日本の自営農業者が過去最大の減少 5年で25%減・平均年齢67.6歳
2025年の農林水産省の最新の農業センサスで、日本の自営農業者が過去5年で約4分の1減り、農業の担い手不足が一段と深刻になっていることが明らかになりました。
自営農業者が5年で25.1%減、過去最大の落ち込み
農林水産省によると、2025年の自営農業従事者数は102万人で、5年前の調査から25.1%減少しました。減少率は過去最大で、日本の食料安全保障を支える基盤が急速に縮小している実態が浮かび上がっています。
今回のデータは、日本の農業が依然として縮小傾向にあることを示しています。農業は国内の食料供給を支える重要な産業ですが、人口の高齢化が進むなか、その維持が難しくなっていると指摘されています。
平均年齢は67.6歳に わずかな若返りの背景
一方で、「基幹的農業従事者」(農業の中心的な担い手)の平均年齢は、2020年の67.8歳から2025年には67.6歳へとわずかに下がりました。平均年齢の低下は1995年以来初めてです。
平均年齢がわずかに若返った背景には、高齢の農業者の引退が進んだことがあるとみられます。つまり、若い人が増えたというよりも、高齢者のリタイアによって統計上の年齢が下がった可能性が高いと考えられます。
若い人が入らない農業 現場では何が起きているのか
今回のセンサスでは、農業に新たに参入する若い世代が少ないことも示されています。若い人の就農が進まなければ、今後さらに農地の引き手がいなくなり、耕作放棄地(使われなくなった農地)が増えるのではないかという不安が高まっています。
耕作放棄地の拡大は、地域の景観や防災、そして食料供給にも影響します。農地が手入れされなくなると、雑草や害獣が増えたり、災害時に土砂崩れのリスクが高まったりする可能性もあります。農業の担い手不足は、単なる産業の問題にとどまらず、地域社会全体の課題ともいえます。
農業法人など「農業経営体」も23%減
農業を営む法人などを含む「農業経営体」の数も減少しています。最新の調査によると、その数は前回調査から23%減って82万8,000にとどまりました。比較可能なデータがある2005年以降で、最も大きな減少幅となっています。
個人の自営農家だけでなく、法人や組織として農業に取り組む経営体も減っていることは、農業の構造そのものが縮小に向かっていることを示します。規模の拡大や経営の効率化だけでは、この傾向を逆転させることが難しくなっているとも読み取れます。
食料安全保障と地域の未来をどう守るか
今回の統計は、日本の農業が人口高齢化と担い手不足という二重の課題に直面している現状を、あらためて数字で示しました。自営農業者と農業経営体の減少は、国内の食料生産力を弱め、日本の食料安全保障にも長期的な影響を与えかねません。
同時に、農村地域の暮らしや文化をどう次の世代につないでいくのかという問いも突きつけられています。都市部に住む私たちにとっても、スーパーに並ぶ食品の「その先」にある生産現場をどう支えるかは、決して他人事ではありません。
農業の現場を守るために、これからどのような政策や仕組みが必要なのか。若い世代が「選びたくなる」仕事としての農業をどうつくっていくのか。今回のセンサスの数字は、その議論の出発点となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








