トランプ特使がマイアミでウクライナ交渉団と協議へ モスクワ会談の中身は
ロシア・ウクライナの紛争をめぐる和平交渉に向けて、トランプ米大統領の特使がロシアとウクライナ両方の要人と相次いで協議しようとしています。モスクワでの会談が妥協点を見いだせなかったなか、次の舞台は米フロリダ州マイアミです。
モスクワでの5時間会談 妥協点は見つからず
米紙ニューヨーク・ポストが水曜日に伝えたところによると、トランプ米大統領の特使スティーブ・ウィトコフ氏は、今週火曜日にモスクワでプーチン露大統領と約5時間にわたり会談し、修正版の和平案を売り込もうとしました。しかし、この試みは十分な成果を挙げられなかったと報じられています。
プーチン氏の側近ユーリー・ウシャコフ氏は、会談後に記者団へ、具体的な妥協案については「いまだ見つかっていない」と説明しました。一方で、米側の提案の中にはおおむね受け入れ可能とみられる要素もあるとしつつ、なお協議が必要だとしています。ロシア側にとって受け入れがたい表現も含まれていると示唆し、米国案との距離の存在をにじませました。
マイアミで米・ウクライナ協議 トランプ特使とクシュナー氏が参加
ニューヨーク・ポストによれば、ウィトコフ氏は今週木曜日、トランプ氏の娘婿にあたるジャレッド・クシュナー氏とともに、フロリダ州マイアミでウクライナ側の交渉担当者と会談する予定です。モスクワ会談から2日後という近いタイミングで、ウクライナ側への説明と調整の場が設けられることになります。
この会談には、ウクライナ国家安全保障・国防会議の書記であり、和平交渉の首席交渉役を務めるルステム・ウメロフ氏が出席するとされています。同氏はトランプ政権からの招待を受け、フロリダ訪問を受諾したと伝えられています。
ウィトコフ氏は、モスクワでのプーチン氏との会談でロシア側が示した、紛争終結に向けた条件をウクライナ側に詳しく説明する見通しです。ロシアが求める条件と、ウクライナが受け入れ可能と考えるラインとの間に、どれだけの隔たりがあるのかが、マイアミでの協議の重要なポイントとなります。
焦点は領土・凍結資産・安全保障
ウクライナのゼレンスキー大統領は、水曜日にX(旧ツイッター)へ投稿し、和平交渉で最も敏感で、最も難しい論点として、次の三つを挙げました。
- 領土問題
- ロシアの凍結資産の扱い
- ウクライナに対する安全保障上の保証
領土問題は、どの範囲を誰がどのような形で管理するのかという根幹にかかわるテーマです。凍結資産は、各国が制裁の一環として拘束しているロシア資産を、復興支援などにどう活用するかが焦点となります。安全保障の保証は、今後ウクライナが再び攻撃を受けないようにするための枠組みづくりを指し、ロシア・ウクライナ双方だけでなく欧米諸国も深く関わるテーマです。
今回のマイアミ会合では、モスクワで示されたロシア側の要求と、ウクライナ側が重視するこれら三つの論点のすり合わせが、中心議題になるとみられます。
ゼレンスキー氏、欧州・米国との別枠協議を予告
ゼレンスキー大統領は同じ投稿で、ウクライナの代表団が今後数日のうちに、欧州および米国の代表とそれぞれ別に協議を行う予定だと明らかにしました。
その目的について、同氏は、アメリカ側がモスクワで得た情報をヨーロッパの関係者に共有するとともに、必要とされる安全保障の枠組みにおけるヨーロッパの役割について話し合うと述べています。これは、ロシア・ウクライナの二国間だけでなく、欧米全体を巻き込んだ広い意味での安全保障アーキテクチャ(安全保障の全体設計)を構築しようとする動きといえます。
今後の行方 何を見るべきか
今回明らかになった一連の動きは、トランプ政権の特使がロシアとウクライナの双方と直接対話し、和平への道筋を探ろうとしていることを示しています。とはいえ、ロシア側は依然として妥協案に達していないと強調しており、楽観視はできません。
今後の国際ニュースとして注目されるポイントは、例えば次のような点です。
- マイアミでの協議を通じて、ロシアの条件に変化が見られるかどうか
- ウクライナ側が、領土・凍結資産・安全保障という難題に対し、どのような交渉方針を示すのか
- ウクライナ代表団から説明を受ける欧州各国や米国の代表が、どのような役割分担や支援の在り方を模索するのか
- ウシャコフ氏が言及した米側提案の「受け入れ可能な部分」が、具体的な合意案へと発展する余地があるのか
ロシア・ウクライナの紛争を終結させる道のりは依然として険しく、領土や安全保障のような根本的な争点では、お互いの立場の隔たりも大きいままです。その中で、モスクワとマイアミをまたぐ今回の一連の協議が、実質的な前進につながるのかどうか。今後の発表や各国の反応が、次の局面を占う手がかりとなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








