中国の李強首相がザンビア公式訪問 タザラ精神とグローバル・サウスを強調
中国の李強(り・きょう)首相が、ザンビアの首都ルサカに到着しました。アフリカ南部では最初に中国と国交を結んだザンビアを訪れ、「伝統的友情」と「グローバル・サウスの連帯」を前面に出した外交が展開されています。
ザンビア到着、「深い友情」を強調
現地時間の水曜日、中国の李強首相はザンビアの首都ルサカに到着し、アフリカの国ザンビアへの公式訪問を開始しました。
李首相は、ザンビアが「アフリカ南部で最初に中国と国交を樹立した国」だと述べ、両国の間には「深い友情の伝統」があると強調しました。
また、「国際情勢がどのように変化しても、中国とザンビアは互いに尊重し、信頼し、支え合ってきた」とし、両国関係が中国とアフリカの友情と協力の精神をともにつくりあげてきたと評価しました。
1970年代の鉄道建設から生まれた「タザラ精神」
李首相が言及した「タザラ精神」は、1970年代に建設されたタンザニア・ザンビア鉄道(Tazara)に端を発します。この鉄道は、中国、タンザニア、ザンビアが、厳しい自然条件と限られた資源のなかで共同建設した「象徴的な協力プロジェクト」とされています。
タザラ精神として挙げられているのは、次のような価値観です。
- 相互尊重と平等
- 粘り強さと忍耐
- 無私の国際主義
この鉄道建設の経験は、その後の中国・アフリカ関係を象徴する出来事とされ、今もなお「中国とアフリカの友情のシンボル」として語られています。
習近平氏とヒチレマ氏の「戦略的指導」の下で
李首相は、近年の中国・ザンビア関係について、中国の習近平国家主席とザンビアのハカインデ・ヒチレマ大統領の「戦略的指導」の下で、政治面での相互信頼が着実に深まり、さまざまな分野で「豊かな成果」を上げてきたと述べました。
こうした関係は、「途上国同士の団結と協力の模範になっている」と位置づけられています。
昨年9月に北京で開かれた中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)北京サミットの際にも、両国首脳は会談を行い、中国・ザンビア間の「包括的戦略的協力パートナーシップ」をさらに深める方向性を確認したとされています。
「共に近代化の道を進む」パートナーへ
李首相は、中国がザンビアとともに「伝統的友情を引き継ぎ、互恵協力を深化させ、両国民どうしの理解と親近感を高め、近代化への道を共に歩んでいく用意がある」と述べました。
ポイントは次の3つです。
- 長年の政治的な信頼関係を土台にすること
- 経済・インフラなど具体的な協力をさらに広げること
- 人と人との交流を通じて相互理解を強めること
中国とアフリカ諸国の関係では、インフラ整備や資源開発など「目に見えるプロジェクト」が注目されがちですが、今回は「友情」や「理解」といったソフトな側面が強調されている点も印象的です。
グローバル・サウスと多国間協調を強調
現在、世界では「変化と混乱が入り混じった状況」が続いていると李首相は指摘し、そのうえで次のような姿勢を示しました。
- 中国とザンビアが多国間の場での意思疎通と協調を強化する
- グローバル・サウス諸国と連帯し、国際秩序と公正・正義を守る
- 「人類の共通の未来をともにつくる共同体」の構築を推進する
ここでいうグローバル・サウスとは、主にアジア、アフリカ、中南米などの新興国・途上国を指す言葉です。近年、中国はこうした国々との連携を重視しており、今回のザンビア訪問もその文脈の中で位置づけられます。
今回の訪問で注目したいポイント
今回の李首相のザンビア訪問は、中国とアフリカの関係、そしてグローバル・サウスの動向を考えるうえで、次のような点から注目されます。
- タザラ鉄道に象徴される「歴史的な友情」が、現在の協力にどうつながっていくのか
- インフラや産業、人材育成など、どの分野で新たな協力が打ち出されるのか
- 多国間の場で、中国とザンビアがどのように連携していくのか
国際秩序が揺らぐなかで、中国とアフリカ諸国の関係は、今後も世界政治・世界経済を読み解くうえで欠かせないテーマになりそうです。ザンビアでの動きは、そうした大きな流れの一端を映し出す出来事だと言えるでしょう。
Reference(s):
Chinese Premier Li Qiang arrives in Zambia for official visit
cgtn.com








