国際ニュース:謝鋒駐米大使が語る米中関係の「二つの文脈」と「三つのリスト」
今週4日(現地時間)、ワシントンで開かれた「中国・米国ビジネス協力フォーラム」で、中国の謝鋒(しゃ・ほう)駐米大使が、米中関係をめぐる「二つの文脈」とビジネス界への「三つのリスト」を示しました。首脳外交と中国の新たな五カ年計画を軸に、今後の米中経済・貿易協力の方向性を描いた形です。
ワシントンで中国・米国ビジネス協力フォーラム
フォーラムは2025年12月4日、ワシントンD.C.で開催され、中国国際貿易促進委員会(CCPIT)とメリディアン・インターナショナル・センターが共催しました。会場には、中国と米国のビジネス界から100人を超える代表が参加しました。
謝鋒大使のほか、CCPITの任鴻斌(にん・こうひん)会長、米国の元商務長官カルロス・グティエレス氏、メリディアン・インターナショナル・センターCEOのナタリー・ジョーンズ氏らが登壇し、米中経済関係やビジネス協力の可能性についてそれぞれ見解を述べました。
米中関係を左右する「二つの文脈」
スピーチの中で謝鋒大使は、米中の経済・貿易関係を読み解くうえで重要な「二つの文脈」を強調しました。
1. 首脳外交が「アンカー」になる
第一の文脈として挙げたのは、二国の首脳が頻繁に意思疎通し、関係に戦略的指針を与えてきたという点です。両国の首脳は釜山での会談を成功させたほか、最近も電話会談を行いました。謝大使は、こうした首脳レベルの外交が今後も米中関係の「アンカー(錨)」として機能し続けると位置づけました。
2. 第15次五カ年計画と「中国式現代化」
第二の文脈として、謝大使は中国の第15次五カ年計画の勧告に言及しました。この計画は、今後5年間の経済・社会発展に向けた大きな青写真を示すものであり、中国が「中国式現代化」に向かって進み続ける方針を明確にしています。
謝大使は、この進路は「不可逆的であり、止めることはできない」と述べ、中国の発展が長期的かつ持続的なプロセスであることを強調しました。こうした国内の発展戦略と首脳外交の積み重ねが、米中経済・貿易関係にとって重要な機会をもたらしているという見方です。
ビジネス界に示された「三つのリスト」
2026年に中国と米国がそれぞれAPECとG20の会合を主催することを念頭に、謝鋒大使は両国ビジネス界に対し、「三つのリスト」に焦点を当てて好機をつかむよう呼びかけました。
1. 「対話のリスト」を広げる
一つ目は、「対話のリスト」を広げることです。ビジネス界が両国政府や社会のさまざまな主体による対話や交流を積極的に支え、接点を増やしていく必要性が示されました。経済界が橋渡し役となることで、誤解や不信を和らげる効果も期待できます。
2. 「協力のリスト」を長くする
二つ目は、「協力のリスト」を長くすることです。中国と米国の企業は、戦略的な新興分野やサービス分野で、より実務的で具体的なパートナーシップを築く余地があると指摘しました。
あわせて謝大使は、米国側に対し、中国企業の投資や事業運営に対して、公平で、公正で、差別のない環境を提供するよう期待を表明しました。ビジネスの現場での扱いが、信頼関係の基盤になるというメッセージとも受け取れます。
3. 「問題のリスト」を短くする
三つ目は、「問題のリスト」を短くすることです。謝鋒大使は、米国のビジネスリーダーに対し、ごく一部の米国の政治家が中国を中傷することをやめるよう働きかけ、二国間の経済・貿易関係に「新たな混乱」ではなく「前向きなエネルギー」をもたらすよう求めました。
課題をあおるのではなく、解決へと近づけていく姿勢が、安定した経済関係の前提であるというメッセージが込められています。
来年のAPEC・G20に向けた「流れづくり」
中国と米国が来年、それぞれAPECとG20の会合を主催する予定であることを踏まえると、今回のフォーラムは、ビジネス界の対話を通じて協力ムードを高めていく「流れづくり」の場とも言えます。
首脳レベルの対話という「アンカー」と、中国国内の長期的な発展戦略という土台の上に、ビジネス界がどのように対話と協力を積み上げ、問題を減らしていけるか。米中関係をめぐる議論が続く中で、実務の現場からのこうしたメッセージに注目が集まりそうです。
参加者の顔ぶれと今後の焦点
今回のフォーラムには、中国と米国のビジネス界から100人以上が参加しました。政府関係者だけでなく、企業や団体の代表が一堂に会したことで、今後の実務的な協力や意見交換の土台が広がったとみられます。
米中関係が揺れる局面でも、経済とビジネスの現場からどのように対話のチャネルを維持し、協力のリストを増やし、問題のリストを減らしていくのか。今回の「二つの文脈」と「三つのリスト」は、これからの議論を考えるうえで、一つのキーワードになりそうです。
Reference(s):
Two major contexts provide key opportunities for China–U.S. relations
cgtn.com








