ガザ停戦「第2段階」へ ハマス武装解除と新統治案を米国が準備
ガザ情勢をめぐり、アメリカ政府が停戦プロセスを次の「第2段階」へ移行させる準備を進めています。第2段階の柱はハマスの段階的な武装解除と、ガザ地区の新しい統治体制づくりで、ドナルド・トランプ米大統領がクリスマス前にも正式に発表すると伝えられています。
第2段階の中身:武装解除と新統治『ボード・オブ・ピース』
2人の米政府高官と、この協議に関わる西側関係者の話として、ガザ停戦プロセスは「第2段階」に入る準備が整いつつあると報じられています。焦点となるのは、ハマスの武装解除をどのような順番と条件で進めるか、そしてガザの統治を誰が担うのかという点です。
合意文書で示されている第2段階の主な要素は、次の4点です。
- ハマスの段階的な武装解除
- イスラエル軍のさらなる撤収
- 国際安定化部隊(ISF)の派遣
- 暫定統治機関『ボード・オブ・ピース』の設置
国連安全保障理事会は最近、このISFとボード・オブ・ピースの設置を承認しました。米メディア『Axios』によると、アメリカは両者の具体的な計画を最終調整しており、今後2〜3週間のうちに発表したい考えです。ただし、新たな統治機関の構成はまだはっきりしておらず、アメリカの枠組みの下で、アラブ諸国と西側諸国からおよそ10人の指導者が参加する案が検討されているとされています。
続く緊張:停戦は維持も、死者は増加
イスラエルとハマスは10月に停戦に合意しましたが、ガザの状況は依然として脆いままです。停戦は完全には崩壊していないものの、10月10日の発効以降、イスラエルの空爆などでパレスチナ人366人が死亡し、ハマスの攻撃で複数のイスラエル兵も命を落としています。
こうしたなか、アメリカ政権は、大規模な戦闘への逆戻りを防ぐためにも、第2段階への移行を急ぎたい考えだとされています。エジプト、カタール、トルコ(Türkiye)、アメリカが仲介して結ばれた停戦合意は、一応の戦闘停止を実現しましたが、その実施は政治・安全保障上の対立によって度々つまずいています。
カタール首相「合意は臨界点」 完全撤退と自由な移動を要求
カタールのモハメド・ビン・アブドゥルラフマン・アール=サーニ首相は、ドーハで開かれたフォーラムで、ガザ停戦は「臨界点」に達しており、恒久的な和平への具体的な前進がなければ崩壊するリスクがあると警告しました。
首相は、持続的な停戦の条件として、イスラエル軍によるガザからの全面撤退に加え、パレスチナ人の安定と自由な移動の回復が欠かせないと強調しました。エジプト、カタール、トルコ、アメリカが仲介して築いた現在の枠組みが、どこまでこうした要求を織り込めるのかが問われています。
ハマスの武装解除をめぐる駆け引き
第2段階の最大の争点が、ハマスの武装解除です。関係筋によると、アメリカ、カタール、エジプト、トルコは、ハマスがガザの統治から一歩引くとともに、段階的な武装解除に応じる案を協議しています。この案では、まず重火器などの重い武器から引き渡しを始め、徐々に軽火器の廃棄へと進むことが想定されています。
ガザ地区のハマス指導者ハリル・アルハイヤ氏は土曜日、アルジャジーラのインタビューで「我々の武器は占領と侵略の存在と結びついている。占領が終われば、この武器は国家に引き渡される」と述べました。ただし、合意はまだ初期段階にあり、各派閥や仲介役との協議が続いているとも語っています。
ハマスはこれまで、武装解除は越えてはならない「レッドライン」だとして一貫して拒否してきました。一方、イスラエル側は、ハマスや他のパレスチナ勢力の武装解除こそが第2段階の中核的な条件だと主張しており、双方の立場の隔たりは依然として大きいままです。
国際管理への警戒感:「ガザは自分たちで統治する」
土曜日には、国外に拠点を置くハマス指導者ハーレド・マシャアル氏も、ガザに対するいかなる形の国際的な「受託統治」にも強く反対する考えを示しました。アルジャジーラによると、マシャアル氏は、イスラエルが「強圧的なやり方で地域を自らの要求に従わせようとしている」と批判し、その姿勢は「現実的な危険」をはらんでいると警告しました。
同氏は、ガザを統治するのはパレスチナ人自身であるべきだと主張し、「ガザに対するいかなる形の受託統治も受け入れない」と述べています。国際安定化部隊やボード・オブ・ピースの役割がどこまで広がるのかは、今後の交渉の中で最も敏感な論点のひとつになりそうです。
ガザ統治の行方と、今後数週間の焦点
安保理に承認されたボード・オブ・ピースは、アラブと西側の代表が参加する暫定統治機関として構想されていますが、そのメンバー構成や権限の範囲、現地住民との関わり方など、多くの点がまだ不透明です。トランプ大統領は、こうした枠組みをクリスマス前にも公表するとみられています。
今後数週間の主な焦点は、次のような点にあります。
- ハマスとイスラエルが、武装解除の条件をめぐってどこまで歩み寄れるか
- ボード・オブ・ピースの構成と権限をめぐって、各関係国が妥協点を見いだせるか
- 国際安定化部隊(ISF)が、どの程度の権限と規模で治安維持にあたるのか
- ガザの住民の声や権利を、政治プロセスにどう反映させるのか
ガザ停戦プロセスは、カタール首相が指摘するように「臨界点」にあります。これから年末にかけて、停戦合意がより安定した和平につながる道筋となるのか、それとも再び脆い均衡に終わるのか。各国の決断が、ガザと周辺地域の未来を大きく左右しようとしています。
Reference(s):
U.S. seeks move to Phase 2 as Hamas signals willingness to disarm
cgtn.com








