スリランカのサイクロン被害で27万5千人の子ども影響 ユニセフが警鐘
スリランカを襲ったサイクロン「ディトワ」により、約140万人が被災し、そのうち少なくとも27万5千人が子どもだとユニセフ(国連児童基金)が発表しました。インフラの破壊や避難生活が長期化するなか、子どもたちの命と暮らしをどう守るかが緊急の課題になっています。
被災規模:140万人、その4人に1人が子ども
ユニセフは火曜日に出した声明で、サイクロン「ディトワ」によってスリランカで少なくとも140万人が影響を受け、そのうち約27万5千人が子どもだと明らかにしました。土砂崩れや洪水でこれまでに400人以上が死亡したとされています。
広範囲で道路や電力網、給水設備、学校や医療施設などの重要なサービスが被害を受け、多くの住民が自宅を離れて一時避難所での生活を余儀なくされています。
子どもたちに迫る「二次被害」
ユニセフは「子どもたちと、彼らが頼りにしている重要なサービスに大きな破壊が生じている」と深い懸念を示しています。スリランカのユニセフ代表エマ・ブリガム氏は、最も弱い立場の家族に支援を届けることは「時間との戦い」だと訴えています。
とくに次のような「二次被害」のリスクが高まっているとされています。
- 一時避難所での集団生活による感染症の流行
- 食料不足や栄養バランスの悪化による子どもの栄養不良
- 突然の災害や避難生活に伴う強い不安やストレスなどの心理的影響
学校の休校や通学の中断が長引けば、学びの機会の喪失や、子どもたちの将来にまで影響が及ぶおそれもあります。
貧困の急増と重なる災害リスク
2025年の世界銀行の報告書によると、スリランカの貧困率は2019年の11.3%から24.5%へと倍以上に増加しています。経済的に厳しい状況が続くなかで、今回のサイクロン被害が重なったことで、もともと脆弱だった家庭ほど打撃が大きくなっているとみられます。
貧困状態にある家庭は、十分な貯蓄や保険、安全な住居などの備えが難しいため、災害から立ち直るのにも時間がかかります。結果として、子どもたちが受ける影響も、より深刻になりやすいという構図があります。
ユニセフと政府の緊急対応
ユニセフは現在、スリランカ政府や各種パートナーと協力しながら、被災地のニーズを評価し、緊急支援を進めています。
具体的には、次のような分野で支援を拡大し、追加の資金支援も呼びかけています。
- 安全な飲み水の提供
- 栄養補助食品などの配布
- トラウマや不安を抱える子どもへの心理社会的支援
- 避難生活を送る子どもと母親向けの緊急教育キットの提供
教育キットは、避難先でも学びを続けるための教材などを含むもので、子どもたちが日常を少しずつ取り戻す一助になると期待されています。
アジアの一員として考えたい視点
今回のスリランカのサイクロン被害は、同じアジア地域に暮らす私たちにとっても、気候や災害、貧困がどのように結びつき、子どもたちの未来に影を落とすのかを考えるきっかけになります。
遠く離れた国の出来事に見えても、ニュースを通じて状況を知り、子どもの権利や安全を守るためにどのような支援のあり方があるのかを考えることは、私たち一人ひとりの社会参加の一つの形と言えます。
Reference(s):
UNICEF says 275,000 children affected by Cyclone Ditwah in Sri Lanka
cgtn.com








