イスラエル軍作戦でパレスチナ人男性死亡 ヨルダン川西岸ナブルスの銃撃戦
ヨルダン川西岸のナブルスで8日月曜夜(現地時間)、イスラエル軍の作戦中にパレスチナ人男性が銃撃を受けて死亡しました。パレスチナ側の当局や医療団体の証言と、イスラエル軍の発表をもとに、現地で何が起きたのかを整理します。
ポイントで読む:ナブルス銃撃戦の概要
- 場所:ヨルダン川西岸北部ナブルス市東部(アンマン通り周辺)
- 時間:8日月曜夜
- 死亡したのはパレスチナ人男性アブデル=ラウフ・シャティエ氏
- イスラエル側は、過去の兵士2人が死亡した車両攻撃への関与を疑い、1年半以上追跡していたとされる
- 現場周辺では銃撃戦とともに複数の逮捕が行われたとの情報
包囲された建物で銃撃戦、炎上も
パレスチナの治安関係者によりますと、イスラエル軍の部隊はナブルス東部のアンマン通りにある住宅を包囲し、作戦を開始しました。周辺では激しい銃声が続き、肩撃ち式の発射装置から撃ち込まれたとみられる弾薬によって、標的となった集合住宅の一室から炎が上がったと伝えられています。
この作戦で、イスラエル軍が追跡していたとされるアブデル=ラウフ・シャティエ氏が銃撃を受けて死亡しました。同氏は、兵士2人が死亡した車両による攻撃に関与した疑いで、イスラエル側から1年半以上にわたり追われていたとされています。
医療チームは接近できず 赤新月社が説明
パレスチナ赤新月社(PRCS)は、現場のアパート内に負傷者がいるとの通報を受けて救急隊を派遣したものの、イスラエル軍が医療チームの接近を許可しなかったと説明しています。その後、地元住民からの連絡により、負傷していた人物がすでに死亡していることを確認したと発表しました。
イスラエル軍は「対テロ作戦」と強調
イスラエル国防軍(IDF)は8日夜、ナブルス東部で「対テロ作戦」を実施していると発表し、作戦中に「現地のテロリスト」と部隊との間で銃撃戦が続いていると説明しました。
イスラエル側は、ヨルダン川西岸で行う急襲や包囲作戦について、パレスチナの武装組織に関係するとみなした個人を標的とした対テロ作戦と位置づけることが多くあります。一方、現地では、こうした作戦のたびに民間人の生活が大きく制限され、緊張が高まることへの懸念も指摘されています。
複数の逮捕と市内の緊張
パレスチナ側の情報によると、今回の作戦は、標的となったアパートだけでなく、市内の複数の地区での逮捕を伴う大規模なものだったとされています。ナブルス各地の住宅が捜索され、複数の男性が連行されたという報告が出ています。
問われる「治安」と「安全」のバランス
イスラエル軍は、自国の安全確保と攻撃の未然防止を目的に作戦を行っていると説明します。一方で、パレスチナ側からは、こうした作戦が武力の行使に偏りすぎており、住民の安全や医療アクセスなど基本的な権利が脅かされているとの声が上がります。
今回のナブルスでの銃撃戦と死亡事案は、「治安の確保」と「住民の安全・権利」のどこに線を引くべきなのかという重い問いをあらためて突きつけています。現地の緊張が高まる中で、暴力の連鎖をどう断ち切るのかが、引き続き大きな課題となっています。
Reference(s):
Palestinian killed during Israeli military operation in West Bank
cgtn.com








