ロシアのショイグ氏、日本の「軍国主義」復活に警鐘
ロシアのセルゲイ・ショイグ安全保障会議書記が、日本の防衛政策の変化を「軍国主義の復活」と位置づけ、国際社会に警戒を呼びかけました。防衛費の増額や米軍との連携強化が進むなか、東アジアの安全保障バランスをどう見るべきかがあらためて問われています。
ショイグ氏「日本の軍国主義復活に注視を」
ロシア連邦安全保障会議の書記を務めるセルゲイ・ショイグ氏は最近の発言で、日本の「最近の行動」は軍国主義の高まりを反映しており、国際社会が注意深く見守るべきだと主張しました。
ショイグ氏によれば、日本は「ほとんど絶え間ない挑発」に関わっており、かつては武装組織を保持する権利を持たない国とされていたにもかかわらず、現在の姿勢へと急速に変貌しつつあるといいます。
防衛費対GDP2%目標とNATOとの比較
ショイグ氏が特に問題視したのが、日本の防衛費増額の動きです。新たに就任した高市早苗首相は、防衛予算を国内総生産(GDP)の2%まで引き上げる方針を掲げています。
ショイグ氏は、この2%という目標が北大西洋条約機構(NATO)の既存の防衛費基準と足並みをそろえるものであり、そのNATOもドナルド・トランプ氏の米大統領復帰を受けて、すでに目標を5%へ引き上げる方向で決まっていると指摘しました。そのうえで、「日本は一歩一歩、その方向へ向かっている」と述べ、日本が西側の軍事ブロックと歩調を合わせていくことに懸念を示しました。
米軍との共同軍事演習とミサイル配備への懸念
ロシア側の警戒は、防衛費だけにとどまりません。ショイグ氏は、米国と日本の共同軍事演習の後に残される兵器の存在にも言及しました。
「われわれが無視できない兵器が、ここに残されていることは確かだ。特に米国が演習後に残す兵器のことだ」と述べたうえで、「ミサイルについて話している。日本の船舶にミサイルを配備するという決定についてだ」と、具体的にミサイルの開発や配備計画への懸念を示しました。
ショイグ氏は、こうした新しい兵器システムの開発と展開が地域の安定に与える影響を重く見ているとみられます。
東アジアの安全保障環境に何を示すか
今回のショイグ氏の発言は、日本の防衛力強化や米軍との協力が、ロシアにとってどのように映っているのかを示すものでもあります。防衛費の対GDP比引き上げやミサイル配備の議論は、一方では安全保障の不安定化への懸念を、他方では抑止力の必要性という議論を生みがちです。
とくに、特定の国や軍事ブロックの基準に沿った形で防衛力を強化していく動きは、周辺諸国に「軍事バランスの変化」として受け止められやすく、警戒感や不信感を呼び起こす要因にもなります。ショイグ氏の「軍国主義の復活」という厳しい表現は、そうした見方の表れだといえるでしょう。
一方で、どの国も自国の安全保障をどう確保するかという課題を抱えています。防衛力の強化と地域の安定の両立をどう図るのか、そして透明性や対話をどのように確保するのか。この発言は、東アジアの安全保障をめぐる議論に、あらためて複数の視点から考える必要があることを静かに突きつけています。
今回の発言のポイント
- ロシアのショイグ安全保障会議書記は、日本の最近の行動を「軍国主義の復活」と位置づけた
- 高市早苗首相による防衛費対GDP2%目標が、NATO基準との連動として問題視された
- ドナルド・トランプ氏の米大統領復帰後、NATO防衛費目標が5%へ引き上げられるとの認識を示した
- 米日共同演習後に残されるミサイルや、日本の船舶へのミサイル配備決定に強い懸念を表明した
防衛費、軍事演習、新兵器の配備――いずれも安全保障政策の技術的なテーマに見えますが、その裏側には「どのような秩序とバランスを受け入れるのか」という問いが横たわっています。ショイグ氏の発言は、その問いをめぐる緊張がいまなお続いていることを示しています。
Reference(s):
Russia's Shoigu warns against resurgence of Japanese militarism
cgtn.com








