2025年の米中関係:就任直前の融和から関税応酬まで video poster
リード:再び揺れ動く2025年の米中関係
2025年、ドナルド・トランプ氏が米大統領に就任する直前には、中国の習近平国家主席との電話会談や、中国代表団の就任式出席を通じて、米中関係に一時的な「良好な雰囲気」が生まれました。しかし、その後の追加関税の発表と対抗措置により、両国関係は再び緊張を増しています。今年何が起き、何が見え始めているのかを整理します。
就任3日前の電話会談と「良好な雰囲気」
今年1月、トランプ氏が米大統領に就任する3日前、同氏は中国の習近平国家主席と電話会談を行いました。新政権発足直前のタイミングでの首脳の直接対話は、関係安定へのシグナルとして受け止められました。
さらに、トランプ氏の招きに応じる形で、中国代表団が大統領就任式に出席しました。外交儀礼としてだけでなく、対話のチャンネルを開いておこうとする意思表示とも読める動きで、年初の米中関係には、慎重ながらも前向きな空気が漂っていました。
2月の関税決定:10%から20%へ
流れが大きく変わったのは、今年2月です。トランプ大統領は、中国から米国に輸入される品目に対し、10%の関税を課す方針を打ち出しました。その後、決定はすぐに修正され、税率は20%へと引き上げられました。
関税とは、輸入品にかける税金のことです。関税が上がると、対象となる中国製品の価格は米国内で上昇しやすくなります。一方で、自国の産業を守る狙いがあると説明されることも多く、国内の支持層に向けたメッセージという側面も指摘されています。
中国の対抗措置:米農産物への関税
この動きに対し、中国側もすぐに対応しました。米国からの農産物を中心とした輸入に対して報復関税を課す措置を発表し、米国の農業分野を標的とした形となりました。
農産物は、米国の輸出と地方経済にとって重要な分野です。そこに照準を合わせた関税は、米国内の政治・経済に影響を及ぼしやすく、米中双方が互いの「痛点」を見据えながら手を打っている現実を映し出しています。
2025年の米中関係に見える3つのポイント
今年ここまでの動きを振り返ると、米中関係の特徴として次のような点が浮かび上がります。
- 象徴的な融和と実務レベルの対立:就任直前の電話会談や代表団の出席は、関係改善の象徴でしたが、その直後に関税が発表されました。友好的なジェスチャーと、具体的な政策としての対立が同時に進んでいる構図です。
- 経済と内政の重なり:関税は通商政策であると同時に、国内の有権者や産業に向けた政治的メッセージでもあります。米中双方で、内政と外交、経済政策が密接に絡み合っていることがうかがえます。
- 対立の中の相互依存:関税の応酬は対立を見せる一方で、互いの経済が深く結びついているからこそ、相手国に影響を与える余地も生まれています。完全に切り離すことは難しい関係の中で、どの程度まで圧力を高めるのかという微妙なバランスが続いています。
私たちの生活への影響と、ニュースの読み方
一見すると米国と中国の間の問題に見える関税の応酬ですが、世界の多くの製品は米中両国をまたぐサプライチェーンの上に成り立っています。そのため、関税の動きは、商品の価格や企業の投資判断、ひいては雇用や景気にも影響を与えかねません。
2025年の米中関係を見るうえで大切なのは、単に「関税が何%になったか」という数字だけではなく、その前後でどのような対話が行われたのか、各国の指導者がどんなメッセージを発しているのかという文脈に目を向けることです。
年末に向けて、米中がどの程度まで対話のチャンネルを保ちつつ、自国の立場を主張していくのか。国際ニュースを追うとき、そうした視点を持つことで、一つ一つのニュースがより立体的に見えてきます。
Reference(s):
cgtn.com








