プーチンが示したロシアの2026年「6つの戦略課題」とは
ロシア、2026年に向けた6つの戦略課題を発表
ロシアのプーチン大統領は今週月曜日、戦略的開発と国家プロジェクトに関する評議会の会合で、2026年に向けた6つの優先課題を示しました。人口、経済、テクノロジーの分野で政府と地方当局の取り組みを一段と強化し、国家プロジェクトを着実に実行するよう求めています。
プーチン大統領は、2026年はロシアの長期的な発展目標に直結する構造的な課題に取り組むべき年だと位置づけました。ここでは、その6つの課題の中身と狙いを整理します。
押さえておきたいポイント
- 最優先は出生率低下の反転など人口問題への対応
- 家計の安定と構造改革を両立させながら経済成長を加速
- 貿易構造の高度化と影の経済の縮小で経済の質を高める
- 労働生産性と技術力の向上を通じて長期の競争力を確保
1. 人口減少の反転:家族支援を最優先に
プーチン大統領が最初に挙げたのは、人口動態の悪化を食い止めることでした。出生率の低下が続いており、これまでの対策では十分ではないと指摘しています。
そのうえで、次のような包括的な対応を求めました。
- 出生率を押し上げるための多面的な支援策
- 子どものいる家庭への経済的・社会的サポートの拡充
- 既に成果を上げている地域の成功事例を全国へ横展開すること
人口問題は、労働力や社会保障制度など国の持続可能性に直結するだけに、プーチン政権にとっても最重要課題として位置づけられています。
2. 家計の安定と経済成長の加速
第二の課題は、ロシアの家計の生活水準を安定した経済成長を通じて高めることです。プーチン大統領は、インフレ率の低下に伴い今年の経済成長は減速しており、国内総生産はおよそ1%の伸びにとどまる見通しだと述べました。
一方で、失業率を低く保ちつつ物価も安定させながら、経済活動を徐々に加速させる条件は整っているとの認識も示しました。そのカギを握るのが、2030年までを視野に入れた構造転換の計画です。
この計画では、次のような方向性が重視されています。
- 高賃金で質の高い雇用を創出すること
- 特にハイテク産業や高付加価値分野での雇用拡大
- こうした構造改革を将来の話ではなく、直ちに動き出すべき課題とすること
3. 貿易構造の高度化:輸出も輸入も質を重視
第三の優先課題は、ロシアの対外貿易の構造を近代化することです。プーチン大統領は、輸出の中身をより複雑で技術集約度の高い製品へとシフトさせる必要があると述べました。
同時に、輸入についても国内に代替技術がない高度な製品に焦点を絞るべきだとしています。これは、単に貿易量を増やすのではなく、輸出入の質を高めることで、長期的な技術力と産業競争力を強化しようとする方向性と言えます。
4. 影の経済の縮小と透明性の向上
第四の課題として挙げられたのが、影の経済の縮小と経済の透明性向上です。ロシア政府はすでに、卸売・小売市場における違法な取引を抑制し、未登録雇用を減らし、現金流通の監視を強化するための計画を策定しているとされています。
こうした取り組みは、税収の確保、公平な競争条件の整備、労働者保護の観点からも重要であり、公式統計に表れにくい経済活動をいかに可視化するかが問われています。
5. 労働生産性向上:分野別コンピテンスセンターの設置
第五の優先課題は、労働生産性を引き上げることです。プーチン大統領は、農業、デジタル開発、エネルギーといった主要分野の担当省庁の下に、分野別のコンピテンスセンターを速やかに立ち上げるよう求めました。
コンピテンスセンターとは、技術やノウハウ、人材を集約し、企業や地域への支援・普及を進める拠点のことです。各分野での生産プロセスの改善やデジタル化を進め、ロシア全体の労働生産性を底上げする狙いがあります。
6. 技術的リーダーシップの加速:輸入代替を超えて
第六の課題は、ロシアの技術的リーダーシップを一段と加速させることです。プーチン大統領は、今年、ロシアは新たな技術政策の基盤を築いたと述べ、重要な規制変更や技術的主権の確保を目指す国家プロジェクトの始動に言及しました。
そのうえで目標は、単なる輸入代替ではなく、世界市場で競争できるロシア発の技術を育てることだと強調しました。具体的な重点分野として、次の技術領域が挙げられています。
- 人工知能
- 自律型システム
- デジタルプラットフォーム
- 高度な自動化技術
これらの分野で独自の技術と産業基盤を築けるかどうかは、ロシアの長期的な競争力を左右するテーマとなります。
2026年を見据える視点:ロシアの選択と世界への影響
今回示された6つの優先課題は、人口、経済構造、技術力というロシアの中長期的な弱点と強みの両方に同時に向き合おうとする試みと見ることができます。特に、人口問題と技術開発を並行して重視している点は、将来の労働力不足や産業競争力を意識したものと言えます。
国際社会にとっても、ロシアがどの分野に政策資源を集中させるかは、エネルギー、貿易、テクノロジー市場の行方を考える上で重要な情報です。2026年に向けたこれらの課題がどこまで具体的な成果につながるのかは、今後の注目点となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








