BRICSサミット、市民社会の役割拡大へ カザン宣言後初のPeople's会合 video poster
ブラジルで4日間にわたって開かれていた「People's BRICSサミット」が、現地時間12月4日(木)に閉幕しました。カザン宣言で市民社会組織の代表からなる「シビック・カウンシル」が正式に枠組みに組み込まれて以降、BRICSにとって市民社会の役割拡大を象徴する重要な一歩となりました。参加者は、グローバル・サウス各地で市民社会の関与を強化・拡大する新たな方法を探りました。
ブラジルで開かれたPeople's BRICSサミット
今回のPeople's BRICSサミットは、BRICSをめぐる議論に市民社会の視点を反映させることを主な目的とする場として位置づけられています。政府代表同士が集まる公式な首脳会議とは異なり、現場で活動する団体や研究者、コミュニティの声を持ち寄ることで、グローバル・サウスの課題をより立体的に捉えようとする試みです。
4日間の議論を通じて、参加者たちは、従来は政府間協議の周辺に置かれがちだった市民社会を、どのようにBRICSの意思決定プロセスに近づけていくかという大きなテーマに向き合いました。この点で、今月4日に閉幕したサミットは、カザン宣言後の新しいスタートラインと見ることができます。
カザン宣言とシビック・カウンシルの役割
カザン宣言では、BRICSの枠組みの中に、市民社会組織の代表で構成される「シビック・カウンシル」が正式に位置付けられました。これは、市民社会の意見を一時的なイベントではなく、継続的な対話のチャンネルとして組み込もうとする動きといえます。
今回のPeople's BRICSサミットは、このシビック・カウンシルの創設を受けて開かれたものであり、カウンシルがどのように機能し得るのか、またグローバル・サウスの市民社会とBRICSとの関係をどう再設計していくのかを考える場となりました。市民社会の声を単なる提言にとどめず、政策や協力プロジェクトの具体的な形にどうつなげるかが、今後の焦点となりそうです。
グローバル・サウスの市民社会に広がる期待
グローバル・サウスとは、アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどを中心とした新興国・途上国を指す言葉として使われています。これらの地域は、気候変動の影響や経済格差、インフラ整備など、多くの共通課題を抱えていますが、その現場で活動しているのが各地の市民社会組織です。
BRICSが市民社会との連携を強めることで、次のような変化が期待されます。
- 政策や協力プロジェクトに、地域コミュニティの具体的なニーズや経験が反映されやすくなる
- 国境を越えた市民社会ネットワークが強化され、課題や成功事例の共有が進む
- 若者やマイノリティなど、多様な声が国際的な場に届きやすくなる
今回のサミットで掲げられた「市民社会の関与の強化・拡大」というテーマは、単にBRICS内部の議論にとどまりません。グローバル・サウス全体で、誰が国際協力の方向性を決め、誰の声が意思決定に届くのかという根本的な問いを投げかけています。
日本の読者にとっての意味
日本から見ると、BRICSやグローバル・サウスの動きは、つい遠い世界の話のように感じられがちです。しかし、気候変動、エネルギー、安全保障、移民・難民問題など、多くの国際課題は、日本社会とも密接につながっています。
今回のPeople's BRICSサミットが示したのは、政府間の外交だけでなく、市民社会を巻き込んだ多層的な国際協力の重要性です。日本でも、アジアやグローバル・サウスとの関係を考えるとき、「どの政府と付き合うか」だけでなく、「どの市民社会とつながるか」という視点が、これまで以上に問われていくのかもしれません。
ブラジルで閉幕したばかりのこのサミットをきっかけに、グローバル・サウスと市民社会、そして日本との関係について、身近な人たちとの会話やSNSの中で一度立ち止まって考えてみる余地がありそうです。
Reference(s):
BRICS Summit expands civil society role after Kazan declaration
cgtn.com







