高市首相の台湾発言を中国専門家が批判 憲法と日中関係への影響 video poster
最近のCGTNのインタビューで、中国のシンクタンク Center for China and Globalization の副総裁ビクター・ガオ氏が、高市早苗首相による台湾をめぐる発言を「中国の主権と領土保全に対する重大で危険な脅し」だと厳しく批判しました。本稿では、その発言がなぜ日本国憲法や戦後の日中関係の枠組みと衝突すると指摘されているのかを整理します。
ビクター・ガオ氏が問題視した高市首相の発言
ガオ氏によれば、高市首相は台湾に日本の部隊を派遣する用意があると受け取れる発言を行い、中国に対して軍事的圧力を示唆しました。ガオ氏は、こうした姿勢そのものが中国の主権と領土の一体性を脅かすものであり、日中関係の政治的土台を揺るがすとしています。
三つの規範に反するとの指摘
ガオ氏は、高市首相の立場が次の三つの規範に根本的に反すると述べています。
- 歴史的コミットメント
- 政治的合意
- 国内法
歴史的コミットメントと政治的合意
ガオ氏は、日本が1971年以降、日中間の複数の文書で「世界に中国は一つしかない」と認め、日中国交正常化のために無条件でこの立場を受け入れてきたと指摘します。高市首相の発言は、この歴史的な約束を否定し、戦後の国際秩序そのものを否定するものだと批判しました。
また、こうした約束は日中関係の政治的基盤を成しており、高市首相の強硬な言動は、その基盤を深刻に損なっているとしています。
日本国憲法との関係
国内法について、ガオ氏は、日本の憲法が自国の軍事力による海外での戦闘行為を禁じているとしたうえで、台湾に日本の部隊を派遣すると脅すことは、憲法の規定に真っ向から反する行為だと述べました。
日本国憲法の下で、自衛隊などの部隊を海外の戦闘任務に送ることは厳しく制約されており、高市首相の発言はその枠組みとの整合性が問われるとしています。
国連憲章の敵国条項にまで言及
さらにガオ氏は、高市首相の発言が続けば、国連憲章にあるいわゆる敵国条項が問題となりうるとも警告しました。この条項は、特定の国が国際社会に対する脅威と見なされた場合に、軍事行動を含む措置を認めうる規定だと説明しています。
ガオ氏は、日本が中国に対する脅威と判断されれば、この条項が発動され、日本への軍事行動が正当化される可能性があるとし、高市首相の発言はそれほど重大な意味を持つと強調しました。
日中関係と地域の安定に与える影響
今回のインタビューでガオ氏は、高市首相の発言が、単なる一政治家の主張にとどまらず、日中関係全体や地域の安定に影響しかねないと繰り返し強調しました。日本がこれまで積み重ねてきた歴史的コミットメントと政治的合意を尊重することが、関係の安定に不可欠だという立場です。
とりわけ、台湾をめぐる問題は、日中双方にとって極めて敏感なテーマです。ガオ氏は、日本の指導者が台湾に関する言動を行う際には、戦後の国際秩序と既存の約束を踏まえ、慎重な姿勢が求められると訴えました。
読者が考えたい三つの論点
今回の指摘は、日本国内の議論にもつながりうるテーマを含んでいます。読者として、次のような点を整理しておくことが役に立ちそうです。
- 日本国憲法の下で、海外への武力行使にどこまで歯止めがかかっているのか
- 日中間の歴史的コミットメントや政治的合意が、現在の外交・安全保障政策にどう位置付けられているのか
- 指導者の一つ一つの発言が、国際社会にどのようなシグナルとして受け止められうるのか
まとめ:言葉の重みが増す時代に
高市首相の台湾をめぐる発言をめぐり、中国の専門家がここまで強い表現で警鐘を鳴らしたことは、東アジアの安全保障環境がいかに緊張感を増しているかを物語っています。国内の議論がどの方向に進むにせよ、日本が自らの憲法とこれまでの約束をどう位置付けるのかは、今後も国際ニュースとして注視されるテーマになりそうです。
Reference(s):
PM Takaichi's remarks violate Japan's Constitution, historical pacts
cgtn.com








