模
そうした中で、別の台風フングオンが西へ進み、フィリピンの主島ルソン島に向かっています。フングオンは上陸前にスーパー台風級まで勢力を強めると予想され、その暴風域の半径は「国全体をほぼ覆う」ほどの広がりになると政府の気象予報士は説明しています。
午前11時時点で、フングオンの中心付近の最大風速は時速140キロ、最大瞬間風速は170キロに達しているとされています。気象当局は、強風に加えて200ミリ以上の豪雨となり、低地だけでなく広い範囲で洪水が発生するおそれがあると警戒を呼びかけています。大きな河川流域での氾濫リスクも指摘されています。
被災地で捜索を一時停止 救助隊の安全を優先
カムラギで大きな被害を受け、全体の犠牲者の約7割が集中している州では、フングオン接近のため捜索・救助活動が一時停止されています。現地の救助当局者は、午後3時をもって捜索と遺体収容を含む活動を止めるよう指示を受けたと明かしました。
同当局者は「救助隊の安全を危険にさらすわけにはいかない。彼らを次の犠牲者にしたくない」と述べ、厳しい判断の背景を説明しています。行方不明者は公式には57人とされていますが、土砂やがれきでアクセスできない地域が残っており、「今後、行方不明者の数は増える可能性が高い」とも語っています。
各地で事前避難と住民の備え
フングオンの上陸が予想されるルソン島東部の沿岸州オーロラでは、救助隊が家々を一軒ずつ回り、高地への退避を促しています。州の救助担当者は「洪水のリスクが高い地域の住民を事前に避難させている」と話し、被害の未然防止を急いでいます。
さらに南に位置する小さな島カタンドゥアネスでは、気象当局が「直撃する可能性がある」と警告。住民たちは、屋根をロープで縛り、地面に固定するという伝統的な方法で、強風に備えています。現地の救助担当者は、人々が自宅の補強作業を進め、風で屋根が飛ばされるのを防ごうとしている様子を伝えています。
これ以上の犠牲を避けられるか
フィリピン北部の自治体や救助機関は、カムラギでの悲劇を繰り返さないことを最優先課題としています。カタンドゥアネスの救助担当者は「犠牲者が出ないことを願っている。フィリピンはこれまでも多くの災害に直面してきた」と話し、緊張感の中にも住民とともに被害を最小限に抑えたい思いをにじませました。
私たちが読み取るべきポイント
今回の国際ニュースは、次のような問いを投げかけています。
- 連続する大規模災害の中で、救助活動と救助隊の安全をどう両立させるのか
- 事前避難やローカルな知恵をどう生かして被害を減らすのか
- 被災からの復旧と、新たな災害への備えを同時に進めるために何が必要か
日本を含む多くの国々も、台風や豪雨への備えが欠かせません。フィリピンで今起きていることは、遠くの出来事ではなく、自分たちの防災やまちづくりを考え直すヒントにもなり得ます。
Reference(s):
Philippines halts search for typhoon dead as huge new storm nears
cgtn.com








