イスラエル軍、10月7日攻撃巡り将軍3人解任 ガザ戦争の失敗検証が本格化
2023年10月7日のハマスによるイスラエル南部への攻撃から2年が過ぎた今、イスラエル軍が複数の将軍を解任しました。ガザでの2年に及ぶ戦争の失敗をめぐり、軍の責任だけでなく、政治指導部の責任をどう問うのかが、イスラエル社会の大きな焦点になっています。
何が起きたのか:将軍3人の解任と広がる処分
イスラエル軍は、2023年10月7日にガザ地区から武装組織ハマスが仕掛けた奇襲攻撃を防げなかった責任を理由に、3人の将軍を解任し、他の複数の高級将校に対しても懲戒処分を行ったと発表しました。
解任された3人はいずれも師団長級の司令官で、このうち1人は当時、軍の情報部門トップを務めていました。軍が日曜日に出した声明によると、3人はそろって、ガザ地区からの攻撃を未然に防げなかったことについて個人的な責任を負うとされています。
ただし、3人はいずれも既に辞任しており、この中には南部方面を統括していたヤロン・フィンケルマン前司令官も含まれます。今回の解任は、形式的には職を離れているものの、公式に責任を明示する意味合いが強いとみられます。
ハマスの2023年10月の攻撃では、イスラエル側で1,221人が死亡し、その後のイスラエル軍によるガザへの報復攻撃は少なくとも69,756人の死者を出し、2年に及ぶ甚大な戦争となりました。ガザの保健当局の数字で、国連が信頼できるとみなしているものです。
軍内部調査が示した「構造的な失敗」
今回の人事は、軍トップのエヤル・ザミル参謀総長がシステム全体の検証が必要だと訴えてから約2週間後に発表されました。ガザでの戦争が続いた期間、政府は世論の強い圧力にもかかわらず、国家調査委員会の設置に慎重な姿勢を崩していませんでした。
今月初めには、ザミル氏が任命した専門家委員会の報告書が公表され、軍による10月7日攻撃の内部調査はひとまず締めくくられました。報告書は、軍の中に長年にわたり制度面・組織面での深刻な欠陥があったと結論づけています。
また、軍が例外的なほど質の高い情報を持っていたにもかかわらず、攻撃の兆候を察知し警報を鳴らすことができなかったとして、情報面での失敗を指摘。2023年10月7日夜の意思決定プロセスや戦力配置も不十分で、指揮系統全体に問題があったと批判しました。
海軍・空軍トップにも懲戒処分
解任された3人の将軍以外にも、海軍司令官と空軍司令官が処分の対象となり、さらに4人の将軍と複数の上級将校に対して何らかの懲戒措置が科されました。
イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は、この報告書を受けて、国防当局の監察官ヤイル・ウォランスキー氏に内容を精査させ、追加の調査が必要かどうかを検討するよう指示しました。イスラエル国内のメディアでは、ガザでのハマスとの戦争の進め方をめぐり、ザミル氏とカッツ氏の間で続いてきた緊張が、今回の対応でさらに高まっているのではないかとの見方も出ています。
ネタニヤフ首相の責任は問われるのか
軍内部での責任追及が進む一方で、ベンヤミン・ネタニヤフ首相自身が10月7日攻撃の失敗について責任を問われるのかどうかは、依然として不透明です。
ネタニヤフ氏は過去2年間にわたり、10月7日の失敗についての検証はガザでの戦争が終わった後に行うべきだと繰り返し主張してきました。しかし、世論調査では、イスラエル社会の幅広い層が、当局が攻撃を防げなかった理由を明らかにするための独立した調査委員会の設置を支持しているとされています。
それにもかかわらず、ネタニヤフ政権はこれまでのところ、国家レベルの調査委員会を設けることを拒んでおり、軍の内部調査と今回の人事が責任の取り方として十分なのかどうかをめぐり、議論が続いています。軍が先に責任を認める一方で、政治指導者の説明責任をどこまで求めるのか。この問いは、イスラエルに限らず、民主主義国の安全保障政策において避けて通れないテーマでもあります。
停戦後も続くガザの緊張
ガザ地区では、先月合意された停戦の下でも緊張が続いています。イスラエル軍は月曜日、停戦合意に基づいて部隊が後退したとされる「イエローライン」を越えてきた3人の戦闘員を射殺したと発表しました。
一方、ハマスはイスラエルがこのイエローラインを徐々に前進させ、自らの支配地域の奥深くに設定し直していると非難し、停戦合意違反だと主張しています。
ハマスはまた、高位指導部の代表団がここ2日間、カイロで仲介者と会談し、10月10日に始まった米国仲介の停戦の第2段階の条件について協議していると明らかにしました。停戦の行方と並行してイスラエル側で責任追及が進む構図は、ガザ情勢がなお流動的であることを物語っています。
読み手への問いかけ:戦争の検証は「いつ」すべきか
10月7日の攻撃とその後の2年にわたる戦争は、イスラエルとガザ双方に深い傷を残しました。イスラエル側で1,221人、ガザ側で少なくとも69,756人が命を落としたとされるこの出来事を、いつ、どのような枠組みで検証するのかは、単なる国内政治の問題にとどまりません。
戦時中は検証を先送りにして「まず勝利を優先すべきだ」と考えるのか、それとも戦闘が完全に終わらない段階でも、失敗の原因を洗い出し被害の拡大を防ぐべきだと考えるのか。イスラエル軍の将軍解任と停戦後のガザ情勢をめぐる今回の国際ニュースは、私たち自身の社会でも、危機にどう向き合い、権力をどう監視するのかを静かに問いかけています。
Reference(s):
Israeli military sacks several generals over October 7 attack
cgtn.com








