コロンビア国防相、COP30でアマゾン保護へ国際行動を要請 video poster
2025年12月、ブラジルで開催中の国連気候変動会議COP30に合わせて、コロンビアの国防相が「アマゾンを守るための国際的な行動」を世界のリーダーたちに呼びかけています。気候変動と違法な経済活動が、同国の自然資源と地球規模の生態系を同時に脅かしているからです。
なぜ「国防相」がアマゾンを語るのか
今回アマゾン保護を訴えているのは、環境相ではなく国防相です。背景には、気候変動と環境破壊が、安全保障の問題と直結しているという現実があります。
コロンビアでは、違法伐採や違法採掘、麻薬取引などの犯罪組織が森林地帯に入り込み、土地や水資源を急速に劣化させています。こうした違法活動は、治安の不安定化だけでなく、気候変動を加速させる要因にもなっています。
国防省が前面に立つことは、「環境の問題」はもはや専門分野の話ではなく、国家の将来を左右する安全保障上の課題であるというメッセージでもあります。
地球の生物多様性の約1割を抱えるコロンビア
コロンビアは、南米の中でも特に豊かな自然を持つ国として知られています。同国には、地球上の生物多様性のおよそ1割が集中しているとされており、アマゾンを含む熱帯雨林、山岳地帯、河川流域など、さまざまな生態系が存在します。
こうした自然環境は、野生生物の宝庫であると同時に、地域の人々にとっては、飲み水や農業、生活の基盤を支える重要な資源でもあります。国防相が、アマゾン保護を国際社会に訴えるのは、国内問題にとどまらず、地球規模の「共有財産」を失うリスクを強く意識しているからだといえます。
違法伐採・採掘・麻薬取引がもたらす三重の圧力
国防相は、アマゾンとその周辺地域を脅かしている違法活動として、主に次の3点を挙げています。
- 違法伐採:森林を無秩序に伐り出すことで、土壌がむき出しになり、洪水や土砂災害のリスクが高まります。森林が失われることで、温室効果ガスを吸収する機能も弱まり、気候変動を加速させます。
- 違法採掘:金属や鉱物を狙った違法採掘では、川や地下水が汚染されやすく、水源全体が危機にさらされます。採掘跡地は荒れ地となり、土地の回復には長い時間がかかります。
- 麻薬取引:麻薬生産やその輸送ルートを確保するために森林が切り開かれ、武装組織が入り込むことで、地域の治安悪化と環境破壊が同時に進行します。
これらの違法活動は、すべて水源や土地に負荷をかけ、長期的な環境劣化を引き起こしています。国防相が警鐘を鳴らすのは、こうした動きがアマゾン全体に連鎖的な影響を与えかねないからです。
COP30の各国首脳に向けたメッセージ
コロンビアの国防相は、ブラジルで開かれているCOP30に集う各国のリーダーに向けて、国際的な連携の必要性を強く訴えています。CGTNのミシェル・ベゲ記者とのインタビューを通じて、アマゾン保護は一国だけでは対応しきれない「地球規模の課題」であると指摘しました。
国防相が国際社会に求めているポイントは、大きく次のように整理できます。
- 気候変動対策の強化:世界全体の温室効果ガス排出を減らし、森林破壊の圧力そのものを和らげること。
- アマゾン保全への支援:森林を守りながら地域住民の生活も成り立つようにするための、資金支援や技術協力。
- 越境犯罪への協力:違法伐採や麻薬取引など、国境をまたぐ犯罪組織への対策で、情報共有や合同捜査などを含む国際協力を強化すること。
こうしたメッセージには、「アマゾンを守ることは、コロンビアや南米だけでなく、世界の気候と生物多様性を守ることにつながる」という危機感が込められています。
日本の私たちにとっての意味
遠く離れたアマゾンの問題は、日本の日常とも無関係ではありません。木材や農産品、金属資源など、世界のサプライチェーンを通じて、日本の消費や投資も森林地帯とつながっています。
アマゾンで起きている環境破壊や治安悪化のニュースは、以下のような問いを私たちに投げかけています。
- 自分たちが利用する製品は、環境や地域社会への配慮がなされているのか
- 気候変動対策や生物多様性保全を重視する政策・企業を、どのように後押しできるのか
- 国際ニュースを通じて、地球規模の課題を自分ごととして考えるにはどうすればよいのか
COP30での議論や、コロンビアの国防相のメッセージは、気候変動と安全保障、そして私たちの日常がどのようにつながっているのかを考えるきっかけになります。ニュースを追いながら、自分の暮らしや社会の選択を見直す視点を持つことが、アマゾン保護への一歩につながるのかもしれません。
Reference(s):
Colombia’s defense minister urges global action to protect the Amazon
cgtn.com








