米国、1セント硬貨ペニー廃止へ 200年以上の歴史に幕 video poster
米国で長年親しまれてきた1セント硬貨「ペニー」が、ついに流通から段階的に姿を消します。米造幣局が最後のペニーを製造し、200年以上続いた歴史に幕が下ろされようとしています。
なぜ米国はペニーを廃止するのか
報道によると、米国の造幣を担う米造幣局は、最後の1セント硬貨をすでに製造しました。現在、ペニーは流通から徐々に退場するプロセスに入っています。
背景にあるのは、コインの製造コストが額面を大きく上回ってしまったことです。1セント硬貨を1枚つくるのに、実際にはほぼ4セントのコストがかかっていたと伝えられています。
- 額面:1セント
- 製造コスト:およそ4セント
- 製造期間:200年以上にわたり発行
こうした状況は、財政面からみると政府にとって明らかな「赤字」です。小さなコインの維持に多くの税金が使われていることへの疑問が強まり、廃止へと舵が切られました。
「段階的な廃止」は何を意味するか
ペニーが廃止されるといっても、すぐに使えなくなるわけではありません。現在流通しているコインは当面のあいだ法定通貨として機能しつつ、時間をかけて市場から回収されていくとみられます。
日常生活のなかでは、次のような変化が想定されます。
- レジでのつり銭から1セント硬貨が減っていく
- 銀行などの金融機関を通じて、集まったペニーが造幣局に戻される
- 現金払いの際、合計金額を5セント単位に丸める方法が議論される可能性
一方で、電子マネーやクレジットカードなどのキャッシュレス決済では、これまでどおり1セント単位での請求や支払いが行われると考えられます。小銭の廃止は、現金中心の支払い習慣により大きな影響を与えると言えます。
ペニー廃止が映し出す米国経済と社会
ペニーの廃止は、単なるコスト削減策にとどまらず、米国社会の変化を象徴する出来事でもあります。
- キャッシュレス決済の普及により、小額硬貨の役割が相対的に低下している
- 原材料費や人件費の上昇が、通貨そのもののあり方を揺さぶっている
- 小さな単位の価格設定が見直される可能性がある
1セント単位の価格は、これまでマーケティングにも多用されてきました。例えば「9.99ドル」のような価格表示は、消費者心理に働きかける手法として広く知られています。ペニーが流通から姿を消していくなかで、こうした価格戦略にも変化が生じるかもしれません。
200年以上続いた「小さなコイン」の役割
ペニーは、米国の歴史や文化にも深く根付いてきました。長いあいだ、子どもの貯金箱やチップ、寄付、記念コインなど、日常生活のさまざまな場面で使われてきた存在です。
今回の動きは、そのペニーが経済合理性の観点から役割を終えつつあることを意味します。一方で、歴史的なコインとしての価値や、記念品・コレクションとしての人気は続くとみられます。
日本の読者にとっての問い
今回のペニー廃止のニュースは、日本にとっても他人事ではありません。現金離れやキャッシュレス決済の拡大が進むなかで、小額硬貨や紙幣をどう位置づけていくのかという問いは、各国共通のテーマになりつつあります。
米国の決断は、通貨は単なる支払い手段ではなく、経済構造や技術、社会の価値観と密接に結びついていることをあらためて示しています。私たちが日々手にする硬貨や紙幣の「コスト」と「役割」を、あらためて考えてみるきっかけになりそうです。
なお、この動きについては、CGTNのジム・スペルマン記者が現地から伝えています。今後、米国の店舗や消費者がどのように適応していくのか、引き続き注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








