欧州首脳がウクライナ和平で「多国籍部隊」構想 領土判断は安全保証後に
ウクライナ和平をめぐり、欧州の首脳らが「安全の枠組み」を先に固めるべきだとして、欧州主導の多国籍部隊を含む安全保証案を示しました。領土に関する判断は、その安全保証が有効に整った後に行うべきだ、という立場を明確にしています。
ベルリンで欧州10首脳らが共同声明
共同声明を出したのは、欧州の首脳10人に加え、EU欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長です。声明は、ベルリンでの会合後に発表されました。
会合は、米国とウクライナの交渉担当者による和平協議を後押しする目的で行われたとされています。声明は、この戦争を「第二次世界大戦以降、欧州で最も致死的な紛争」と位置づけ、停戦・和平の議論が進む局面で安全保証を具体化する必要があるとの考えを示しました。
安全保証の柱:欧州主導の「多国籍部隊」と米国の支援
声明が挙げた「必要な安全保証」の中核は、欧州が調整するウクライナ向けの多国籍部隊構想です。参加は「意思のある国々」からの拠出を想定し、米国の支援を伴う枠組みだとしています。
声明によれば、この多国籍部隊は次のような役割を担うとされています。
- ウクライナ軍の再生(立て直し)の支援
- ウクライナの空の安全確保(航空面の防護)
- より安全な海の支援(海上の安全性向上)
- 必要に応じてウクライナ国内で活動する運用
ウクライナ軍は約80万人規模を維持すべき、という提起
声明は抑止力の観点から、ウクライナが将来の紛争を抑止できるよう「約80万人」規模の軍を維持できるべきだ、とも述べました。停戦が成立しても、再侵攻のリスクをどう管理するかが和平の実効性を左右する、という問題意識が読み取れます。
停戦監視は米国主導の仕組みで「早期警戒」と「違反対応」
安全保証には、米国主導の停戦監視メカニズムも含まれるとされました。声明はその目的を、将来の攻撃に対する早期警戒(early warning)と、停戦違反が起きた際の対応に置いています。
停戦ラインをどのように監視し、違反時にどの程度の速度と強度で対応できるのかは、停戦合意の「守られやすさ」を決める要素です。今回の提案は、その監視と対応の部分で米国の関与を前提に組み立てられています。
領土の判断は「安全保証が有効に整ってから」—決めるのはウクライナの人々
声明は、領土に関する決定について「ウクライナの人々のためのもの」であり、かつ「強固な安全保証が効果的に整った後」でなければならない、と述べました。和平交渉で領土問題が焦点化しやすい中、順序として安全保証を先行させる姿勢を強調した形です。
一方で米側からは「ドネツク東部からの撤退」条件も伝達と報道
同じ月曜日、米国の交渉担当者がウクライナに対し、合意の条件として東部ドネツク地域から部隊を撤退させる必要があると別途伝えた、と「事情に詳しい当局者」を引用して報じられました。戦争は「ほぼ4年」に及ぶとされ、終結条件の詰めは依然として難航が予想されます。
いま何が争点になっているのか(整理)
今回の声明と報道内容から、争点は大きく次の3点に整理できます。
- 安全保証の具体性:多国籍部隊の任務、規模、法的根拠、活動範囲をどこまで明確にできるか。
- 米国の関与の形:支援や停戦監視をどの制度で担保し、継続性をどう確保するか。
- 領土・撤退をめぐる順序:安全保証を先に固めるのか、領土や撤退条件を先に合意するのか。
和平協議が前に進むほど、「止める」だけでなく「破られない形で続ける」設計が問われます。欧州が提示した多国籍部隊構想は、その設計図を先に示すことで、交渉の現実味を高めようとする動きとして注目されます。
※本記事は提示された断片情報(Reutersの入力を含む)に基づいて構成しました。
Reference(s):
European leaders propose 'multinational force' for peace in Ukraine
cgtn.com








