ベネズエラ、米国の「存在しないカルテル」テロ指定を拒否
ベネズエラ、米国のテロ指定に強く反発
ベネズエラ政府は現地時間の月曜日、米国のマルコ・ルビオ国務長官が「カルテル・デ・ロス・ソレス」をテロ組織に指定すると発表したことに対し、「存在しないカルテルに対する下劣なうそだ」として厳しく非難しました。米国のテロ指定と対ベネズエラ政策の行方は、国際社会にとっても無視できないテーマになっています。
「存在しないカルテル」へのテロ指定めぐり対立
ベネズエラのイバン・ヒル外相がSNSで共有した政府声明によると、今回のテロ組織指定の動きは「ベネズエラに対する不当かつ違法な介入を正当化するための口実」だと批判しています。声明は、米国に対して「侵略と脅迫の政策を改めるよう」求める一方、「ベネズエラの人々は平和と国家の最も重要な利益を守る術を知っている」と強調しました。
米国側では、ルビオ国務長官が11月16日に「カルテル・デ・ロス・ソレス」を外国テロ組織として指定する方針を発表し、この指定は11月24日に発効するとしています。ベネズエラ政府は、この組織自体が「存在しない」と主張しており、認識のずれがそのまま外交上の対立になっている形です。
テロ組織指定がもたらす国際的な重み
米国による「テロ組織」指定は、通常、金融制裁や渡航制限、第三国での取引制限など、広範な影響を伴うとされます。今回のケースでは、実在性をめぐって双方の主張が真っ向から食い違っているため、単なる制裁強化以上に、レッテル貼りの是非や国際法上の正当性が問われる局面になっています。
特に、テロや麻薬取引など重い犯罪に関するレッテルは、一度貼られると長期にわたり国や地域のイメージや経済に影響します。ベネズエラ側が「虚構のカルテル」を強調するのは、そうした長期的なダメージを回避したい思惑もにじみます。
9月以降の作戦で20隻以上撃沈、80人超死亡
今回のテロ指定の動きと並行して、米軍は9月初め以降、麻薬密輸に関与したとされる船を20隻以上撃沈し、80人以上が死亡したとされています。ワシントンはこれらの作戦を「麻薬対策」と位置づけていますが、カラカスは「国を不安定化させるための地政学的な圧力」だと反発しています。
- 米軍:麻薬取引撲滅を目的とした対策の一環と説明
- ベネズエラ政府:主権を脅かす圧力であり、介入の一形態と批判
同じ軍事作戦でも、評価は「治安対策」か「圧力・介入」かで大きく分かれます。死亡者が80人を超える規模になっていることもあり、人命の重さと安全保障上の論理がぶつかる構図です。
米・ベネズエラ関係はどこへ向かうのか
テロ組織指定と軍事作戦をめぐる今回の動きは、米国とベネズエラの対立が新たな段階に入ったことを示しています。今後、次のような点が焦点になりそうです。
- テロ組織指定に対する各国の受け止め方
- 麻薬対策とされる軍事行動の国際法上の位置づけ
- ベネズエラ国内の政治・経済情勢への影響
日本を含む国際社会にとっても、麻薬対策、テロ対策、人権、主権の尊重をどのように両立させるかという普遍的な問いが突きつけられています。今回のニュースは、単なる二国間の対立としてではなく、「安全保障の名の下でどこまで何が許されるのか」を考える材料として受け止める必要がありそうです。
私たちがニュースから読み取れる視点
テロや麻薬という言葉は強く感情を揺さぶるため、ニュースを読む側も冷静さを保つことが求められます。今回のケースでは、少なくとも次の3つの視点を意識すると、理解が深まりやすくなります。
- 誰が「脅威」とラベルを貼っているのか
- そのラベルが、具体的にどのような行動や政策を正当化しているのか
- その結果として、誰の生活や安全が影響を受けるのか
日々のニュースを追う中で、こうした問いを持ち続けることが、「読みやすいのに考えさせられる」国際ニュースの読み方につながっていきます。
Reference(s):
Venezuela rejects U.S. 'terrorist' designation of 'nonexistent' cartel
cgtn.com








