ギニアビサウ暫定大統領が新内閣発足 全閣僚が前大統領陣営と関係
2025年11月23日の大統領・議会選挙から続く政局の混乱のなか、西アフリカのギニアビサウで暫定大統領の Horta Inta-A 氏が新内閣の閣僚を任命しました。軍の権力掌握宣言を受けた暫定政権が、どのような体制で1年間の統治に臨むのかが焦点となっています。
新内閣は23省と5つの国家事務局
大統領府の広報・渉外部による声明によると、新しい政府は23の省と5つの国家事務局で構成されます。暫定大統領の Inta-A 氏は、移行期間中の行政を担う体制づくりを急いでいることがうかがえます。
今回任命された閣僚は、内政や治安、外交、人権など主要分野をカバーしており、暫定政権ながらも幅広い政策分野の舵取りを行うことになります。
主要ポストの顔ぶれ
今回の発表によると、新内閣では次のような人物が主要ポストに起用されています。
- 外務・国際協力・コミュニティー担当相: Joao Bernardo Vieira 氏
- 内務・治安担当相: Mamasaliu Embalo 氏
- 司法・人権担当相: Carlos Pinto Pereira 氏(元外務相)
さらに Inta-A 氏は、これに先立ち軍の参謀総長に Tomas Djassi 氏、首相兼財務相に Ilidio Vieira Te 氏を任命しており、軍と財政の両分野のトップ人事も固めています。
暫定政権の中枢を占める Embalo 陣営
今回任命された新内閣のメンバーは全員、解任された Umaro Sissoco Embalo 氏の選挙陣営と関係がある人物だとされています。そのうち4人は前政権でも閣僚を務めていました。
暫定政権でありながら、前大統領 Embalo 氏の陣営に属する人物が政府の中枢を占める構図となっており、政治的な連続性と変化のバランスが注目されています。移行政権の性格上、政権の正統性や国民の信頼をどう確保するかが鍵になり、さまざまな政治勢力をどのように議論の場に参加させるかが今後の安定に影響しそうです。
選挙結果の公表前に軍が権力掌握を宣言
ギニアビサウでは2025年11月23日、大統領選挙と国民議会選挙が行われ、解任された Embalo 氏は大統領選で再選を目指していました。選挙結果は当初、木曜日に発表される予定だったとされています。
しかし、その前日の水曜日、軍は特定の政治勢力による国家の安定を損なおうとする試みに対抗するためとして、国家権力を全面的に掌握したと宣言し、Embalo 氏を解任しました。翌日の木曜日には、軍の高官である Inta-A 氏が暫定大統領として宣誓し、任期1年の移行政権が発足しました。
軍による権力掌握宣言と、それに続く暫定政権の発足、新内閣の任命という流れは、選挙での民意と安全保障機関の役割をどう調整するのかという難しい課題を浮かび上がらせています。軍は国家の安定を守るための措置だと説明する一方で、選挙で争われた権力を軍が事実上コントロールする構図にも見え、この点をどう評価するかは国内外で議論を呼びそうです。
今後注目したいポイント
- 暫定政権が約束された1年間の任期内に、どの政策分野を優先課題とするのか
- 新内閣に Embalo 氏の選挙陣営ゆかりの人物が多いことが、政治的な包摂や対立にどう影響するか
- 11月23日の選挙プロセスと結果が、国内外の政治的議論の中でどのように位置づけられていくか
- 軍が前面に出た今回の権力移行が、今後の文民統治や軍との関係にどのような前例を残すのか
日本から見れば遠い国の出来事ですが、この国際ニュースは、選挙と軍、そして暫定政権というテーマを通じて、民主的な制度と政治的安定をどう両立させるかという普遍的な問いを投げかけています。国際ニュースとして距離を置いて眺めるだけでなく、自国の政治や統治のあり方を考える材料としても捉えてみる価値があります。
Reference(s):
Guinea-Bissau's transitional president appoints new cabinet members
cgtn.com








