ベナンで兵士が大統領解任を宣言 大統領府は「状況掌握」と強調 video poster
ベナンで兵士が「大統領解任」を宣言 大統領府は状況掌握を強調
西アフリカのベナンで、兵士の一部が国営テレビを通じてパトリス・タロン大統領の解任と政権掌握を宣言しました。一方で大統領府は、タロン氏は無事で政府が状況をコントロールしていると説明しており、情報が錯綜しています。
兵士らが国営テレビでクーデターを宣言
現地時間の日曜未明、兵士らのグループが国営放送局ベナンTVに登場し、タロン大統領が解任されたと一方的に発表しました。彼らは自らを軍事再建委員会(CMR)と名乗り、同日招集された委員会の決定として「パトリス・タロン氏を共和国大統領の職から解任する」と読み上げました。
最大都市コトヌーにあるタロン氏の公邸近くのゲゾー軍キャンプでは銃声が報告され、兵士らが国営放送局の施設を掌握したと地元メディアは伝えています。
大統領府「タロン氏は無事で、状況は掌握」
こうした発表に対し、大統領府はタロン氏の身柄は安全であり、治安部隊が状況を掌握したと表明しました。兵士らによるクーデター宣言がどこまで軍内部や治安機関全体を代表するものなのかは、現時点では明らかになっていません。
2026年大統領選とタロン政権の行方
タロン氏は2016年3月に初当選し、2021年4月に再選されました。憲法上は3選は禁止されており、2026年4月の大統領選挙をもって退任する予定とされていました。
ベナンの国民議会は11月、大統領の任期を5年から7年に延長する一方、2期までという上限は維持する法改正を承認しました。これにより、タロン氏自身の任期は延びないものの、後継政権の在任期間は長くなることになります。
次期大統領選に向けては、前財務相のロミュアルド・ワダニ氏が有力候補と見なされてきました。一方、野党のルノー・アグボジョ氏は、必要な推薦(スポンサーシップ)が十分に集まらなかったとして、選挙管理委員会により立候補を認められていませんでした。
「比較的安定」だったベナンの政治史
ベナンは西アフリカに位置し、面積は約11万2,000平方キロメートル、人口は約1,400万人とされています。地域の中では比較的平和で安定した国とみなされてきましたが、1960年に旧宗主国のフランスから独立して以降、複数回のクーデターやクーデター未遂を経験しています。
マチュー・ケレク大統領による約20年にわたる統治の間には、国名が人民共和国ベナンに変更されるなど体制の大きな転換もありましたが、1991年以降はおおむね政治的な安定が保たれてきました。今回のクーデター宣言は、そうした安定イメージに揺さぶりをかける出来事だといえます。
西アフリカで続く軍事政変の流れ
今回のベナンでの動きは、西アフリカで軍による政権掌握が相次ぐ流れの中で起きています。11月下旬には、ギニアビサウで選挙結果をめぐる争いから軍がクーデターを起こし、ウマル・エンバロ大統領が追放されました。この選挙では、現職と野党側の双方が勝利を主張していたとされています。
ベナンはこれまで、そうした動きから一定の距離を保ってきたとされてきましたが、軍内部の一部がクーデターを宣言したことで、地域全体の不安定化がどこまで広がるのかが新たな焦点となっています。
今後の焦点:市民生活と民主的手続きへの影響
今後の展開で特に注目されるポイントは次の通りです。
- 治安部隊や軍全体が、タロン政権とクーデター宣言を行った兵士のどちらを支持するのか
- CMRを名乗るグループが、どの程度広い政治的・社会的支持を得ているのか
- 2026年4月に予定される大統領選の日程やルールが変更されるのかどうか
- 市民の日常生活や基本的な権利がどこまで守られるのか
ベナンの今後の進路は、西アフリカ全体の政治的な安定にも影響を与えかねません。市民の安全と憲法に基づく手続きが尊重される形で、緊張が収束していくのかどうか、慎重に見守る必要があります。
Reference(s):
Soldiers stage coup in Benin, Presidency says situation under control
cgtn.com








