イスラエル首相とロシア大統領が電話会談 ガザ停戦後や国連決議案を協議
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は土曜夜、電話会談を行い、中東情勢とガザ停戦後の対応、国連安保理でのガザ決議案などについて意見を交わしました。
プーチン氏の呼びかけで実現した電話会談
イスラエル首相府によると、今回の電話会談はプーチン大統領の呼びかけで行われ、これまで続いてきた地域情勢に関するやり取りの延長線上にあると説明されています。首相府は会談の詳細を明らかにしていませんが、中東情勢を巡る意見交換が中心となったとみられます。
ロシア大統領府の発表によれば、両首脳はガザでの停戦を踏まえた最近の動向に加え、イランの核問題やシリアの安定化など、広範な中東アジェンダについて詳細に協議したとされています。
焦点のガザ情勢と「停戦後」の行方
中東情勢の中でも、ガザは依然として国際社会の最大の関心事の一つです。ロシア大統領府は、ガザの停戦状況と、それをどう安定させていくかが議論の柱になったことを明らかにしています。
停戦が成立したとしても、住民の安全確保や復興、武装勢力の扱いなど、「停戦後」の設計をめぐる課題は山積しています。こうした中で、影響力を持つ各国の首脳が直接コミュニケーションを取り合うことは、今後の枠組み作りに少なからず影響を与える可能性があります。
国連安保理で競り合う米露のガザ決議案
今回の電話会談の背景には、国連安全保障理事会で進むガザをめぐる新たな決議案づくりがあります。ロシアは木曜日、自らのガザ決議案を安保理に提出し、米国が主導する別の決議案に対抗する構図となっています。
米国案:独立性の高い治安維持部隊を想定
報道によると、米国の決議案は、ガザに国際的な安定化部隊(治安維持部隊)を展開することを柱とし、その部隊に国連から大きく独立した権限を与える内容とされています。また、ガザ周辺の安全保障上の外周については、一定期間、イスラエルが引き続き管理することを容認する方向と伝えられています。
この構想は、地上の安全確保を重視する一方で、国連の関与の仕方や、イスラエルの役割の大きさをめぐり、他の関係国や地域の関係者から慎重な見方が出る可能性があります。
ロシア案:国連直轄の部隊と「二国家解決」
これに対し、ロシアが提出した決議案は、ガザに配備される安定化部隊を国連の直接的な権限下に置くことを重視しているとされています。国連安保理の枠組みの中で、部隊の指揮系統や責任の所在を明確にする狙いがうかがえます。
さらにロシア案は、ガザにおける人口構成や領域の変更といった「いかなる人口・領土の変更」にも反対する立場を打ち出し、紛争当事者双方による「二国家解決」の実現を促す内容となっています。
この二つの決議案は、ガザの将来像だけでなく、国際社会がどのような枠組みで関与し責任を分担するのか、という国際秩序のあり方にも関わる議論といえます。
イスラエルとロシアの対話が持つ意味
今回の電話会談は、ガザ、イラン核問題、シリア情勢といった複数の争点が連動する中東情勢の複雑さを映し出しています。イスラエルは安全保障上の懸念から地域情勢に強い関心を持ち、ロシアもまた中東の安定化に関与する重要なプレーヤーとして存在感を示してきました。
両国首脳が直接対話を続けることで、たとえ立場が異なる部分があっても、相互に「どこまで譲れるのか」「どの部分は譲れないのか」を探るプロセスが進みます。それは、国連安保理での決議交渉や、ガザやシリアでの現場の緊張緩和に向けた調整にとっても重要な土台となります。
これから何が問われるのか
今後の焦点は、大きく三つに整理できます。
- ガザ停戦を、住民の安全と復興につながる「持続的な安定」にどう転換するか
- 米国案とロシア案という異なる発想の国連決議案を、どこまで歩み寄らせられるか
- イラン核問題やシリアの安定化といった他の中東課題を、ガザ情勢と切り離さずにどう扱うか
イスラエルとロシアの首脳電話会談は、その答えをすぐに示すものではありませんが、関係国の思惑と選択肢を読み解く重要な手がかりとなります。中東情勢と国連外交の行方を見ていくうえで、今回の対話がどのような影響を及ぼすのか、引き続き注視する必要があります。
Reference(s):
Israeli PM, Russian president discuss Middle East issues over phone
cgtn.com







