イスラエル兵士遺骨が帰還 ガザ停戦下で進む交換と外交戦
イスラエルがガザでの停戦のさなか、2014年にハマスに殺害された兵士ハダル・ゴルディンさんの遺骨を回収しました。人質・遺体の交換が進む一方で、ガザの犠牲はなお増え続けており、エジプトとカタールは停戦を補強するための外交努力を強めています。
2014年に死亡した兵士の遺骨を確認
イスラエル政府は日曜日、ハマスから同日引き渡された遺骨について、法医学検査の結果、2014年にガザで殺害されたイスラエル軍のハダル・ゴルディン中尉のものと確認されたと発表しました。
首相府は声明で、遺骨の身元確認が完了したとし、ゴルディンさんの遺族と他の人質遺族に哀悼の意を表明しました。イスラエル軍も、遺族に対し遺体が返還され、埋葬が可能になったことを伝えたと明らかにしています。
ゴルディンさんは当時23歳で、停戦が発効してから約1時間後にハマスの戦闘員により殺害されました。家族はその後11年間にわたり、公の場で遺骨の返還を求めるキャンペーンを続けてきました。
停戦下で進む人質と遺体の交換
今回の遺骨の引き渡しは、今年10月10日に発効したガザ地区での停戦合意の枠組みの中で行われた交換の一部です。ハマス側はこれまでに、生存している人質20人と、死亡した24人の遺体を解放しました。
一方で、ガザにはなお4人分の遺体が残されているとされます。このうち3人はイスラエル人、1人は2023年10月7日のハマス主導の攻撃で拉致されたタイ国籍の男性です。
ガザの保健当局によると、イスラエル側はこれまでに約300人分のパレスチナ人の遺体を返還しましたが、その多くは身元が確認されていません。
交換をめぐる主な数字
- 生存中の人質の解放:20人
- 引き渡された遺体:24人分
- なおガザに残る遺体:4人分(イスラエル人3人、タイ国籍1人)
- イスラエル側が返還したパレスチナ人の遺体:約300人分(多くが未確認)
続くガザの犠牲と脆い停戦
停戦が発効して以降も、イスラエルはガザでの空爆や建物の破壊を続けており、新たな死者が出ていると伝えられています。ガザの保健当局は土曜日、2023年10月以降のイスラエルの攻撃による死者数が累計で6万9,169人に達したと発表しました。
人質・遺体の交換と停戦が進む一方で、現地の犠牲の規模はきわめて大きく、ガザの復興や住民の安全確保には長期的な取り組みが必要であることが浮き彫りになっています。
エジプトとカタール、停戦強化へ連携
こうしたなか、エジプトのバドル・アブデルアッティ外相とカタールのムハンマド・ビン・アブドゥルラフマン・ビン・ジャーシム・アール・サーニー首相兼外相は日曜日、ガザ情勢をめぐる電話協議を行い、ガザ地区での停戦を強化する決意を改めて確認しました。
エジプト外務省の発表によると、両者は協議の中で、トランプ米大統領のガザ和平案の履行に向けた協議の進捗についても意見を交わしました。
パレスチナ領土の一体性をどう守るか
両外相は、ヨルダン川西岸とガザ地区を結び付け、パレスチナの領土的一体性を確保する必要性を強調しました。そのうえで、パレスチナの人々が自らの問題を自ら管理し、パレスチナ側の意思決定の統一性を維持することが重要だと指摘しました。
国際部隊と復興をめぐる国連での議論
またエジプトとカタールは、ガザへの国際部隊派遣をめぐる国連安全保障理事会での協議についても意見交換を行いました。両者は、ガザでの早期復旧と復興を支えるため、国際部隊の任務と権限を明確に定める必要があると強調しています。
ヨルダン川西岸の情勢にも懸念
さらに両外相は、ヨルダン川西岸で続く入植活動や、緊張を高め和平の見通しを損なう度重なる違反行為に対し、明確に反対する立場を示しました。
今後の焦点:停戦はどこへ向かうのか
兵士の遺骨返還は、長年待ち続けてきた遺族にとって一つの区切りとなる一方で、人質と遺体をめぐる取引がなお続いている現状は、紛争の深い傷を物語っています。
ガザの死者数が示す被害の大きさと、エジプトやカタールが主導する停戦強化と復興支援の枠組みが、今後どこまで機能するのかが大きな焦点です。トランプ米大統領の和平案の行方や、国際部隊の具体像をめぐる国連での議論も含め、ガザと周辺地域の安定に向けたプロセスは、引き続き注視する必要があります。
Reference(s):
Israel identifies remains of soldier as fragile Gaza ceasefire holds
cgtn.com








