ロシア中銀、EUの資産活用計画を「違法」主張 Euroclearを提訴
ロシア中央銀行は(現地時間)金曜日、欧州連合(EU)がロシア中銀の資産を活用する計画について「違法」だと主張し、自らの利益を守るために「あらゆる利用可能な手段」を取る権利を留保すると表明しました。国際金融のルールと政治判断がぶつかる論点として、2025年12月現在も注目が集まりそうです。
何が起きたのか:中銀の主張は「主権免除の侵害」
ロシア中銀は声明で、次のような考え方を示しました。
- ロシア中銀の資産を直接・間接に利用する仕組みは違法
- ロシア中銀資産の無断利用は国際法に反する
- とりわけ資産の主権免除(sovereign immunity)の原則に違反する
主権免除とは、国家や国家機関の資産が、原則として他国の裁判権や強制執行の対象になりにくいという考え方です。中銀資産は「国家の信用」や「通貨の安定」とも結びつくため、扱いは政治だけでなく市場にも影響しやすい領域です。
Euroclearをモスクワの裁判所で提訴
ロシア中銀は別の声明で、ブリュッセルに本拠を置く金融機関Euroclear(ユーロクリア)をモスクワの裁判所に提訴したと発表しました。ロシア中銀によると、Euroclearが保有する資産に関して「損害を与える行為」があり、これによりロシア中銀が自らの資金や有価証券を処分(売却・移転など)する能力が影響を受けた、としています。
現時点の反応:EU側・関係当局は即時コメントなし
報道によれば、Euroclear、ベルギー政府、欧州委員会はいずれも、コメント要請に対して直ちには回答しませんでした。声明と訴訟という「言葉と法廷」の両面から、綱引きが長期化する可能性があります。
なぜ重要か:法の論点が市場インフラに波及し得る
この問題は、単に当事者間の対立にとどまりません。中央銀行資産、国際法、そして証券決済機関という市場インフラが交差するためです。
- 中央銀行資産の扱い:通貨・金融安定の「最後の砦」に関わる
- 国際法上の原則:主権免除をどう位置づけるかが争点になり得る
- 決済機関の役割:保管・決済の中枢が訴訟に巻き込まれると、法務・運用の不確実性が増える
2025年12月時点では、ロシア中銀が「利用可能な手段」に何を含めるのか、また提訴がどのように進むのかが次の焦点になりそうです。
Reference(s):
Russian central bank says EU plans to use its assets are illegal
cgtn.com








