OpenAIがGPT-5.2発表 Google Gemini 3と激化するAIモデル競争
OpenAIが新たなAIモデル「GPT-5.2」を発表しました。Googleの最新モデル「Gemini 3」に対抗する形で開発が加速するなか、ディズニーの10億ドル出資も重なり、AIをめぐる競争と連携が一気に動き始めています。
GPT-5.2が公開:まず有料プランから順次展開
OpenAIは木曜日、GPT-5.2を正式に公開したと発表しました。SNS「X」への投稿によると、GPT-5.2は以下の3つのバリエーションで提供が始まります。
- GPT-5.2 Instant
- GPT-5.2 Thinking
- GPT-5.2 Pro
まずは有料のPlus、Pro、Business、Enterpriseプランの利用者に向けて提供を開始し、無料プランとGoユーザーには翌日以降に順次開放するとしています。オンラインでAIを日常的に使う層にとって、最新モデルをいち早く試せるかどうかは関心の高いポイントです。
GPT-5.2の特徴:汎用性・コード・長い文脈に強み
OpenAIによれば、GPT-5.2は主に次のような点で性能が向上しているとされています。
- 汎用的な知能の向上:幅広い分野の質問やタスクに対応しやすくする改善。
- コード生成・コーディング能力の強化:プログラムコードの作成や修正、デバッグ支援など、開発関連の作業をより高い精度でサポート。
- 長い文脈の理解力:長文や複雑なやり取りの前後関係を踏まえながら処理する力を高めたとしています。
OpenAIは、GPT-5.2がユーザーの経済的価値を高めることも強調しています。具体的には、次のようなビジネス寄りのタスクでの活用が想定されています。
- スプレッドシートの作成・整理
- プレゼンテーション資料の作成
- 複数ステップにまたがるプロジェクトの進行管理
また同社は、既存の課題である「必要以上の回答拒否(オーバーリフューザル)」や「応答の遅さ(レイテンシ)」への対応も継続すると説明しています。安全性を保ちつつ、使い勝手をどこまで高められるかが、今後の改良の焦点と言えそうです。
Gemini 3への対抗と「コードレッド」
今回のGPT-5.2発表の背景には、GoogleのGemini 3の存在があります。Gemini 3は11月に登場し、AIモデルの性能を比較する各種リーダーボード(業界の性能指標)で優位性をアピールしてきました。
報道によると、OpenAIのサム・オルトマンCEOは12月上旬、社内で「コードレッド」を発令し、重要度の低いプロジェクトを一時停止。開発チームをGPT-5.2の開発加速に振り向けたとされています。競合モデルへの対応を急ぐための社内体制の見直しだったことがうかがえます。
一方でオルトマン氏は、米メディアCNBCのインタビューで、Gemini 3の影響を過度に強調しない姿勢も見せました。同氏は、Gemini 3が同社の各種指標に与えた影響について、「当初恐れていたほど大きなものではなかった」と述べ、冷静さを保っていることを強調しています。
とはいえ、11月のGemini 3、続くGPT-5.2と、主要プレーヤーによる大型アップデートが短期間に続いていること自体、AI分野の競争が一段と激しくなっていることを物語っています。
ディズニーが10億ドル出資 Soraでキャラクター利用も
AIモデル競争にコンテンツ大手も動きました。ディズニーは木曜日、OpenAIに対して10億ドル(約数千億円規模)の出資を行うと発表しました。同時に、OpenAIの映像生成AI「Sora」で、スター・ウォーズ、ピクサー、マーベルといった人気フランチャイズのキャラクターを利用できるようにする方針も明らかにしています。
これにより、Soraを通じて、著名なキャラクターを含む映像コンテンツが生成できる可能性が開けます。クリエイターや企業にとっては、新しいプロモーション映像やファン向けコンテンツの制作手段になりうる一方で、ブランドのイメージ管理や著作権の扱いなど、実務面でのルール作りも重要になります。
コンテンツ企業によるこうした大型出資は、AIを「技術」だけでなく、「物語」や「キャラクター」と結びついたプラットフォームとして捉える流れが強まっていることを示していると言えます。
既存モデルは維持 開発者にとっての選択肢
マイクロソフトの支援を受けるOpenAIは、GPT-5.2を投入しつつも、既存モデルの提供を当面維持する方針です。同社は、GPT-5.1、GPT-5、GPT-4.1をアプリケーション向けのプログラミングインターフェース(API)から外す計画はないとしています。
これは、開発者や企業ユーザーにとって、用途に応じてモデルを選びやすい環境を保つ狙いがあると見られます。新モデルにすぐ移行したい利用者もいれば、既存モデルで安定した運用を続けたい利用者もいるためです。
APIラインナップを厚く保つことは、一方で選択肢の多さゆえに「どのモデルを使うべきか」という新たな悩みも生みます。性能、コスト、応答速度、安全性といった複数の軸をどうバランスさせるかが、サービス設計の重要な判断材料になっていきそうです。
相次ぐアップデートが映すAI業界のプレッシャー
OpenAIは11月にGPT-5を改良したGPT-5.1を投入し、その直後にGPT-5.2を公開しました。わずかな期間で主力モデルのアップデートを重ねていることについて、観測筋からは、AI業界全体が強い競争プレッシャーにさらされている証左だという見方も出ています。
ユーザー側から見ると、モデルが頻繁に更新されることで、次のようなプラスとマイナスの両方があります。
- プラス面:性能向上や新機能を早いサイクルで享受でき、業務効率化や新サービスの創出につながりやすい。
- マイナス面:仕様や挙動の変化に追随するコストが発生し、検証やガバナンスの体制づくりが追いつきにくい場合もある。
今回のGPT-5.2の登場、Google Gemini 3の存在、そしてディズニーの大型出資は、AIが技術開発だけでなく、ビジネスモデルやコンテンツ産業を巻き込んだ「総合戦」へと移りつつあることを印象づけます。
通勤時間やスキマ時間にニュースを追う読者にとっては、モデル名や性能指標だけでなく、「誰が、どのような目的で、どのAIをどう組み合わせようとしているのか」という視点で見ていくと、今後の動きが少し立体的に見えてくるかもしれません。
Reference(s):
OpenAI launches GPT-5.2 amid competition with Google's Gemini 3
cgtn.com








