中国とカナダの貿易投資フォーラムを読み解く:サプライチェーン再編のいま video poster
2025年12月1日にトロントで開かれたカナダ・中国貿易投資協力フォーラムで、両国は貿易と投資の拡大や新分野での連携強化に向けて意思を確認しました。世界のサプライチェーンが再編される中、中加経済関係の行方を占う一歩として注目されています。
トロントで開催された中加貿易・投資協力フォーラム
カナダ・トロントで現地時間12月1日(月)、中国とカナダの貿易・投資協力をテーマにした「カナダ・中国貿易投資協力フォーラム」が開催されました。中国側代表団は、中国国際貿易促進委員会(CCPIT)のレン・ホンビン会長が率いました。
今回のフォーラムは、韓国・慶州で中国の国家主席とカナダのカーニー首相が会談して以来、両国間で最も高いレベルの商務対話と位置づけられています。
会場には、中国とカナダのビジネスリーダーや投資家、政策担当者など150人以上が参加し、二国間の経済協力の今後について幅広い議論が行われました。
安定した経済関係と新たな成長分野の開拓
基調発言でレン会長は、中国国際貿易促進委員会として、カナダ側パートナーと手を携えて、中国とカナダの経済関係の健全で安定した発展を強力に後押ししていく姿勢を強調しました。
そのうえで、両国が貿易と投資をさらに拡大し、伝統的な分野に加え、次のような新たな成長分野での協力を深める必要性を指摘しました。
- クリーンエネルギー
- 自動車用電子部品などのオートモーティブ・エレクトロニクス
- テクノロジー・イノベーション(技術革新)
環境・エネルギー転換やデジタル化が進むなか、こうした分野は中国とカナダ双方にとって成長の余地が大きく、長期的なパートナーシップの試金石になりそうです。
サプライチェーン再編のいまをどう捉えるか
カナダのビジネス界の代表者も意見を述べ、世界のサプライチェーン(供給網)が大きく組み替えられつつある現在こそ、中国との経済協力を深める重要なタイミングだと強調しました。
地政学的な緊張や気候変動対応などを背景に、多くの企業が調達網の見直しや拠点の分散を進めています。こうした変化はリスクであると同時に、新たな市場やパートナーを探る機会にもなります。
今回のフォーラムは、カナダ側にとって、中国との関係をリスクか機会かという二択ではなく、いかにバランスよく活用するかを考える場にもなったといえます。
第4回中国国際サプライチェーン博覧会への関心も
フォーラムの一部では、第4回中国国際サプライチェーン博覧会に関する情報セッションも行われました。参加者は、この博覧会を通じてカナダ企業が中国のサプライチェーンと投資機会にどのようにアクセスできるのかについて説明を受けました。
生産から物流、サービスまでサプライチェーン全体を扱う博覧会は、部品供給や共同研究、グリーン技術など、具体的な案件につながる入り口として位置づけられています。カナダ企業にとっても、自社の技術やサービスを中国やアジアのパートナーに紹介する場になりうると期待されています。
中加経済関係はどこへ向かうのか
今回のフォーラムは、政治や安全保障をめぐる環境が揺らぐなかでも、経済分野での対話と協力のチャネルを維持しようとする動きの一つと見ることができます。
今後注目されるのは、次のようなポイントです。
- クリーンエネルギーや自動車関連など、具体的な共同プロジェクトが立ち上がるか
- 企業レベルのネットワークづくりがどこまで進むか
- グローバルなサプライチェーン再編の中で、中国とカナダがどのような役割分担を模索するか
中国とカナダの経済関係は、両国企業の投資判断だけでなく、日本を含む他の国や地域の企業戦略にも影響を与えうるテーマです。変化のスピードが増す2020年代後半に向けて、今回のような官民対話がどのような具体的成果につながっていくのか、引き続き注視する必要があります。
Reference(s):
China and Canada hold forum to boost bilateral trade and investment
cgtn.com








